1、はじめに
大切なお家に長く安心して住むために、外壁塗装のメンテナンスは必要不可欠です。 住宅を購入・建築されてから1回目の外壁塗装を行った際には、「使用する塗料の種類や色はどうしよう」とわからないことが多いなりに真剣に悩み、リフォームを行ったという方が多いかと思います。 1回目の外壁塗装を終えてから数年後、また数10年後に2回目以降の外壁塗装を行っていくわけですが、「すでに1度経験済みだからおおよその費用もわかっているし、次のリフォームは悩むことはない!」と思っていませんか? 実は、2回目以降の外壁は1回目よりもはるかに難しい決断を迫られる可能性があります。 また、施工費用も想像以上に高くなり、「こんなはずではなかった」と思うことも発生するかもしれません。 今回は、なぜ2回目以降の外壁塗装費用が高くなる可能性があるのか、2回目以降の外壁塗装メンテナンスで注意しなければならないことなどをご紹介します。 原因と対応方法を知っておくことで、外壁塗装で立ちはだかる壁を簡単になくすことができるかもしれません。
2、2回目の外壁塗装のタイミングは?
2回目の外壁塗装のタイミングは、前回の外壁塗装で使用した塗料の種類によって異なります。 塗料に含有された樹脂はメーカーによる促進耐候性試験によって目安となる耐用年数が定められています。
【塗料の種類と耐用年数】 アクリル塗料:5~7年 ウレタン塗料:8~10年 シリコン塗料:10~15年 ラジカル塗料:12~15年 フッ素塗料:15~20年
前回使用した塗料がシリコン塗料であれば、10年程度経過したら2回目の外壁塗装を検討する目安となるタイミングになります。 2回目の外壁塗装をするタイミングは、塗料の耐久性とともに実際の外壁の劣化具合を見て決めるようにしましょう。 塗料の耐用年数が10年でも、建物環境によってはそれほど劣化していなかったり、反対に10年を待たずに外壁塗装が必要なケースもあります。 確認すべき外壁の劣化状況は次の3つです。
・ 外壁材の破損、欠け ・ 外壁材のひび割れ ・ カビや藻の付着
特に、外壁材のひび割れは放っておくと雨漏りの原因にもなるやっかいな症状です。 ヘアクラックと呼ばれる髪の毛程度のひび割れであればそれほど気にする必要もありませんが、乾燥クラック(外壁の乾燥によって塗料が徐々に密着できなくなることによって起こるクラック)や構造クラック(幅0.3㎜以上、深さ4㎜以上のひび割れ)などの比較的大きなひび割れが大きい場合は早急にリフォームが必要な症状です。 塗料の劣化具合は、チョーキング現象(手で壁を触ると白い粉が付く現象)、色落ち、はがれなどで判断できます。 これらの症状があるようであれば、2回目の外壁塗装のタイミングとなります。 ちなみに、屋根は1年中紫外線を浴びているので、外壁よりも劣化している可能性があります。
3、2回目以降の外壁塗装費用が高くなる理由
ほとんどの方が1回目の外壁塗装工事の際にかかった費用を参考に、2回目以降の外壁塗装工事を検討されるはずです。 「塗装面積も塗料のグレードも変わらなければ、施工費用は変わらないはず!」そう思われるはずです。 しかし、2回目以降の外壁塗装は1回目の外壁塗装費用よりも高くなる可能性があります。 その主な理由は、1回目の時よりも2回目の方が建物が劣化しているためです。 外壁塗装の料金は塗装料金の他に、足場代や養生代、シーリング代、ケレン作業代などで構成されています。 新築から1回目の外壁塗装の時は、築10年程度で劣化箇所も少なくシーリング代、ケレン作業代はほとんどない場合でも、2回目の外壁塗装の時には築20年程度経過していてひび割れ補修をするシーリング代、ベランダのサビを落とすケレン作業代がプラスで必要になるケースが多いです。 このように、2回目の外壁塗装では補修費がプラスでかかってくるため1回目よりも高くなることを念頭に置いておきましょう。
4、2回目の外壁塗装で使用してはいけない塗料がある
「2回目・3回目の外壁塗装では以前は高価で手が届かなかったフッ素塗料を使用したい!」「前回の塗料は臭いが気になるので、2回目からは水性塗料を使用したい!」など前回の外壁塗装の時に気になった点は、2回目以降の外壁塗装に強く反映されるかと思います。 10年も経過すれば塗料の開発も進み、気になる塗料もあることでしょう。 もちろん2回目以降の外壁塗装で塗料を変更することは可能です。 しかし、前回の使用塗料によっては塗膜の膨れやはがれを起こすこともあります。 次に塗料の相性についてご紹介します。 2回目の外壁塗装の注意点として、使用してはいけない塗料があることも念頭に置いておきましょう。
① 前回の塗装で水性塗料を使用していた場合
各塗料メーカーのホームぺージにも掲載されているのですが、溶剤塗料の上に水性塗料を塗り重ねても基本的に問題はありません。 しかし、水性塗料の上に溶剤塗料を塗り重ねると溶剤が水性塗膜を侵し、膨れやしわを起こす可能性があります。 現在は臭いの少ない水性塗料が主流になっていますので問題ないかと思いますが、溶剤塗料をしたい場合は前回の塗装で使用したのが水性塗料だったのかを確認しましょう。
【前回の使用塗料】 【新しく塗る塗料】 【相性】 溶剤塗料 → 水性塗料 〇 水性塗料 → 溶剤塗料 ✕
② 前回の塗装でフッ素・光触媒・無機・親水性塗料を使用した場合
「汚れがつきにくい」「低汚染塗料」といったフッ素・光触媒・親水性塗料は非粘着性のため新たな塗料が付着しにくい傾向があります。 前回の塗装でこれらの塗料を使用した場合は、2回目以降も同じ性質を持つ塗料での塗り替えが最適です。 現在はこれらの塗料も塗装可能な下塗り材も開発されていますが、既存塗膜の性質を理解し使用塗料を選定していく必要があります。
【前回の使用塗料】 【新しく塗る塗料】 【相性】 フッ素・光触媒・ → 同じ性質を持つ塗料 〇 無機・ → 別の性質の塗料 ✕ 親水性塗料など
③ ログハウスで造膜型塗料を使用していた場合
稀なケースではありますが、ログハウス等木材を使用している住宅の外壁塗装に造膜型塗料を使用したことがある場合、木目を活かす浸透型塗料での塗り替えはできなくなってしまいます。 この場合、木目はつぶれてしまっているので一目見ればわかりますし、塗装業者が造膜型塗料を提案することはほとんどないでしょう。
5、2回目以降の外壁塗装の際に役立つもの
1回目と2回目以降の外壁塗装は注意点が異なります。 2回目以降の外壁塗装を行う際に、あると役立つものは次の3つです。 次回の外壁塗装まで保管しておくと便利です。
① 見積書
塗装面積や使用塗料、作業工程や施工費用を把握することができます。 塗料のグレードのみが記載されている場合は、仕様書や施工保証書を参考にしましょう。
② 仕様書
前回の塗装で使用した塗料の種類や色など詳細を確認することができます。 先述の通り、1回目の塗料の種類によっては2回目以降の外壁塗装に使用できない塗料もあるのでとても大切です。
③ 施工保証書
保証書で確認したいのは使用塗料だけではなく、塗装箇所に対する保証年数も確認したい項目です。 1回目の外壁塗装を終えられてから数年で「塗膜にはがれや浮きが見られるようになったので、2回目の外壁塗装をしたい」とお問い合わせをいただくことがあります。 もし保証期間内であれば、これはお家に原因があるのではなく前回の外壁塗装工事の施工方法に問題があったと考えるべきです。 その際は他業者が補修を行うことで保証が失効となる可能性がありますので、前回塗装を行った業者へのご相談をおすすめします。
6、まとめ
2回目の外壁塗装は、1回目の時よりも補修箇所が多くなる分施工業者のスキルも必要になります。 適正価格で外壁塗装するのは大切なことですが、価格だけを重視するとスキル不足の業者に依頼してしまう可能性もあるので、しっかりとサービスや施工実績なども確認するようにしましょう。 2回目の外壁塗装は、1回目よりも注意するポイントが多いことを理解しておきましょう。
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