1、はじめに
家電製品を買うと、必ず「保証」が付いてきます。 保証があることで購入後に故障などのトラブルが起こっても交換や修理をしてもらえたりと、長く安心が続きます。 外壁塗装は家電製品のようなモノではありませんが、きちんと保証が付いています。 しかし、残念なことに一部の悪徳業者が保証を付けないために、後々のトラブルに泣かされたり、そもそも外壁塗装に保証があることを知らない方が多いのです。 外壁塗装の「保証」はトラブル回避の必須項目! 工事後も長く安心して住み続けるために、きちんと保証のことを理解しましょう。 今回は、外壁塗装の一般的な保証内容や契約前に確認しておきたい外壁塗装の保証チェックリストなどをご紹介します。
2、意外に知らない外壁塗装の「保証」のこと
外壁塗装には、一般的に「製品保証」と「工事保証」の2つの保証があります。 「製品保証」は、塗料メーカーが工事で使用した塗料に対して出す保証のことです。 塗料製品に瑕疵があった場合、塗料メーカーが塗料代を上限として保証するものです。 製品保証はあくまで塗料そのものに対しての保証であるため、工事内容に対しては保証されません。 一方「工事保証」とは、保証期間中に塗装工事に瑕疵があった場合、施工店が工事に対して行う保証のことです。 施工店や工事内容によって、保証内容や保証範囲が異なります。
例えば、あなたのお家で「工事保証10年」付きの外壁塗装工事をしたとしましょう。 塗装完了から3年後、塗装部分にひび割れが発生したとします。 当然施工店に修繕してもらうように連絡するかと思います。 しかし、ここに多くの落とし穴があるのです。 実は多くの場合、保証の対象になるのは外壁塗膜(塗装の膜)の剥がれのみなのです。 さらに、保証対象が外壁塗膜と言うことは、鉄部や木部などの外壁ではない部分は同じ工事で塗装されていたとしても保証対象外となるのです。 ただ、ひび割れが保証対象外であることには、きちんと理由があります。 外壁のひび割れは、家の構造体そのものや地盤、地震などの自然災害の影響、周辺環境の影響などでも発生することがあり、ひび割れが発生したからといって塗装の瑕疵だとは一概に判断しずらいのです。 これは塗装業界の常識と言えると同時に、常識であるがためにお客様にきちんと伝えてきれていないことでもあります。
3、保証にかかわる外壁塗装トラブル実例3選
次に実際にあった保証がかかわるトラブル事例をもとに、保証の誤解や注意点、トラブルの対処法を3つ具体的にご紹介します。
① 保証書を受け取っていなかった
【トラブル内容】
ご自宅の戸建住宅の外壁塗装を●●塗装店に依頼したAさん。 担当営業からは契約時に「保証は付いていますよ」と言われて安心していました。 ところが、塗装後わずか3年で塗装がはがれてしまいます。 Aさんはすぐに●●塗装店に連絡して、保証で修繕したいと依頼しました。 しかし、驚くことに●●塗装店は「うちは保証は出していませんよ」「保証書も持っていませんよね?」 と言われてしまいます。 Aさんは契約時口頭で「保証が付いている」と言われただけで、保証書を受け取っていなかったのです。
これは特に珍しいトラブルではありません。 残念なことに、いまだに口約束のみで保証書を渡さない悪徳業者が存在しているのです。 このようなトラブルを回避するには、「保証書を渡さない業者もいる」というこうとを十分に注意した上で、口約束は絶対せず、保証書を必ず受け取ることが必須です。 万が一保証書を出さないような業者であれば、契約するのは考え直した方がよいでしょう。
② 施工不良発生箇所が保証対象外だった
【トラブル内容】
ご自宅の戸建住宅の外壁塗装を▲▲塗装店に依頼したBさん。 契約時に「工事保証10年」が付いていることを確認して、きちんと保証書も受け取りました。 そして塗装してから5年後、Bさんは塗装した外壁にひび割れができているのを見つけます。 Bさんが依頼した塗装工事には工事保証10年がついています。 Bさんは保証書を片手に早速▲▲塗装店に連絡をしました。 ところが▲▲塗装店からは「ひび割れは保証対象外です」と言われてしまい、よくよく保証書を読んでみると確かにひび割れは保証対象外になっていたのです。
これは誤解が生んでしまったトラブルです。 先述の通り、ひび割れが補償対象外であるのにはきちんと理由があるのですが、それがお客様にきちんと伝わっていないことで誤解が生まれています。 このようなトラブルを回避するには、保証書の内容を必ず読み、保証内容の詳細な説明を施工店に求めることが必須です。 もちろん施工店がきちんと説明することが必須なのですが、防衛策として依頼主が注意したいところです。
③ 施工業者が倒産して保証が無効に…
【トラブル内容】
ご自宅の戸建住宅の外壁塗装を■■塗装店に依頼した施主・Cさん。 契約時に「工事保証10年」がついていることを確認して、きちんと保証書も受け取りました。 そして塗装から5年後、Cさんは塗装した外壁に塗装のはがれを見つけます。 契約時に塗装がはがれた場合は保証してもらえることを■■塗装店に確認していたため、Cさんは保証書を片手に早速■■塗装店に連絡しました。 ところが、何度電話しても一向に繋がりません。 不安になったCさんは■■塗装店を訪れます。 するとなんと、■■塗装店は跡形もなくなくなっていました。
これはかなりショッキングなトラブルです。 家電であれば最悪買いなおせば済む話ですが、住宅はそうはいきません。 さらに、依頼した施工店が将来倒産するかなど私達にはわかるわけもないので、事前に回避しようもありません。 ここで知っておきたいのが「第3者保証」です。 第3者保証とは、施工店とは別の第3者機構が取り扱う保証のことです。 施工店が加入している団体や組合が取り扱う保証や、住宅瑕疵吠保険がこれに該当します。 第3者保証をつけることで、施工店が倒産しても第3者機構が瑕疵を保証してくれます。 第3者保証の中でも、多くの塗装店が扱っているものとして「JIOリフォーム瑕疵保険」などがあります。
4、契約前に必ず確認!外壁塗装の保証チェックリスト
さまざまな保証トラブルの事例を見てきましたが、結局どんな保証であれば安心できるのでしょうか? 外壁塗装の保証は施工店によって詳細は異なりますが、「ここを押さえていれば大丈夫!」と言えるチェックリストをまとめてみました。 ぜひ契約前には次のチェックに当てはまるか確認してみてください。
【外壁塗装の保証チェックリスト】
□ 「製品保証」と「工事保証」の両方がついている □ 保証書を発行してくれる □ 保証対象箇所など、内容について担当者が詳しく説明してくれる □ 施工店の保証以外に第3者団体の保証がある
これは外壁塗装の保証としてどれも必須の項目です。 1つでも当てはまらない項目がある施工店とは、契約そのものを考え直した方がよいでしょう。
保証に加えて、ついていて安心なのがアフターフォローです。 工事後に万が一不具合が発生した時は、どんな対応をしてくれるのかも確認しておきましょう。 外壁塗装でのアフターフォローは、定期点検が中心となります。 業者によって異なりますが、定期点検は無料で行ってくれるところが多いようです。 塗装後1年、3年、5年と間隔を空けて節目節目に行ってくれるとより安心できるでしょう。 契約前に施工店に対してアフターフォローがあるかどうかを確認しておくと、次の塗装メンテナンス時期まで安心して長く付き合えるでしょう。
5、まとめ
外壁塗装工事後も長く安心して住み続けるためには、事前に保証があることを確認し、またその内容をきちんと理解することがとても重要です。 今回ご紹介したチェックリストなどを活用して、安心して任せられる施工会社を見つけてください。
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