1、はじめに
お家の外壁を見る機会は多いと思いますが、最近お家の屋根を見上げたことはありますか? 「屋根の色がおかしい!」とご自宅の屋根の変色を見つけたら放っておいてはいけません。 屋根に異変が起きているサインですので、適切な対処が必要です。 今回は屋根の変色の原因とその対処方法を具体的に解説していきます。 この機会にぜひお家の屋根を確認してみてください。 ※ 屋根点検は非常に危険です!決してご自身で登らないようにしてください。
2、屋根が変色する2つの原因
屋根が変色してしまう主な原因は、「塗装の施工不良」と「経年劣化」です。 変色は単に見た目が悪くなるだけでなく、屋根の塗膜自体が傷んでいるサインの1つです。 放っておくとさらに別の症状などが出てきて、傷みが進行してしまいます。 適切な対処を行うためにも、まずは原因がどのようなものなのか確認していきましょう。
① 施工不良
塗装工事後1~2年で色がおかしくなってしまった場合、施工不良が考えられます。 具体的には塗装の仕様ミスや縁切りの不足です。
■塗装の仕様ミス
塗料は正しく扱わないと、変色や剥がれなどの不具合が起きてしまいます。 例えば、「素材に合わない塗料を使ってしまった」「塗料がしっかり混ぜられていなかった」「雨天時などの湿気が多い時に塗装してしまった」「乾燥時間を守らずに塗り重ねてしまった」ことなどが考えられます。 正しい塗料の扱い方はカタログなどに明記されているため、施工業者がしっかりと守ってくれるかどうかが重要です。 施工時の工事記録などをチェックする必要があります。
■ 縁切りの不足
スレート屋根は単に塗装するだけだと境目が塗料で詰まり、屋根の裏側に水が溜まって染みができてしまいます。 これを防ぐためにスレート屋根は塗装後に縁切り作業かタスペーサ挿入が必要です。 水の抜け道を作り、屋根の中に水が溜まらないようにします。 こちらも見積もり段階できちんと作業予定にあったのか、工事中に実施されていたかなど記録を確認する必要があります。
② 経年劣化
経年劣化は、屋根の塗膜が紫外線や雨風によってダメージを受けることで起こります。 新築後まだ塗装などをしていない屋根の場合や、塗装後しばらく経っている屋根の場合はこの原因が考えられます。 具体的には色あせ、カビ、コケ、藻の発生、サビです。
■ 色あせ(チョーキング)
色の成分(顔料)が紫外線によって浮いてしまうことで、色あせ・色落ちが起こります。 触るとチョークの粉のように手に顔料が付くので、「チョーキング現象」とも呼ばれます。 原色に近い赤、黄色、緑などは特に色あせが目立ちやすいです。
■ カビ・コケ・藻の発生
塗膜が弱って屋根材が水が吸い込むようになる(防水効果が切れる)と、カビ・コケ・藻が繁殖します。緑色のコケや藻は緑色のイメージが強いですが、実は乾燥すると黄色や茶色っぽくなります。 金属屋根ではないのに錆びたような色になっている時は、乾燥したコケや藻の可能性が高いです。
■ サビ
トタンやガルバニウムなどの金属系の屋根や、スレート屋根の頂上などにある金属部材の変色はサビの可能性があります。 塗膜が弱って金属が水に触れると、赤サビや白サビが出てきます。 修繕するには、サビを軽く削るなどして落としてからサビ止め塗装が必要です。
3、施工不良の場合の3つの対処方法
もし塗装工事後すぐに変色が起こり「施工不良かも?」と思ったら、施工業者に対応してもらうことになります。 スムーズに対応してもらえるための流れを3ステップでわかりやすく解説していきます。
【ステップ1:保証書を確認する】
施工業者に連絡する前に、まずは塗装工事の保証書を手元に用意しましょう。 施工業者が来た時にすぐに提示できるようにしておきます。 保証期間だけはまず先に確認しておきましょう。 ただし、保証対象になるかどうかは点検しないとわかりません。 保証内容の細かいところは施工業者が来た時に一緒に確認しましょう。
【ステップ2:施工業者に点検してもらう】
次に施工業者状況を伝え、点検にきてもらいましょう。 その際に
・ 「どの部分が」 例:南面の1階外壁が ・ 「どのくらいの範囲で」例:20㎝四方くらい ・ 「どうなっているのか」例:ベージュの塗装が白っぽく変色している ・ 「いつ気づいたか」
などを端的に伝えておくと施工業者も状況把握や点検の準備がしやすくスムーズです。 日程調整して点検に来てもらったら、保証書も見せて内容を確認してもらいましょう。
【ステップ3:点検結果を報告してもらい、対応方法を提案してもらう】
点検が終わったらどのような状況なのか、原因は何だったのかを報告してもらいましょう。 そして、それに応じた対応方法も提案してもらいましょう。 よくあるのは、部分的な再塗装やタッチアップ補修です。 変色が保証対象内なのかは、施工業者・補償内容によって異なります。 提案された対応を行う場合、費用は発生するのかしないか、いつ頃対応できるのかも確認しましょう。
もしも塗装してもらった施工業者がすでに倒産・廃業などで無くなっていた場合は保証も無効になってしまいますのでご注意ください。 改めて別の施工業者を探す必要があります。
4、経年劣化の場合の対処方法
経年劣化で変色してしまっていた場合は、屋根塗装を行いましょう。 長年紫外線や雨風を浴びていた屋根は塗膜が弱って防水効果がなくなっています。 そのため、再塗装で新しい塗膜を復活させることが必要です。 屋根の防水切れは放っておくとひび割れや欠けなどの大きな傷みも出てきてしまいます。 変色に気づいた段階で早めに塗装メンテナンスをすることで、結果的に修繕費用を安く抑えることができます。
しかし、塗装ではメンテナンスできない場合もあります。 塗装しても強度が保てないほど屋根の経年劣化が進んでしまった場合です。 具体的には、ひび割れ・欠損が多い、塗膜がひどく剥がれている、下地が傷んでいるという状態です。
■ ひび割れ・欠損
屋根全体に多数のひび割れがある状態の場合です。 数か所程度なら補修した上から塗装することも可能なのですが、見渡して一面に発生している場合は屋根の劣化がかなり進んでいる状態であるため、塗装工事をおすすめしません。
■ 塗膜がひどく剥がれている
以前の塗装の品質が悪く、全体的に膨れや剥がれが起こっている場合は塗装工事は適していません。 塗装するためには丁寧に高圧洗浄したり、手作業で削り落としたりして表面を整えなければなりません。 また、剥がれた箇所からずっと水が浸み込み続けている可能性もあります。 その場合表面を塗装しても屋根材自体が弱っているため、塗装しても雨漏りなどが発生する可能性があります。
■ 下地が傷んでいる
築20年以上メンテナンスしていないと表面の屋根材だけではなく、その下にある下地や防水シートも弱っていきます。 すでに屋根から雨漏りしていた場合は、塗装では対処できないことがほとんどです。 また、トタンなどの薄い屋根材の場合、点検で屋根の上を歩くだけでフカフカとした感触がして中の木材が傷んでいるのがわかることもあります。 このような状態は、特に20年以上何もメンテナンスしていないと起こる可能性が高いです。
5、まとめ
屋根の変色に気づいたら、まずは専門業者に点検してもらいましょう。 変色の原因は様々ですが、実際には点検したり過去の内容を確認したりしないと判断できないものだからです。しっかり直すためにもきちんと点検してもらった上で対処を行いましょう。 変色は屋根が発するSOSの1つです。正しく対応してお家を綺麗に長く保ってあげましょう。
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