1、はじめに
お家を購入して10年ほど経過すると、外壁のコケが目立ってきませんか? 目に付くからどうにかしたいとは思いつつ、どう対処すればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか? 実は外壁や屋根についたコケは美観を損ねるだけでなく、お家の健康状態にも影響を及ぼします。 今回はコケが発生する原因やお手入れ方法、今後コケをつけないための予防方法などをご紹介します。
2、外壁にコケが発生する原因
コケは風に飛ばされたコケの胞子が壁面や屋根に付着することで発生します。 コケは林や川べりなどから風によって胞子が飛び、お家に付着すると湿気を吸って成長します。 コケは水分や胞子などの栄養分があるとどんどん増えていきます。 特に温度や雨などで湿度が上がる箇所はカビの繁殖が早いため、劣化して防水性が低下した外壁や屋根に含水率が増えるとコケが増えやすくなります。
3、コケが発生しやすい家の特徴とは?
コケが付きやすい家にはどんな特徴があるのでしょうか? ご自身の家にあてはまるか、チェックしてみましょう。 まずは「お住まいの環境からみるコケの生えやすい家」の特徴とカビの対策方法をご紹介します。
① 川べりに面した家
湿気が上がり、コケの繁殖に適した環境です。 地面の湿気を取るだけでもコケは軽減されるので、土壌に軽石などを混ぜるだけでも対策になります。
② 林、森など樹木に面した家
カビの胞子が飛んでいきやすく、家に付着しやすくなります。 定期的に外壁の掃除をすることで軽減できます。 また、市販のコケ洗浄剤で洗浄しても効果があります。
③ 日当たりの悪い家
日当たりが悪いと、外壁表面が乾燥しにくいので湿度が高くなりコケが繁殖しやすいです。 地面の湿気を取るだけでもコケは軽減されるので、土壌に軽石などを混ぜるだけでも対策になります。
④ 風通しの悪い家
風通しが悪いと外壁が乾燥しにくいので、湿度が高くなりコケが繁殖しやすいです。 塀によって風通しが悪くなっている場合には、生垣にすることで風通しを確保することができます。
次に「外壁材から見るコケの生えやすい家」の特徴とカビの対策方法をご紹介します。
① モルタル壁
モルタルは、砂とセメントを主原料とした仕上げ外壁材です。 曲面にも施工でき、仕上げ方に自由度があります。 外壁材の表面に独特な凹凸がついているため、溝に水が溜まりやすく、コケが繁殖しやすい仕上げ材です。 家庭用洗浄機などで定期的にコケの胞子や油脂を洗い流すことでコケの繁殖を防ぐことができます。
② リシン・スタッコ壁
リシン・スタッコ壁は、アクリル塗料に骨材を混ぜた塗料で形成されます。 通気性や透湿性に優れており、凹凸があります。 多彩模様や整形時の凹凸の多いデザインは水や汚れが溜まりやすく、コケが繁殖しやすいです。 家庭用の
洗浄液でこすると骨材が取れ、露出した下地に雨水が侵入するリスクがあるので、防カビ・防藻機能のある塗料で未然に防ぐことをおすすめします。
④ サイディング壁
窯業系サイディングは、日本の戸建で最も使用されている建材です。 近年はデザイン性の高いサイディングが多く販売されています。 凹凸の多いデザインは水や汚れが溜まりやすく、コケが繁殖します。 凹凸の少ないものの場合、定期的に家庭用高圧洗浄機などで洗い流すことで綺麗にすることができます。 水はけの悪いお家の場合、専門業者にバイオ洗浄を依頼して清潔さを長く保ちましょう。
自然にカカオまれた公害のお家などはコケが繁殖しやすいです。 また、日当たりの悪い北面の外壁などはよりコケが繁殖しやすいです。 家と家の間が狭かったり、高い塀で囲んであったりする場合は、風通しが悪いため、コケが生えやすく注意が必要です。
4、コケを放っておくと起こる劣化現象
コケを放っておくとどのような劣化につながっていくのでしょうか?
① 建材への浸水
こけ8は水分を含み保水する力があるため、建材が常に湿っている状態になります。 ゆっくりと壁面に水が浸み込む可能性があります。 窯業系サイディングの外壁材を使用している場合、水を常に吸っていると反りなどの劣化につながる可能性があります。
② コケのさらなる増殖
コケを放っておくと、水分を吸ってさらに増殖します。 特にコケが胞子をまく11月~3月頃に一層増えていきます。 コケは水を含む性質を持っているため、常に外壁材に水が触れている状態になります。 仕上げ材の塗膜膨れや剥離が発生する可能性もあります。
5、外壁のコケを除去する方法
コケはお家にとって避けられない劣化の1つです。 では外壁に付いてしまったコケを綺麗に除去するにはどのような方法があるのでしょうか? まずはどんなコケの症状だと専門業者に依頼した方がよいのか、どの程度ならご自身でも掃除ができるのかの判断基準をご紹介します。
【ご自身で掃除ができるコケ】
低い位置で軽いコケの場合は家庭用に売られているコケ洗浄剤などを使用してご自身で掃除をすれば十分です。綺麗な状態を保ちたい場合には、外壁の塗り替えのタイミンングで防カビ・防藻の塗料を使用する事を検討するのもよいでしょう。 また、高所のコケで軽い場合には、柄の長いロングモップや家庭用高圧洗浄機で掃除することも可能です。 ロングモップや高圧洗浄の水が届かない高所は足場を組む必要があるので、専門業者に依頼しましょう。
【専門業者に依頼した方がよいもの】
重度のコケの場合は家庭用のコケ洗浄剤では落ちない場合があります。 また、強くこすりすぎると外壁材自体をいためてしまうため、専門業者に依頼しバイオ洗浄などを行うことをおすすめします。 また、重度で高所のコケは専門業者に依頼しましょう。 足場を設置し、高圧洗浄をする必要があります。
次にご自身で掃除する際の手順などをご紹介します。
【準備するもの】
・ ホース ・ バケツ ・ 高所用ブラシ、スポンジ ・ 雑巾 ・ 洗浄剤
【掃除手順】
① ホースである程度の汚れを洗い落とす ② カビ除去剤をスプレーした後、24時間放置 ③ 洗浄剤が壁面に残らないよう、しっかりと水で洗い流す
家庭で外壁の洗浄をするのに役立つ器具が今はたくさん販売されています。 手間はかかりますが、DIY感覚でコケの除去を行ってみるのもいいかもしれません。 高圧洗浄機は軽度なコケのみ有効です。 経年でびっしり付いたコケは薬剤を使用しなければ除去が難しいので、専門業者に依頼しましょう。 無理に除去しようとすると、かえって外壁の塗膜を傷める恐れがあります。
6、今からコケを予防するためにできる3つのポイント
コケを除去して綺麗になった外壁はできるだけきれいな状態で保ちたいものです。 ここでは外壁にコケが付着するのを防ぐ方法を3つご紹介します。
① 光触媒塗料で予防する
光触媒塗料は、セルフクリーニング機能がある塗料のことです。 壁面に塗り、太陽光をあびることで付着したコケの胞子を浮かせてくれます。 雨が降る際に浮いた胞子や汚れが雨水と共に流れるので、長く美観を保つことができます。 光触媒塗料のメリットとしては、セルフクリーニング機能で高い防汚性と、環境に優しい安全性が挙げられます。 デメリットとしては、光触媒は太陽光に反応して効果を発揮するため、日当たりの悪い場所では抗力が発揮できない場合があります。 裏山や田んぼが近辺にあり、湿気が高い立地においては、光触媒作用が追い付かずコケが発生してしまう恐れがあります。
② 防藻・防カビ材入りの塗料で予防する
塗料の中に添加物としてコケや藻、カビを防ぐ薬品を配合した塗料です。 また、藻やカビが発生しにくい樹脂配合を採用している塗料もあります。 壁面にコケの胞子が付着しても、防藻・防カビ塗料を塗った場所では繁殖できないため長く美観を保つことができます。 防藻・防カビ塗料のメリットとしては、薬品によってコケやカビの繁殖を防ぐことができるため、塗布した面にまんべんなく効果が期待できることが挙げられます。 デメリットとしては、塗料によって対応する菌類の種類が異なるため、対応外の菌類が壁面に付着した場合には繁殖する場合もあります。 塗料によってコケの発生を未然に防ぐことができますが、完全にコケの発生を抑えられるわけではないので、日々のお手入れは欠かさず行っていきましょう。
③ 日々のお手入れでコケを予防する
月に1回程度やわらかいタオルにお湯を含ませ外壁を拭くことでカビを予防することができます。 コケやカビは熱湯に弱いため、45℃程度のお湯で死滅させることができます。 また、お酢を水道水で3~20倍に薄めて、刷毛や柔らかいタオル等を使用して外壁に散布することでコケの発生を予防することができます。 コケや藻が生えている場合は除去することも可能です。
7、まとめ
コケを綺麗に除去する方法と未然に防ぐ対策についてご紹介しました。 1度綺麗にしてもコケはまた発生してしまいます。 そうならないためにも未然にコケの発生を防ぐ対策を講じておく必要があります。 コケは美観を損ねるだけではなく、お家にもダメージを与えてしまいます。 「そろそろコケが目立ってきたな」と思い始めてきたら、この夏コケの除去を検討してみてはいかがでしょうか?
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