1、はじめに
家の外壁リフォームにおいて、塗装やサイディングの重ね張り・張り替え等を検討する際に「せっかくの機会だから、色をツートンカラーにしてみたい」とお考えになる方は多くいらっしゃいます。 しかし「組み合わせ方を間違えると、失敗するかも・・・」という不安をお持ちの方も少なくないはず。 ここで今回は、おしゃれなツートンカラーの外壁にリフォームするための色選びや色分けのコツや、失敗しないための注意点等をご紹介します。
2、外壁をツートンカラーにする時の6つのポイント
ツートンカラーにする際は、何より色選びが重要です。 失敗しないためにも、以下の6つのポイントを参考にしてみてください。
① 2色の比率は6:4~7:3を基準にする
外壁をツートンカラーにする際には、2色の割合が6:4~7:3程度になるように施工してもらうとよいでしょう。 この比率を基準にすることで、バランスがよく見えます。
② 調和のとれた同系色を選ぶ
配色の失敗を防ぐためには、同系色でまとめると無難です。 一般的に白とグレー、グレーと黒、クリーム色とブラウン等のカラーでまとめる建物が多く見られます。 同系色の配色にすることで色相に類似性が感じられるため、まとまって見えるようになります。
③ セパレートカラーで引き締める
同色色のカラーでも上手にまとまらない場合や、配色の対比が強すぎる場合等には、2色の間にセパレートカラーを入れましょう。 2色の境界となる箇所に、幕板や雨樋等で別カラーのラインを入れることにより、それぞれの色を独立させることができ、印象的なイメージに仕上げてくれます。 セパレーションは、色同士を分離することで強烈すぎる配色を和らげたり、弱すぎる配色を引き締めたりと、2色の見え方を調整してくれます。 ちなみにセパレーション部分にはほとんどの場合、隣り合う色とぶつかり合うことがない、白や黒に近い色を採用するのが一般的です。
④ 3色使う場合は、比率に注意
外壁に使用するカラーは、最大でも3色くらいまでが理想ですが、この場合にはベースカラー・アソートカラー・アクセントカラーの比率を意識してデザインしましょう。
■ ベースカラー
塗装面積が最も多いベースカラー部分は、全体の60~70%くらいになるように構成したいところです。 赤や緑等鮮やかすぎる原色は不向きです。 近隣の色合いにも調和するカラーを選択するのがベストです。
■ アソートカラー
ベースカラーの次に多く使うアソートカラーは、全体の20~30%程度を目安に使用しましょう。 ベランダ・バルコニー等の出っ張った箇所の色を変えたい時に、多く採用されている配色方法です。 ベースカラーを引き立てる相性のよい色を選びましょう。 ベースカラーとアクセントカラーの間を取り持ち、安定させる役割があります。
■ アクセントカラー
玄関ドアや窓枠、破風板や付柱等にアクセントとなる色を施したい場合には、5~10%のみに使用するとよいでしょう。 個性を演出したり、全体をスタイリッシュに締めたりする役目を果たしてくれます。
⑤ 淡いカラーや落ち着いた色合いを選ぶ
特に3色以上を採用する場合には、白色やクリーム色、淡いピンクや薄めのグレー等のカラーがあると無難です。 個性的になりすぎないよう、落ち着いたカラーを最低1色は採用しましょう。
⑥ 付帯部との相性も忘れずに
軒天井や雨樋等、付帯部の色との相性も忘れないように注意しましょう。 同じ色で塗装するか、セパレーションカラーを採用するか等、しっかり考慮してみてください。 雨樋が白か黒かでも、家全体の印象が大きく変わります。
3、ツートンカラーの塗り分け・張り分け方のパターン
色選び同様、色の分け方も家の印象を左右する重要なポイントです。 外壁をツートンカラーにする時の区切り方としては、大きく分けて3パターンがあります。
① 上下で水平に分ける
最も一般的なのが、1階部分と2階部分の上下で分ける方法です。 ツートンカラーの区切り方の中では、この方法が一番調和させやすいでしょう。 重厚感のある印象を与えることができます。 基本的には下の部分を濃い色にすると、落ち着いた印象となり、お家を広く見せる効果もあります。
② 縦のラインで垂直に分ける
縦に違うカラーのラインを入れ、2色を垂直に分けると、シックでスマートな雰囲気に仕上がります。 近くにあるサッシ等とのカラーコーディネートにも配慮して、色を選ぶことが大切です。
③ バルコニー等の出っ張り部分で分ける
バルコニー・ベランダ・玄関等、凹凸のある箇所の色を変える方法なら、ポイントで色を使うことによりモダンでハイセンスな雰囲気にすることができます。 立体感が生まれるため、狭小住宅を大きく見せる効果も期待できるでしょう。 水平に区切るパターンや、垂直に分けるデザインと組み合わせても素敵です。
4、ツートンカラー外壁の価格は?
ところで、外壁の色を2種類以上にすると「外壁リフォーム費用が2倍になってしまうのでは?」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
基本的に外壁塗装等では、施工面積や材料の質によって価格が変動するため、単色でリフォームする場合とほぼ金額差はありません。 しかし、太陽のあたる南側だけ紫外線の影響を受けやすい等の理由から、塗料をハイグレードタイプにする場合や、高品質のサイディング材を採用する場合などには、当然その分価格が高くなります。 なお施工作業が極端に複雑になる場合や、材料が余ってしまう場合等には、業者によってはやや割高な見積もりを出すこともありますが、「塗料が2種類だから、価格が2倍になる」ということはないので、ご安心ください。 ただし、一部にレンガやタイルを使う際には、施工の手間がかかるため費用が高額になりやすいです。 総額がいくらになるのか不安な場合には、リフォーム業者にあらかじめ予算を伝えておき、希望の金額内でリフォームが可能か確認しておくとよいでしょう。
5、色選びを失敗しない方法は?
ツートンカラーを使う・使わないに関わらず、家の色やデザインを決定する前に確認しておきたいポイントが3つあります。
① カラーシュミレーションで色を確かめる
塗料メーカーや外壁材メーカーのWEBサイトには、デザインのシュミレーションページが用意されています。外壁の色やデザインを最終決定する前に、シミュレーターで色や塗り分けのパターンをいろいろ試しておきましょう。 しかし、パソコンのモニター画面や印刷する用紙によって色の見え方にバラつきが生じてしまいます。 「カラーシュミレーション=仕上がりの色」と考えずに、施工業者との「こういうイメージにしたい」という方向性の擦り合わせに使用するとよいでしょう。
② 色見本は大きいサイズのものを使う
塗料メーカーや外壁材メーカーでは、それぞれの色見本を作成しています。 色見本から色を選ぶのですが、「面積効果」には注意しなくてはいけません。 「面積効果」とは、面積が小さいものと大きいものでは、色の見え方が異なる現象のことです。 色見本で選んだ色でイメージしていても、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く感じてしまうため、工事完了後にイメージしていたものと違うと後悔することも考えられます。 このような失敗を避けるためにも、専門業者にA4サイズの「塗り板」と呼ばれるサンプルを取り寄せてもらう方法があります。 「塗り板」は500~1000円程度の料金がかかり、取り寄せにも1週間前後かかるのが通常ですが、仕上がりに後悔しないためにも使う方がおすすめです。
③ 光源による色の見え方にも注意
光源によっても色の見え方は異なるため、色見本は必ず屋外でみるようにしましょう。 蛍光灯の下で見る色と、太陽光の下で見る色は異なります。 さらに天気や時間帯によっても色の見え方は変わってくるので、様々な環境下で確認してみましょう。
6,ツートンと単色の違いは?
そもそもツートンカラーにはどのような効果があり、どんな人が選ぶべきなのでしょうか?
家に落ち着きや統一感を持たせたいのなら、単色の方が向いています。 それでも多くの人がツートン配色を選ぶのは、2色の方が錯視効果によりメリハリが付き、家がカッコよく見えたり、実物よりも広く・高く・細く見えるためです。
7、まとめ
バランスが非常に重要なツートンカラーの外壁。 少しずつ春の訪れを感じる今、いろんな家の外壁の色や色分けパターンを参考に見てみる絶好の季節かもしれません。
どのような色にしたいか、ツートンカラーにするか単色にするか迷う場合も、一度知識と経験豊富なプロに相談してみることをおすすめします。 弊社でも外壁リフォーム工事のお客様とのお打ち合わせの際、色のイメージをしやすくするためにカラーシュミレーションを行っております。 様々な色や色分けパターンをシミュレーションすることができ、あなたのお家に最適な外壁リフォームをご提案させていただいております。 お見積り無料ですので、お気軽にお問い合わせください!