1、はじめに
住宅リフォームと言えば外壁塗装を思い浮かべる方が多いと思いますが、外壁だけでなく屋根の塗装工事も重要な工事です。 屋根と外壁の塗装はお家の美観を保つだけではなく、お家を長持ちさせるためにも必要なメンテンスです。 リフォーム費用を少しでも抑えたい方には屋根と外壁を同時に塗装するのがおすすめです。 今回は屋根と外壁を同時に塗装するメリットデメリットや注意点などをご紹介します。
2、塗装工事が必要な理由
屋根材や外壁材の表面には様々な種類の塗料が塗られています。 塗料を塗るのにはいくつか理由がありますが、コンクリートなど素材自体に防水性能がない場合に塗料によって外壁の防水性を保つこと、紫外線などから守ること、断熱性を高めることなどが主な目的です。 塗料にはシリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などの種類がありますが、それぞれに耐用年数が決められており、長年使用していると徐々に劣化して防水機能の低下や表面のひび割れや剥がれなどが起こります。 塗装工事を行うことで劣化した塗膜の機能を回復させ、防水性や断熱性を高めるためにとても重要な工事です。
3、塗装工事を行うタイミングはいつ?
外壁や屋根の塗装工事のタイミングは使用している塗料の耐用年数と実際の劣化状況を見て判断するのがよいでしょう。 まずは塗料の種類別耐用年数の目安をご紹介します。
【塗料の種類】 【耐用年数の目安】 ウレタン樹脂塗料 7~10年 シリコン樹脂塗料 10~13年 ラジカル制御型塗料 10~15年 フッ素樹脂塗料 15~20年 光触媒塗料 15~20年 遮熱系塗料 15~20年
普段の手入れをどのようにしていたか、日が当たりやすいか、海に近いか、雨が多いかなど他の要因によっても塗り替えが必要なタイミングは異なります。 また、屋根と外壁では屋根の方が紫外線や雨風の影響などを受けやすいと言われており、塗り替えのタイミングが異なる可能性があります。 上記の耐用年数はあくまで目安としてとらえ、実際の状況を見て判断することがとても大切です。
4、屋根・外壁の劣化状況のチェック方法
屋根と外壁それぞれで注意すべき劣化症状には以下のようなものがあります。
【屋根の劣化症状】 ① 全体的に色あせが見られ、汚れが目立つ ② カビやコケが発生している ③ 部分的にサビが見られる(金属系)
④ 釘やビスが浮いている ⑤ 棟板金が浮いている(反りが見られる) ⑥ 屋根材の一部にひびや欠けが見られる ⑦ 雨漏りが発生している
【外壁の劣化症状】 ① 水の弾きが悪い ② 全体的に色あせが見られ、汚れが目立つ ③ チョーキング現象が見られる ④ 塗膜に膨れや剥がれが見られる
⑤ 小さなひび割れが見られる ⑥ 部分的に錆が見られる(金属系) ⑦ 雨漏りが発生している ⑧ シーリングにひび割れや変色が見られる
上記のうち塗装が必要(または塗装によってある程度の回復が可能)なのは、屋根の劣化症状の①~③、外壁の劣化症状の①~④に該当する場合です。 表面の塗膜ではなく、外壁材や屋根材自体のひび割れや浮きなどが起きている場合には、塗装では補修することができず部分補修が必要となります。 劣化が進行してしまうとその分大きな工事が必要になるため、何か症状が見られた場合には早めに補修することが大切です。
5、屋根と外壁を同時に塗装するメリット
屋根と外壁を同時に塗装を行うメリットとして次の3つが挙げられます。
① 費用が安くなる
費用が安くなる理由としては、塗装の際に必要な足場の設置が1回で済むためです。 高所作業である塗装工事には足場の設置が不可欠で、30坪前後の家であれば通常は足場を設置するのに1回20~30万円程度の費用がかかります。 屋根塗装で1度足場を設置し、5年後に外壁塗装も必要になり再度足場を設置するとしたら、当然2回分の設置費用がかかりますが、屋根と外壁を同じタイミングで塗装すればこの費用が1回分で済みます。
② 施工業者を探す手間が少なくて済む
施工業者を探して依頼し、現地調査・工事の打ち合わせ・日程の調整などを行うとそれなりに時間と手間がかかります。 なかでも施工業者探しは最も手間がかかるため、屋根と外壁の塗装を1つの施工業者に依頼してしまった方が負担が少ないです。
③ デザインに統一感を出しやすい
屋根と外壁の塗装を同じ施工業者に依頼すると、デザインの統一感が出しやすいこともメリットとして挙げられます。 もちろん別々に施工した場合でも統一感を出すことは可能です。 屋根と外壁の塗装工事を一緒に行うことで打ち合わせもまとめて行うことができ、屋根と外壁を別々に塗装して「想像していたイメージと違っていた」などということも避けることができるでしょう。 また、同時に塗装工事を行うとお家のイメージが一気に新しくなるというメリットもあります。
6、屋根と外壁を同時に塗装するデメリット
次に屋根と外壁を同時に塗装を行うデメリットとして次の4つが挙げられます。
① まとまったリフォーム費用を用意する必要がある
足場代が1回分で済むことからトータルでの費用は安くなりますが、屋根と外壁の塗装工事を同時に行うためにはまとまったリフォーム費用を用意する必要があります。 大まかな目安ですが、屋根の塗装工事には50~100万円、外壁の塗装工事には60~120万円程度が必要と言われていますが、同時に塗装工事をする場合には80~200万円程度が必要となります。
② 施工業者選びが難しい
同時に塗装工事を行うためには、施工業者選びを慎重に行う必要があります。 屋根と外壁の両方をしっかりと施工できる施工業者というのは数が少ない上に、一般の方にとっては技術のある信頼できる施工業者かどうかの判断が難しくなります。 同時に塗装工事をする場合の施工業者選びは、実績などを丁寧に確認する必要があります。
③ 工期が長くなる
屋根と外壁の塗装工事を同時に行うと、塗装する面積が広くなる分工期は長くなってしまいます。 長くなると言っても屋根塗装工事・外壁塗装工事それぞれの一般的な工期を合計した日数よりは短くなります。長期間足場が設置されることにより近隣への騒音への配慮なども必要となり、より一層配慮が必要な場面が増えることが考えられます。
④ 屋根と外壁の劣化状況が同じとは限らない
先述の通り、屋根と外壁では紫外線や雨風の影響を受けやすい屋根の方が劣化しやすいと言われています。 同じタイミングで塗装工事を行ったとしても、次のメンテナンスのタイミングが屋根と外壁とでは異なる可能性があります。 劣化状況に差があったとしても屋根・外壁いずれも定期的なメンテナンスが必要なため、劣化がひどくない場合でも少し余裕を持って同時に塗装工事を行っていってもよいでしょう。
7、まとめ
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うと1度にまとまったリフォーム費用を用意する必要がありますが、長期的に見ると費用を安く抑えることができるので1度検討してみてはいかがでしょうか? また、費用以外にも施工業者への依頼を1度に済ませられるなどメリットもあります。 その分施工業者選びを慎重に行う必要がありますので、必ず複数の施工業者に依頼して対応や実績、見積金額などを比較するようにしましょう。
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