1、はじめに
遮熱塗料は、光を反射して室内の温度を快適に保ってくれる塗料として、とても人気があります。「遮熱塗料の効果を知りたい」「遮熱塗料の選び方やおすすめの塗料が知りたい」このように、遮熱塗装を検討しているけど、遮熱塗料自体についてあまりよくわかっていない方も多いのではないでしょうか。遮熱塗料とは一般的な塗料に比べ、光を反射する力が強く、室内に入ってくる熱を抑えてくれます。室内の温度上昇を抑えてくれる遮熱塗料について、詳しく解説します。遮熱塗装を検討している方は、ぜひ読んでみてください。
2、遮熱塗料とは
遮熱塗料とは、熱の原因となる太陽光を反射させ、室内の温度上昇を抑える塗料です。
屋根や外壁に塗ると光を反射して建物内部への熱の侵入を防いでくれるので、夏の室内の温度を快適に保ってくれます。
遮熱塗料を屋根に塗装した場合、最大で15〜20度の屋根表面温度を低下させる効果があります。
・遮熱塗料と断熱塗料の違い
遮熱塗料と同じように、室内の温度上昇を抑える塗料に、断熱塗料があります。
遮熱塗料と断熱塗料の大きな違いは、保温効果を持っているかどうかです。
遮熱塗料が室内の温度上昇を抑える仕組みは、塗料が光を反射し、建物内部に入ってくる熱を少なくします。
そのため、外部からの熱を伝わりにくくする機能を持っていますが、保温効果は期待できません。
一方の断熱塗料は、光を反射しないため熱の発生は抑えられませんが、熱や冷気の侵入を防いでくれるので、室内の温度上昇を抑えます。
室内外の熱の移動を遮断してくれるので、夏は涼しく保ち、冬は外に熱を逃さないため、暖かい状態が保たれるのです。
他にも断熱塗料は、遮熱塗料に比べ塗料自体の価格が高くなっています。
・遮熱塗料の特徴
光を反射して熱の発生を遮断し、室内の温度上昇を抑える
冬場は室内の保温ができないため寒い
冬場は室内の保温ができないため寒い
耐用年数・・・10~20年
塗料代金・・・5,000〜20,000円(1缶)
・断熱塗料の特徴
外からの熱や冷気を防ぎ、室内の温度上昇を抑える
冬場は保温できるため室内が暖かい
冬場は保温できるため室内が暖かい
耐用年数・・・15~20年
塗料代金・・・15,000~100,000円(1缶)
塗料代金・・・15,000~100,000円(1缶)
3、遮熱塗料のメリット・デメリット
遮熱塗料には、室内の温度上昇を抑える効果のほかにもさまざまなメリットがあります。
メリット1:夏場の室内温度が快適に保たれる
遮熱塗料には、夏の暑くなる原因である太陽光を反射し、室内の温度を快適に保つ効果があります。太陽光を反射してくれるので、猛暑のような夏でも室内への影響が少なくなります。遮熱塗装をしたかどうかで、室温は最大で2〜3度下がるでしょう。2〜3度程度の温度差でも体感温度は涼しく感じられるので、暑い夏でも快適に過ごせるでしょう。
メリット2:電気代が削減できる
遮熱塗料の効果により室内温度が低くなるため冷房の頻度が減り、電気代の大幅な削減が可能です。
室内温度が1度下がると、約10%の電気代が削減できると言われています。
遮熱塗料が室温の上昇を抑え、冷房の使い過ぎを減らし、省エネ効果にもつながります。
メリット3:耐用年数が長い
メリット3:耐用年数が長い
遮熱塗料の耐用年数は、ほとんどが10〜20年です。
一般の塗料と比べ1.5〜2倍長く、塗装後の手間を考えてもメンテナンスのしやすい塗料となります。
メリット4:熱による劣化を防げる
遮熱塗料は、外壁や屋根の劣化を防ぐ効果もあります。
外壁や屋根などの建材は、太陽光などの熱を直接受けることで劣化が進みやすくなり、耐用年数が短くなります。
遮熱塗料は光を反射し、表面温度の上昇を抑えてくれるので、熱による建材自体のダメージを減らすことができるでしょう。
遮熱塗料は、省エネ効果が期待できる人気の塗料ですが、一方でデメリットもあります。
続いて、遮熱塗料のデメリットをご紹介します。
デメリット1:費用が高い
遮熱塗料は、特殊効果を持たない一般塗料に比べて、価格が高くなる傾向があります。
安価なシリコン塗料だと、平方メートル当たり2,000円ほどですが、遮熱塗料は4,000〜5,000円かかってしまいます。
しかし、安価な塗料と比べて耐久性に優れており、耐用年数は2〜3倍になるので、メンテナンスの手間を考えると遮熱塗料の方が経済的です。
デメリット2:冬場の保温効果がない
遮熱塗料には、冬場の寒さを補う保温効果がありません。
遮熱塗料は、外の熱を室内に伝えにくくしてくれますが、中の熱を外に逃がすことはできないからです。
そのため、暑い夏には最適な塗料ですが、特に冬が長い北海道や東北地方にはあまり適していないといえます。
デメリット3:表面が汚れると遮熱効果が落ちる
遮熱塗料は、塗膜表面が綺麗であれば効果を発揮しやすくなりますが、表面が汚れていると、反射しにくくなり遮熱性能が低くなってしまいます。
ただし、定期的に塗膜(塗装の膜)の洗浄を行えば、遮熱効果を維持できるでしょう。
4、遮熱塗料の選び方
たくさんの種類の遮熱塗料がある中で、どのように塗料を選べばよいのでしょうか。
以下では、遮熱塗料の選び方を紹介します。
・JIS規格を参考にする
2018年に日本塗料工業会により、遮熱塗料の標準を決めたJIS規格が定められました。
そのため、反射率や断熱、放射などの遮熱塗料を熱性能の計測で、横並びで比較できるようになり、星1〜3つでランク付けを行っています。
日塗工ホームページでも登録商品と遮熱性能が簡単に確認できます。
しかし、JIS規格は2018年に制定されたばかりのため、登録件数もそこまで多くありません。
あくまでも参考材料としつつ、評価の高い遮熱塗料を選びましょう。
・効果の高い遮熱塗料を選ぶ
遮熱塗料を選ぶときは、「日射反射率」「汚れにくさ」に注目しましょう。
日射反射率とは、太陽光をどれだけ反射できるかを数値化したものです。
遮熱塗料は光を反射させ、建物の表面温度を下げてくれるので、日射反射率が高いほど遮熱効果が期待できます。
また、遮熱塗料は汚れによって効果が落ちるため、汚れにくくメンテナンスまでの期間が長い塗料の利用がおすすめです。
効果の高い遮熱塗料を見抜ければ、長期間に渡って遮熱効果を保ち続けてくれます。
4、まとめ
今回は、遮熱塗料のメリットやデメリット、選び方をご紹介しました。
遮熱塗料はたくさんの種類があり、それぞれ特有の機能を持っているので、簡単に選ぶのは難しいかもしれません。
そのため遮熱塗装をするときは、効果をより実感するためにも、信頼できる業者と相談しながら慎重に検討しましょう。