豪雪地帯・寒冷地でしか起きない「すが漏り」とは?

1、はじめに

屋根のリフォームを考えるきっかけとなる症状として雨漏りが代表的なものかと思います。                     「すが漏り」という言葉をご存じでしょうか?                                          積雪があり、かつ凍結が起きるような気候でないと発生しない現象のため、なかなか知られていないキーワードかもしれません。                                                           今回は富山県でもおきる可能性がある「すが漏り」が何かを知り、対策が必要な地域にお住まいの方は冬に向けて対策を知っておきましょう。

2、すが漏りとは?

すが漏りとは、雪や氷が屋根で溶けた際に排水が妨げられることで生じる現象です。                         たまった水が屋根の内部に浸透し、屋根材の接合部から漏れ出ることを指します。                            すが漏りは次のような仕組みで発生します。

① 屋根に積もった雪に、室内の熱が伝わり溶け始める                                      ② 雪が解けた水が屋根の勾配に沿って流れるが、外気にさらされて軒下付近で凍る                           ③ 軒下に氷の塊ができ、ダムの役割をして排水を妨げる                                       ④ うまく排水されない水が溜まり、屋根の接合部から室内に水が漏れる

漏水という意味では雨漏りと似ていますが、全くの別物です。                                   雨漏りは屋根の劣化や破損が原因で漏水が起きている状態を指します。                              一方で、すが漏りは表面や外見に異常がなくても発生してしまいます。

3、すが漏りが起こる可能性のある6つの条件

すが漏りが起こる可能性がある6つの条件をご紹介します。                                   ご自宅が当てはまるかどうか1度確認してみてください。

① 屋根の勾配が緩く、雪が溜まりやすくなっている

屋根の勾配が十分でないと雪が溜まりやすく、そのため雪が溶ける際に水が屋根の隙間から侵入しやすくなります。

② 日当たりの悪い方角(西向きや北向き)に屋根がある

日当たりが悪い場合、雪がなかなか溶けずに残りやすくなります。                                    溶けても日当たりが悪いと気温が低く、再び凍結するリスクが高まります。

③ 軒先に頻繁につららができる

軒先につららができると、それが屋根の溶けた雪水を遮断し、適切に流れずに滞留する可能性があります。

④ 屋根の経年劣化により、屋内に雪解け水が浸水しやすくなっている

古くなった屋根は、劣化が進むと雨漏りの原因になりやすいです。                               雪解け水も同様に侵入しやすくなります。

⑤ 屋根のメンテナンスをしておらず、雪が滑りにくい

屋根塗装が劣化すると、雪が滑りにくくなり、雪が残りやすくなります。                                適切なメンテナンスが必要です。

⑥ 古い建物で断熱性が低く、屋根に熱が伝わりやすい

断熱性が低い建物は屋根に熱が逃げやすく、雪が早く溶けてしまいます。                            これがすが漏りを引き起こす可能性があります。

4、すが漏りが発生したらどうなる?

すが漏りが発生してしまった場合、基本的には雨漏りと同じような修理方法であり、原因を特定して補修していきます。                                                           修理費用の相場としては、約10~30万円程度と言われています。

応急処置でできることは、雨漏りと同じようにバケツを設置したり、漏水部分にタオルを当てたりして水に濡れる範囲が広がらないようにすることです。                                              1番の特効薬の応急処置は雪下ろしですが、慣れていない一般の方がやるにはリスクが大きすぎます。                  屋根の雪下ろしは、毎年死亡事故が起こるほど危険と隣り合わせの作業です。                          不必要なリスクは取らず、専門業者に依頼することをおすすめします。

すが漏りは雪が原因のため、火災保険の雪災補償の特約を契約していた場合、補償対象になる可能性はありますが、一般的には補償対象外となることが多いです。                                                                    火災保険は原則不測かつ突発的な自己や損害に対して補償するものですが、すが漏りは時間をかけて徐々になる事象のため対象外と見なされるケースが一般的です。                                      ただし、保険会社・契約内容の違いやすが漏りの発生状況によっては補償対象になる可能性もあるため、1度契約している火災保険会社にお問い合わせください。

5、まとめ

豪雪地や寒冷地でしか発生しない現象なので「うちには関係ない」と感じている方も多いかもしれませんが、最近は予想外な異常気象が発生することも増えています。                                      万が一に備えて頭の片隅に覚えておいてくださいね。                                         雪が降る季節を迎える前に1度専門業者に屋根の点検をしてもらい、安心して冬を迎えましょう。

✨✨お見積り・ご相談無料✨✨                                             お気軽にお問い合わせください!