1、はじめに
6/2に日本気象協会は最新の「梅雨入り予想」を発表しました。 今年の梅雨入りは、九州から東北南部で平年より遅く、東北北部で平年並みとなる予想です。 北陸の梅雨入りも平年より遅い6/15頃になる見通しです。 梅雨入りは平年より遅くなる見通しですが、梅雨入り前から大雨となる恐れが予想されるそうです。
雨が続くと、外壁や屋根にとってもあまりよい環境とは言えません。 というのも、雨は外壁や屋根を劣化させる原因でもあり、場合によっては建物に重大なダメージを与えることもあるのです。 雨が建物に与えるダメージとはどのようなものがあるのでしょうか? 今回は、外壁や屋根が雨の影響でどのようなダメージを受けてしまうのかご紹介します。
2、外壁や屋根の塗装が劣化してしまう要因
外壁や屋根の塗装は、経年とともに必ず劣化し、徐々に機能も損なわれます。 また、塗装の劣化は、より多くの劣化要因にさらされることで進行を早める場合があります。 主な劣化要因は次の2つです。
① 雨
劣化要因の1つ目は雨です。 雨は塗装を劣化させる重大な要因になります。 雨が外壁や屋根に水滴となって汚れと一緒に付着すると、乾燥した後に汚れが堆積して残ります。 また、サッシ枠や表面に凹凸がある外壁材や屋根などは、日常的に汚れが溜まりやすく、雨が降ると雨だれとなってこびりついてしまうこともあります。 汚れによっては、熱を含んだり、あるいは塗料と化学反応を起こし劣化を促進させたりする場合があるため要注意です。 さらに、雨はカビやコケ、藻などの発生原因にもなります。 これらが生育しやすい環境では根を張って増殖することもあり、そうなると常に湿気を含んだ状態が続き、ますます劣化を促進させてしまいます。
② 太陽光
劣化要因の2つ目は太陽光です。 具体的には、紫外線と熱の影響です。 紫外線は、有機物で構成されている塗料の成分を徐々に分解します。 また、熱も成分を破壊するなど温度が上がりすぎると塗料にとって良い環境とは言えません。 要するに太陽光が多く当たるほど、劣化しやすい環境と言えます。 屋根が外壁よりも劣化しやすいのは、常に太陽光の影響を受け続けていることが大きな原因です。
3、雨が建物に与えるダメージとは?
外壁や屋根の塗装の劣化は、建物にとって重大なダメージを与えることがあるため注意が必要です。 塗装の劣化が建物に与えるダメージについて、代表的なものを2つご紹介します。
① 雨漏り
塗装が劣化すると、防水機能が損なわれ、外壁材や屋根材が水分を含むようになります。 外壁材や屋根材などは水分を含むともろくなり、割れや欠けが発生し、さらに多くの水分を侵入させるようになります。 そして、侵入した水分が天井や壁まで及ぶことで雨漏りに発展するというメカニズムです。 塗装の劣化による雨漏りは、時間をかけながら進行し、範囲を大きくすることもあります。 そうなると経路の特定も難しくなり、場合によっては補修しても根本的な解決に至らず再発することもあるため要注意です。
② 耐久性の低下
塗装の劣化により水分が侵入してしまうと、建物の重要な構造部まで被害が及んでしまう場合があります。 木造住宅では内部に水が侵入すると、構造体である木材の腐朽の原因となります。 湿気を含んだ木には腐朽菌と呼ばれる菌が繁殖し、木材を腐らせてしまうのです。 もし構造部が腐ってしまうと、建物の耐久性は著しく損ねることになり、建物寿命を縮めてしまうことになります。 木造だけでなく、鉄骨造でも水分が内部に入り込んでしまうとサビの原因となり、建物の耐震性に影響が出てきます。 地震発生時には、揺れに耐えることができず、建物が倒壊してしまう可能性もあります。
4、雨漏りによる2次被害にも要注意
雨による建物への被害では、雨漏りの被害が最も多いです。 屋根裏やバルコニー下といった普段目にしない部分で起きることが多く、気が付くのが難しいのが雨漏りの厄介なところです。 気が付かないうちに家のどこかが破損していて、そこから雨水が侵入し、木材などが濡れて腐食してしまいます。 また、雨漏りそのものの被害だけではなく、雨漏りが原因で深刻な2次被害につながる可能性もあります。 雨漏りが原因で起こる2次被害には、以下の3つものが挙げられます。
① 漏電火災の発生
雨漏りで木材が腐食すると、近くに電気配線などがあった場合に漏電、最悪の場合漏電火災の危険性があります。 一部の古いアパートなどの建物では漏電火災警報器が設置されていることもありますが、ほとんどの住宅には設置されていません。
長雨など強い雨が降った日には、外壁を点検して破損している場所がないかを点検しておいた方がよいでしょう。 掃除のついでに室内の壁も見ておくのもおすすめです。 日常の風景なので、水シミがあっても意識して点検しないと気付かないケースはとても多いです。 また「最近ブレーカーが落ちやすい」といった現象があれば、電力会社に依頼すると漏電していないかを調べてくれるので問い合わせてみましょう。
② シロアリの被害
雨漏りの2次被害の中で深刻なものがシロアリ被害です。 シロアリが飛んでくるのは、5~7月の初夏。雨漏りで湿った部分があると、シロアリが地面から蟻道(シロアリの通り道)を作り、食害にいたります。
家の周りに置いているゴミ箱や植物プランターなどを1度どかして、基礎に蟻道がないか確認しましょう。特に建物の北側は湿気も多く、要注意です。
③ 人体への影響
雨漏りによる多湿環境は、ダニやカビの繁殖には最適な環境です。 ダニは人間の皮膚を指してかゆみや炎症を引き起こすほか、感染症を媒介する危険性もあります。 カビは建物にダメージを与えるだけでなく、喘息の発作やシックハウス症候群の原因にもなります。
5、2次被害が発生しているサイン
雨漏りによる2次被害が発生しているのかを簡単に見分けることができます。 天井や室内の壁にシミが見られる場合は、建物内部に侵入している雨水がにじみ出している証拠です。 また、2次被害の症状でもあるカビが発生している場合は、室内でカビの臭いを感じることがあります。 カビが見当たらないのにカビの臭いがする場合は、壁の内側や天井裏など目に見えない場所にカビが発生していることが考えられます。
雨漏りの症状や被害が軽度の場合は、部分邸な補修や交換などで対応できます。 しかし、2次被害が進行している場合は、木材の腐食やシロアリの発生などによって建物全体がダメージを受けている状態なので、部分的な処置では対応できずに大掛かりな修繕工事が必要となります。 初期段階で雨漏りを発見できれば修繕費用も抑えられるので、日頃から気にかけてチェックしましょう。
6、まとめ
雨は建物を守っている外壁や屋根の塗装を劣化させる重大な要因の1つです。 劣化を避けることはできませんが、劣化しにくい環境を作ることは可能です。 定期的に点検を行い、状況に応じたメンテナンスをすることで、建物に与える影響を抑制し、劣化を最小限に留めることができます。 微量な雨漏りは濡れては乾燥を繰り返すため発見するのが難しいのですが、雨の日が多く乾かずに濡れた状態が続いていると、軽度な破損個所からの漏水でも発見しやすくなります。 雨が多いこれからの季節は、実は雨漏り点検の絶好のチャンスとも言えます。 雨漏りによる2次被害による前に早急な修繕をしましょう。
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