1、はじめに
外壁塗装工事の費用も、確定申告すれば税金控除の対象となる場合があるのをご存じでしょうか? 主に住宅ローン減税・投資型減税・雑損控除と3種類ありますが、1番控除額が大きいのが住宅ローン減税です。 10年で最大140万円控除されます。 ただし、外壁塗装工事のみでは適用不可で、対象工事と同時に行う必要があるという注意点があります。 今回は、住宅ローン減税で確定申告の還付が受けられる条件や、必要書類、申請方法についてご説明します。
2、外壁塗装の確定申告で還付が受けられる6つの条件
外壁塗装工事の費用を還付請求をする場合は、外壁塗装した翌年1月1日から5年間申告することができます。確定申告期間の2月16日~3月15日とは関係ありません。 例えば、2022年1月1日~12月31日の間に外壁塗装工事を行った場合、2023年1月1日~2027年12月31日まで申告可能です。 5年を過ぎると時効で還付請求できなくなります。 また還付申告は任意のため、対応せずとも罰則はありません。 基本的に給与所得者で、住宅ローン減税など減税制度を使う方が当てはまります。
住宅ローン減税で外壁塗装の税金還付を受けるには、以下の6つの条件を全て満たす必要があります。 2022年の税改正で所得の要件が、3,000万円から2,000万円に変更となりましたのでご注意ください。
① 申告者の自宅であり、実際に居住している
確定申告をする方が所有し、かつ居住していることが必要です。 また、外壁塗装工事をしてから6か月以内に居住していること、控除適用年の12月31日時点も引き続き居住していることも条件になります。 経営しているアパートや別荘、離れて暮らす家族の住宅は対象外となります。
② 居住スペースが半分以上を占める
住宅の床面積が50平米以上であり、かつ床面積の半分以上を居住スペースとして使用することが必要です。 自営業の方は、ご自宅の半分以上が居住用スペースになっているかご確認ください。
③ 工事金額が100万円を超え、半額以上が居住スペースに使われる
工事費用が100万円を超えていること、また工事金額の半額以上を居住用スペースのために使用していることも条件です。
④ ローンの返済期間が10年以上
ローンの返済期間が10年以上に設定されていることが必要です。 また、勤務先からローンを借りている場合は、年利が0.2%以上であることが必要です。 知人や親族からローンを借りている場合は、控除適用不可になります。 借入先によって適用可否が異なる場合もありますので、金融機関へ問い合わせるとより確実でしょう。
⑤ 申告者の年間所得金額が3,000万以下
申告者のみの所得が3,000万円以下であれば問題なく、家族の所得は含みません。 また、所得は給与のみではなく、利子や配当、不動産による所得も含まれますのでご注意ください。
⑥ 住宅関連の他の控除制度が適用されていない
対象の外壁塗装を施した住居に居住した年と前後2年の計5年間に、長期譲渡所得の課税特例を受けていないことも条件となります。
3、外壁塗装の確定申告で節税できる金額
外壁塗装のために借り入れた金額の年末時の残額の0.7%を、10年合計140万円を限度に所得から控除されます。 例えば、各種控除後の年間所得800万円の方が外壁塗装工事を含むリフォーム工事に銀行からお金を借り、初年度の年末時点で1,000万円のリフォームローンが残っていたとしましょう。 その年度の住宅借入金等特別控除額は、【1,000万円×0.7%=7万円】の計算式で求められます。 所得税は【800万円×23%(所得税率)-636,000円(年間所得における控除額)=1,204,000円】となります。住宅借入金等特別控除が適用されると、所得税は【(800万円-7万円)×23%-636,000円=1,187,900円となります。 住宅借入金等特別控除が適用されない時と比べて、1年で16,000円現金が還付されるのです。 2年目以降はローン残高も減るため還付金も少しずつ減りますが、しっかりと手続きをして納税額を減らしましょう。
4、外壁塗装の確定申告に必要な書類
住宅ローン減税にて外壁塗装の費用を確定申告する場合、1年目は下記の書類の提出が必要です。 2年目以降は提出書類も減って年末調整だけで手続きが完了します。
【必要書類】 【概要】 ・ マイナンバーカード(※) 申告時に必要 ・ 身分証明書(※) 申告時に必要 ・ 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(※) 控除額の計算 ・ ローンの年末残額等証明書(※) 控除対象になるローン残高の証明 ・ 増改築等工事証明書(※) 対象工事であることの証明 ・ 家屋の登記事項証明書(※) 住宅ローン利用で不動産を取得したことの証明 ・ 補助金を証明する書類 補助金を受けた場合、補助金額の証明 ・ 給与所得の源泉徴票 会社員の場合、給与所得金額の証明
(※)は提出必須書類
上記書類のうち、「増改築等工事証明書」はスムーズに入手できず発行に時間がかかる可能性があります。 建築士のいないリフォーム会社では発行できない場合があるため、あらかじめ発行可否を確認しておきましょう。 依頼しているリフォーム会社で発行できない場合は、別の期間や企業に発行を依頼します。
5、外壁塗装費用を確定申告する際に注意すべきポイント
確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、国税庁のホームページから作成してダウンロードできます。 しかし、請負契約書などの書類は塗装業者から、ローン残高は金融機関から受け取らなくてはいけません。 また、土地・建物の登記事項証明書は法務局から、源泉徴収票は勤務先からそれぞれ受け取る必要があります。確定申告の時期は業者や法務局も混み合いますので、早めに書類を準備しておきましょう。
6、まとめ
外壁工事の確定申告は慣れていないと非常に間違いが起こりやすいため、住宅ローン減税に詳しい外壁塗装業者への依頼がおすすめです。 住宅借入金等特別控除額が適用される条件や条件を満たしてくれるか説明してくれますし、確定申告に必要な書類もスピーディーに揃います。 プロの手を借りて少しでも簡単に確定申告手続きを進めていきたいものですね。
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