1、はじめに
初めて外壁塗装工事をされる方は、施工業者から事前に工事についての説明をされても全てを理解することはなかなか難しいのではないでしょうか? 工事の内容以外にも「工事中は留守にしてしまうし、大丈夫かな?」と様々な疑問をお持ちかと思います。 外壁塗装は10以上の工程で成り立っていて、順序も決まっています。 工程をきちんと守って丁寧に作業をしてもらえれば、ご家族も安心できて質の高い工事にすることができます。今回は外壁塗装工事の各工程のポイントをご紹介します。 また、施工業者に工程内容を確認する方法もお伝えしていきます。
2、一般的な外壁塗装の工程一覧
外壁塗装はたくさんの工程から成り立っています。 まずは施工業者の説明を聞いた時など、こちらの工程表と照らし合わせてみてください。 漏れがなければひとまず安心です。 この工程表は建材や塗料の種類を問わず、およそどのお家にも当てはまる主要なものだからです。 これが最低限の工程ですので、1つでも抜けていると良い工事にはできません。 特に「一式全部やりますよ」などと大雑把な説明だけだった場合は、この項目がきちんと入っているか確認しましょう。
また、工期は10~14日前後かかります。 目安として各工程1日ずつかかるものだからです。(屋根工事など、平行できる作業もあります) 「1週間で終わりますよ」という場合には、こちらの工程がすべて入っているか確認しましょう。
【外壁塗装工事の流れ】
1:着工前あいさつ 2:足場着工 3:高圧洗浄 4:素地調整 5:板金補修 6:下地調整 7:養生 8:下塗り 9:中塗り 10:上塗り 11:確認、チェック作業 12:足場解体
3、各工程の内容とおさえておきたいチェックポイント
次に各工程の内容・役割をご紹介していきます。 塗装工事は、大切なお家を長持ちさせるための重要な工事です。 工程1つ1つに大事な役割がありますので、これを知っておけば工事を失敗する心配がなくなり、より品質の高い工事にすることができます。 また、今回は先程ご紹介した外壁塗装工事の工程表の項目に加えて、実際には多くの方が外壁塗装と一緒に行う工程「コーティング工事(外壁の下地調整)」と「付帯物塗装」についても説明していきます。
① 着工前:ご近所へのあいさつ
工事中は足場の組み立てや車の出入りなどでご近所にご不便・ご迷惑をおかけするので、必ず工事が始まる前にご挨拶に伺います。 工事の内容、期間などを説明します。 工事前に挨拶をしておくと、多くの方が「お互い様だから」と言ってくださるので、今後のご近所付き合いのためにも伝えておくとよいでしょう。 挨拶は通常、工事の1週間前~前日までに行います。 近年は施工業者が挨拶の品や手紙を用意してくれるところも多いです。 挨拶に伺う範囲、必ず挨拶してほしいお家などを施工業者と打ち合わせておくと安心です。
② 1日目:足場着工(期間:半日~1日)
外壁塗装を行うためには、効率性・安全性を上げるために作業用の足場が必要です。 大きなトラックで資材を運んできて組み立てます。 車の出入りに注意しましょう。 足場を組み立てた後は、メッシュシートも設置します。 塗料の飛散防止のほか、職人の落下防止など安全面でも大事な作業です。 金属をしっかり組み上げる作業ですので、どうしても音が出てしまいます。 近隣への挨拶の際も一言伝えておきましょう。
万が一にもお車を傷つけてしまっては大変ですので、足場作業の日は車を移動しておきましょう。 また、足場自体が駐車場にかかってしまうお家もあります。 その場合は、工事期間中は別の駐車場を確保する必要があります。 どこまで足場が組まれるか、車は停められるかを確認しておきましょう。
鉢植えや置物などは多少であれば業者も移動してくれるので、大事なものだけ自分でやってあとは業者に依頼することもできます。 その場合は、大事な植木やお花などは「これは傷つけないように注意してください」と予め業者へ伝えておきましょう。
また、プロパンガスをご利用の方は、足場が組まれてしまうとプロパンガスの出し入れができなくなります。 足場組立の前に必ず補充をしておきましょう。
③ 2日目:高圧洗浄(期間:半日~1日)
外壁にこべりついたカビやコケ、藻、汚れ、ほこりを高圧の水流によって洗い落して塗料の接着をよくするために行います。 天候、気候によっては終わってから乾燥させる日を空ける場合があります。
洗浄の日は水が飛ぶので洗濯物の外干しはできませんし、外壁塗装が始まってからの塗料も多少飛散します。 洗濯物に付くと落ちなくなっていまいますので、高圧洗浄が始まったら塗装工程が終わるまでは外干しができないと考えておきましょう。 足場が組まれ、メッシュシートがあっても水しぶきは周りに飛んでしまいます。 近隣には高圧洗浄の日程も伝えておいて、万が一にも洗濯物を汚してしまわないように気を配りましょう。
また、水圧で窓が開いてしまう場合があります。 室内に水が入らないように鍵もしっかり閉めましょう。
高圧洗浄をするときは、お家の水道をお借りするのが一般的です。 通常の一軒家であれば1,000~2,000円です。 その月だけ水道代が何万円も跳ね上がる…ということはありませんので、ご安心ください。
④ 下地調整(期間:数時間~半日)
高圧洗浄で落ちない著しい汚れやサビなどがある場合は、主に手作業できれいにしていきます。 汚れやほこりなどを掃除する他、サンドペーパーやナイロンたわしのようなもので研磨して素材表面に微細なキズをつけて荒くし、塗料の密着性が高まるようにしてあげます。 サビ以外にも木が傷んで毛羽立っているようなところやボード材の表面が剥がれているところも整えていきます。
⑤ コーキング工事 ※サイディングボード、ALCのお家のみ(期間:1日)
コーティング(シーリング)とは、ボードとボードの境目、また窓などのサッシ周りに入っているゴム状の素材です。 境目(目地)のコーキングは打ち替え(交換)をします。 古くなったコーティングは基本的に全て撤去、交換になります。 雨水の侵入を防ぐために必ず必要な工程です。 サッシ周りのコーキングは増し打ち(追加)をします。
コーキングも乾くまでに半日ほどかかることがあります。 洋服に付くと落ちにくいので注意しましょう。 新しいコーキングは、艶や弾力があって小さなお子さんも気になるかもしれません。 触らないように注意してみてあげましょう。
⑥ 養生(期間:1日)
養生とは、ビニールやテープ、布などで覆って塗料の飛び散りを防ぐ作業です。 お家の塗り替えはローラーや刷毛で塗装することがほとんどで、少なからず廻りに塗料が飛び散ります。 ただ、お家には塗料がついてしまうと不都合な場所がたくさんあります。 アルミサッシ、窓、地面の床、植木や植物などです。 こうした塗装をしない場所を保護するのが養生作業です。
養生すると、シャッターや雨戸も動かせなくなります。 風通し、日光を入れるといったことができなくなりますのでご注意ください。 人が歩くところの養生は滑りにくい専用ビニールを使いますので、ものすごく滑りやすくて危険というわけではありませんが、やはりいつもと違う状態になっています。 特に雨の後などは念のため注意しておくとよいでしょう。 また、エアコンなどの室外機は、通気ができる専用のカバーで養生することが多いです。 工事中いつも通りにエアコンを使用できますので、夏場・冬場の工事もご安心ください。
⑦ 下塗り(期間:1日)
下塗りの主な役割は、その上から塗る塗料が剥がれないように接着させることや、小さいひび割れを埋めることです。 外壁材や木部、鉄部など素材によって下塗り剤を変える必要があります。 いずれの下塗りも、仕上げの色とは違う色のことが多いです(主に白色)。 「希望した色と違う!」と慌てなくても大丈夫です。 この後の中塗りで徐々に選んだ色に塗り替わっていく様子がわかるので、色の変化を楽しんでご覧になる方も多いです。
⑧ 中塗り(期間:1日)
中塗りはいよいよ選んだ色に近づいていく工程です。 凹凸のある外壁の場合、凹みの部分は刷毛で先に塗り、最後にローラーで仕上げていきます。
⑨ 上塗り(期間:1日)
上塗りは、一般的な塗料では中塗りと同じものをもう1度塗ります。 ツヤあり塗料の場合は、上塗りをすることで美しいツヤが現れてきます。 ツヤなしの場合は、ここでツヤ消し材を混ぜた塗料を塗り、乾くとマットな仕上がりになっていることが確認できます。
ここまで養生ビニールのせいで窓を開けることができませんでしたが、上塗りが乾けば残りは細かな作業がメインになりますので、養生を外してもらえる場合があります。 日曜日など作業がお休みの日と重なったらベランダに出て洗濯物を干したりできますので、上塗りが終わったらぜひ施工業者に確認してみましょう。
⑩ 付帯塗装 ※ 外壁と一緒に行う方のみ(期間:1~2日)
付帯物塗装とは、お家についている外壁以外の様々な部位も一緒に保護していくための塗装です。 付帯部には雨樋や破風板、軒天井などがあります。 何回も足場を組む費用を抑えられますし、壁が綺麗になると他の部分も一緒に綺麗にしたくなるので、外壁塗装とセットで行う方が多いです。 刷毛やローラーの後が残らないよう、丁寧さや細やかさが求められる工程です。
⑪ 確認作業(期間:1時間~半日程度)
お家全体をビニールで細かく養生しても、塗料の飛び散りやはみ出しなどは必ず出てくるものです。 その場合、シンナー等で拭き取り掃除をしたり、タッチアップ補修ではみ出しを微調整したりしていきます。
⑫ 足場解体、清掃(期間:半日程度)
組み立ての時と同じように、トラックを使って資材を運ぶので、車の出入り時間などを確認しておきましょう。時間は組み立てよりも1時間ほど早く終わる場合が多いです。 足場解体後は動かしてもらったものを戻し、お庭などの掃き掃除をして完了となります。 工事中は足場やシートで影になっていたところも多いので、足場が取れて初めてお家全体の仕上がりを見ることができます。
⑬ 近隣への挨拶
工事中にご不便をおかけした旨を近隣の方にご挨拶します。 ご協力いただいたお礼、感謝の気持ちを一言伝えるだけでお互いとてもよく工事を終えることができます。 工事開始前の挨拶と同様、施工業者でやってくれるところが多いです。
4、工程確認を3回してくれる業者に依頼すると安心
お仕事などで外出されると「全部の工程を見ることができない」という方もたくさんいらっしゃるかと思います。 安心して工事を任せるためには、様々な方法で施工業者から情報をもらって工事内容を確認しましょう。 工程確認は、工事前・工事中・工事後のそれぞれで方法があります。 どうすれば安心して工事を任せられるのか具体的にお伝えしていきますので、ぜひ施工業者に確認してみましょう。
① 工事前は口頭説明と資料をもらう
契約時か契約後の打ち合わせでは、必ず工程の説明をしてもらいましょう。 また、単に口頭で話を聞くだけではなく、パンフレットや書類にまとまっているものをもらうのが1番安心です。 書面で残しておけばお忙しい方でも都合のよい時に読めますし、たとえ忘れてしまってもいつでも見返すことができます。
② 工事中は工程表、看板や記録ノートでチェック
工事が始まったら工程表をもらいましょう。 工程表はほとんどの業者が用意してくれます。 およそどんなスケジュールで進んでいくのかがわかります。 ただ、工程表はあくまで目安程度に考えておきましょう。 実際には天候や建材の状態によって工程もずれが起こることが多いからです。 毎日書き換えられる工程看板や、その日の作業の進み具合を教えてくれる記録ノートも一緒だと1番よいです。
③ 工事後は写真で確認
工事中は作業の様子を工程ごとに撮影しておいてもらい、すべて提出してもらえる会社だと非常に安心です。 特に高いところの様子やひび割れなどの補修をしてもらったところの写真、塗料の使用量を量っているものがあるとよいでしょう。 これらは塗り終わってしまうと確認が難しいからです。 写真はきちんと工事をしていることの証拠になりますし、お家の大事な思い出としても残せます。 大切なわが家の外観がどんな風に変わっていったのかをお子さんの成長アルバムのように楽しめるのではないでしょうか。 ぜひこうした写真をたくさん撮ってくれる会社に工事を依頼して、安心できる塗装工事にしたいですね。
5、まとめ
外壁塗装はたくさんの工程から成り立っています。 どんな作業があるのか把握しておくと、安心して工事を進めることができます。 何より1つ1つ工程の重要性を知ることでご自身でチェックするポイントと、施工業者に気をつけてもらいたいポイントもわかり、品質のよい工事にすることができます。 外壁塗装は大切なお家のお手入れ工事です。 工程を理解してよりよい工事にしましょう。
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