1、はじめに
お客様からいただくご質問の多くは、やはりリフォームの費用に関するものが多いです。 しかし、外壁塗装の費用は、坪数・都道府県・塗料などの要素で大きく変動するため一概にお答えするのは難しいです。 また、原材料価格の高騰により塗料の値上げが実施され、外壁塗装にかかる費用も膨らんでいます。 今回は、塗料の値上げや価格改定の影響を加味した最新の外壁塗装費用相場をご紹介します。 最新の外壁塗装の費用相場は、メーカーで実施され始めた2022年4月1日以降に施工された2000件以上の全国の工事情報から算出しています。 費用相場以外にも費用の内訳などもご紹介します。
2、塗料の値上げはどのくらい?
外壁塗装にかかる費用の1つに塗装代があります。 外壁塗装で使う塗料の高騰に伴い、製品価格が約17%値上がりしました。 17%の増加幅については、日本3大塗料メーカー「日本ペイント」「エスケー化研」「関西ペイント」の発表した価格改定率の平均値です。 日本3大塗料メーカーの価格改定幅は、以下の通りです。
【メーカー】 【値上げ幅】 日本ペイント 10~25% エスケー化研 5~15% 関西ペイント 15~30%
3、坪数別の外壁塗装の相場費用
実際の外壁塗装の費用相場は、塗装する面積(塗装面積)によって変動し、その塗装面積は塗装するお家の大きさ(延べ坪数)によって決まります。 坪数が10坪変わるだけで相場が10~20万円近く変わるので、ご自宅の外壁塗装の費用を確認する際には、必ず坪数と合わせて確認しましょう。 延べ坪数別の外壁塗装の費用相場は、以下の通りです。
【延べ坪数】 【塗装面積】 【外壁塗装相場】 20坪 79㎡ 98万円 30坪 119㎡ 109万円 40坪 158㎡ 118万円 50坪 198㎡ 129万円 60坪 238㎡ 152万円 70坪 277㎡ 177万円
また、外壁塗装と合わせて屋根塗装も行う方も多くいらっしゃいます。 屋根の形状や使用する塗料などによって実際の費用は変動しますが、一般的に屋根塗装も同時に行う場合は、外壁の費用に20~30万円ほど追加費用がかかります。 外壁と屋根の塗装を一緒に行うと、塗装の際に必要な足場の設置代が1回分で済むので、外壁と屋根を別々にリフォームするよりもお得になります。
4、外壁塗装工事の費用内訳と相場
基本となる坪数別の費用相場をご紹介しましたが、次は外壁塗装工事の費用内訳を確認していきましょう。 外壁塗装工事の費用内訳は、大きく「塗装代」「足場代」「工事代」「諸経費」の4つに分かれます。 特に塗装代については、2022年4月1日以降実施された塗料価格の改定により、これまでより単価が膨らみつつあります。
① 塗装代
ここでの塗装代は「塗料の材料費」を指します。 塗料の材料費は、塗装に使用する塗料次第で金額が変わります。 外壁塗装に使われる塗料は数1000種類もあるのですが、初めて塗装工事をされる方は基本となる6種類の塗料を覚えておきましょう。 塗料の値上げ・価格改定を加味した現在最新の単価相場は、以下の通りです。
【グレード】 【耐久性】 【単価(㎡】 【特徴】
ウレタン 8~10年 2,000~2,600円 価格は安いが、紫外線に弱く変色しやすい シリコン 10~15年 2,700~3,500円 コストパフォーマンスに優れ、最も普及している塗料ラジカル 12~15年 2,900~3,500円 シリコン塗料に代わる、近年注目の次世代型塗料 フッ素 15~20年 4,400~5,600円 高い耐久性と耐候性を備えた塗料 光触媒塗料 15~20年 4,900~5,800円 セルフクリーニング効果を持ち、耐久性・防汚性に優 れた塗料 無機塗料 20~25年 5,200~6,400円 紫外線で劣化せず、半永久的な耐久性を持つ塗料
この中でも、シリコン塗料とラジカル塗料が特に人気の高い塗料でおすすめです。 現在塗料の費用が高騰しつつありますが、安いからという理由だけで塗料を選んでしまうと、耐久性が低く数年しか持たず、また塗り直しの費用がかかることになります。
② 足場代
外壁塗装をする際、お家の外周には足場が組まれます。 その費用相場は、700~1,000円/㎡、メッシュシート(養生)の費用相場は100~180円/㎡が相場です。 延べ坪数が30坪の場合、足場代が69,300~99,000円、メッシュシート代9,900~17,820円が目安の金額となります。
③ 工事代
塗装、足場以外にも外壁塗装では欠かせない工事工程があり、工事代はこの中に含まれます。 塗装代、足場代以外の工事費用の相場は以下の通りです(30坪の例)。
【項目】 【費用相場】 高圧洗浄 9,000~30,000円 シーリング補修 5,000~150,000円 屋根塗装 200,000~300,000円 雨樋交換 150,000~200,000円 ベランダ防水 100,000~300,000円
上記のうち、欠かせない工事は「高圧洗浄」と「シーリング補修」です。 このほか屋根塗装・雨樋交換・ベランダ防水は、劣化状況や依頼主の希望に応じて同時に工事を行います。 外壁塗装の他に、追加で直したい範囲が多いほど当然費用も高くなります。 付帯工事の費用だけでも合計50~100万円ほど変わってくるため、「どこまで補修するか?」「相場とかけ離れた費用ではないか?」など注意が必要です。
④ 諸経費
材料費、人件費、足場代以外にかかる外壁塗装の費用です。 ここには外壁塗装を行った業者の利益も含まれています。 業者によってこの価格は異なりますが、費用全体の10~15%が相場となります。
5、相場よりも安すぎる・高すぎる見積もりは要注意!
外壁塗装工事は高額な工事なため、誰もが少しでも費用を安くしたいとお考えになると思います。 しかし、「安い=良い」とは限らないという点に注意しましょう。 ここでは特に注意したい3つのケースをご紹介します。
① 「大幅に値引きできます!」の謳い文句は危険
外壁塗装で失敗しないためには、「安いかどうか?」よりも「適正価格かどうか?」を念頭に置き判断することが重要です。 値引き交渉の結果、全体の施工金額に対して30%以上(約30~50万円)の値引きを厭わない業者は要注意です。 これらは訪問販売や訪問営業でよく見受けられます。 「今なら足場代無料なので、30万円お安くできます」、「キャンペーン中の今なら、通常200万円のところを150万円にしますよ」のような謳い文句を耳にしたら注意しましょう。
② 無理な値引き交渉は避ける
ある程度の値引き交渉は必要ですが、30万円以上の過大な値引き要求をしてしまうと、手抜き工事をされてしまう可能性があるため要注意です。 値引きができるのは図面作成代や現場調査、見積もり算出費用、交通費などの諸経費で、値引きの限度額は全体の金額に占める10%前後と考えてよいでしょう。 過大な値引きをする業者は、「養生を雑なまま工事を行う」、「洗浄後十分な乾燥時間を確保しない」、「3回塗りではなく2回塗りで済ませる」など依頼主にはわかりにくい手抜き工事をする可能性があります。
③ 高額な塗料を選ぶ場合は、十分な検討が必要
安いものが良いとは限らないとお伝えしましたが、逆に高額な商品が良い商品であるとは限りません。 大切なのは、「商品と住宅の相性」です。 「できるだけ長持ちさせたいから、価格が高くても良いものを使おう」とお考えの方は要注意です。 長期的なメンテンスコストも考慮した上で安く抑えるためには高額な塗料も選択肢の1つとなりますが、お住まいの住環境との相性が悪ければ、本来の効果を発揮するどころかかえって逆効果をもたらす可能性があります。実際に一部のセラミック系塗料などは、高額な割に塗装できる外壁材を選ぶ塗料でもありますので、慎重に選ぶ必要があります。
9、まとめ
最新の外壁塗装工事の費用相場は、一般的な戸建て住宅の場合109万円、外壁と屋根の両方を塗装する場合の費用相場は131万円です。 外壁塗装業界は業者の選び方によって費用が大きく異なる業界ですので、業者選びが最も重要です。 相場よりも大幅に安すぎる・高すぎる見積書を提示してくる業者には注意しましょう。 今後も塗料の値上げが続くことが予想されますので、リフォームをお考えの方はお早めにリフォームを検討することをおすすめします。
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