1、はじめに
色褪せたり、カビやコケがついたりした外壁を見かけたことがありませんか? 実は、外壁塗装塗料には寿命があります。 一体どういう時が寿命なのか、寿命が来ていることがどうしたらわかるのでしょうか? 今回は、見た目だけではない外壁塗装の寿命と理由、外壁塗装を考える時にお住まいを長持ちさせるためにできるポイントについてご紹介します。
2、永久に外壁塗装不要になる塗料はある?
建物や外壁自体の寿命とは別に外壁塗装にも寿命があります。 というのも、外壁と塗装(塗膜)の寿命は異なるからです。 現在、外壁塗装に使われる塗料には耐用年数が定められています。 耐用年数とは、メーカーなどが独自のテストや判断において「この期間はある程度問題なく使えるだろう」として公表している期間のことです。 耐久年数はお住まいの立地や気候で変動する部分はありますが、一度塗ったら永遠に塗り直さなくてよい塗料はまだ開発されていませんので、どの塗料にも耐久年数があります。 そのため、外壁の塗膜にも寿命は必ずあるのです。 例えば、外壁塗装の際に専門業者からの説明として「もうこれから先ずっと塗り替えの必要がありません。特別な塗料で、耐久年数が30年以上だから安心です!」という内容の説明を受けた場合は要注意です。 耐久年数が30年になる塗料はまだ開発されていません。 現在の技術ではまだ実用化されていない塗料です。 これは悪徳業者がよく使う手口でもあるので、覚えておくとよいでしょう。
3、定期的に外壁塗装が必要な2つの理由
外壁塗装の目的は主に2つあります。
① 美観を保つ
文字通り、外壁を美しい状態を保つことです。 色あせやカビ・コケなどがあると印象がよくありませんよね。 外壁塗装を行うだけで、塗装面が綺麗になるだけではなく、汚れやカビ・コケを防止することも可能です。
② 紫外線や風から建物を保護する
こちらの目的の方がより重要です。 建材には防水性がなく、それを補っているのが塗膜なのです。 塗膜なしだと外壁や建物自体に水が染み込み、コンクリートを侵食します。 コンクリートは水によって崩れていくので、ゆくゆくは建物自体に大きなダメージを負うことになります。 カビやコケ・藻も防水性の低下が原因で発生しやすくなります。 これらは、経年劣化が起きた結果の症状であり、同じ原因に端を発しているのです。
外壁塗装は10年前後を耐久年数とする塗料が多いので、10年に1回は塗り替えが必要と覚えておきましょう。 10年前のことを思い出すのは大変ですから、見積書や契約書などをまとめておくと塗装時期の確認や塗料の種類を調べる時に便利です。 塗料には相性がありますので、定期的に塗り替えをすることを念頭に資料をまとめておきましょう。
4、外壁が劣化しやすい立地7選
屋外に掲示されたポスターが色あせたり、建材が朽ちたりしているのを街中で見る機会があるでしょう。 日光の紫外線は人体だけでなく、多くの物質を劣化される力があります。 紫外線を始めとして、寒暖差や風雨、振動、化学物質や湿気などの影響を受けて塗膜は劣化していくのです。 お住まいの立地条件によっては、他の立地に比べて劣化が進みやすい場合があります。 極端な変化が1日の間に発生する、湿気や塩分・化学物質などが多い環境では、通常の環境下よりも塗膜に負担がかかります。 劣化が進みやすいと言われている立地は次の7つです。
① 日当たりが悪い
日当たりが悪いと湿気が留まるので、塗膜の劣化を促します。 湿気は住まいの大敵で、防水性が落ちてくるとカビや藻、コケの原因になります。 風通しの悪い立地も湿気が溜まるので、塗料が劣化を始めるとカビや藻、コケが発生しやすくなるため注意が必要です。
② 隣接している建物がない
田畑の傍などで他に建物がなく遮蔽物がない立地の場合は、日差し、風の影響を強く受けるため街中よりも劣化が進みやすい傾向があります。 隣接している建物がない場合、風通しは悪くありませんが、晴れたら日差しが降り注ぎ、天気が悪い場合は風雨が打ち付けるので塗膜に負担がかかります。 塗膜というとピンとこないかもしれませんが、頑丈ではありますが絵具に似たものです。 光や雨に強くありません。
③ 川や湖沼の近く
川や湖沼の近くは、湿気が強いので湿気の影響を受けやすいです。 先述の通り、カビや藻、コケが生えやすくなります。 川や湖沼に隣接する場合は、通年を通して湿気の害を受けます。
④ 海辺
海辺の場合は、海風の影響を受けます。 海風は湿気以外にも塩分を含むため、塩害と言って塗膜や建材への悪影響が大きいです。 海辺では公園や手すり、その他にも屋外にある金属部品や建材がサビているのを見かけたことはありませんか?これは、海風による塩分が金属にサビをつけてしまうのが原因となっています。
⑤ 工場のそば
工場のそばで気をつけたいのは、汚れの付着や化学物質のよる劣化が進むことです。 落ち葉と化学反応を起こすことや、工場の排気に含まれる化学物質が酸性雨を降らせることもあります。 工場が製造する商品にもよりますが、工場地帯の近くではこれらの現象により塗膜の劣化が進みやすいと言えます。
⑥ 交通量が多い道路
交通量が多い道路は、排気ガスによる汚染により汚れが付きやすくなります。 また、細かな振動が建物と塗膜に繰り返し伝わるため、塗膜のひび割れの原因になります。
⑦ 寒冷地
塗料の多くはメーカーの定める使用条件で5℃以下85%以上だと塗装ができません。 そのため、寒冷地は塗装できる塗料や時期が限定されます。 寒冷地では、氷結と乾燥を繰り返すことで建材と塗膜が膨張と伸縮を繰り返し疲弊しやすいので注意が必要です。 特に、塗料の膨れや剥離が起きやすくなります。 お住まいが寒冷地の場合は、外壁の塗装がはがれたり膨らんだりしていないかを目視でよいので定期的に確認しておくと、劣化が進む前に手を打つことができるのでおすすめです。
5、外壁塗装の寿命を決める2つのもの
外壁塗装の耐久年数を決めるのは、塗料の種類とグレードです。 製品ごとに耐用年数に幅がありますが、塗料の種類によっておおまかな耐久年数は決まっています。 塗り替えの際には、塗料の特徴や耐久年数を踏まえて塗料を選ぶとよいでしょう。
【塗料の種類と耐用年数】 【特徴】
■ アクリル塗料 4~7年 他の塗料に比べ価格が安い。 発色がよく取扱いしやすいものの、耐久性が低く塗り替えを頻繁にする必要があります。
■ ウレタン塗料 6~10年 古くからある塗料で、アクリル塗料より耐久性が優れています。 シリコン塗料などの後発の塗料に比べて耐久性が低く、シェアは減っています。
■ シリコン塗料 8~10年 現在外壁塗装で主流となっている塗料です。 サイディング材との相性が高く、耐久性も高く価格面でもバランスが取れており人気です。
■ フッ素塗料 12~14年 フッ素樹脂を作った塗料のことです。 耐久性が高く、酸性雨や紫外線に強く防汚性に優れます。
■ 無機塗料 15~20年 原料にケイ素などの無機物を主成分とした塗料です。 紫外線によって劣化しないため、日光に強く他の塗料と比べて長い耐久性が魅力です。 高価なため一般家庭にはややオーバースペックの傾向があります。
また、現在は様々な機能性で付加価値をつけているメーカーが多数あります。 お住まいの立地や地域に合わせた塗料を選ぶとよいでしょう。 代表的なものは次の4つです。
① 防カビ・防藻・防コケ
機能性がある塗料の中でも、人気の機能性が防カビ・防藻・防コケです。 お住まいを長く美しい状態で残したい気持ちは誰もがお思いになるかと思います。 しかし、お住まいの気候や立地によってはどんなに頑張ってもカビやコケが発生してしまうことがあります。 これらを防ぐ機能を備えた塗料を使用することで、お住まいの状態を良好にキープすることが可能になります。
② 塩害に強い
塩害は、海に近ければ近いほど起こりやすく塗膜の劣化を早めます。 サビがわかりやすい金属だけでなく、外壁塗装の塗膜にも劣化を引き起こします。 海辺に近いお住まいの場合は、塩害に強い塗料を選んだ方がよいでしょう。 外壁塗装に用いることができない塗料もあるのでプロに相談するのが一番です。
③ 化学物質に強い
外壁は化学物質の影響を受けることがあります。 車や工場の排気ガスに含まれるものは、付着すると外壁が黒く灼けた印象になっていまいます。 化学物質は防汚性が強い塗料で付着しにくく、流れやすくすることが可能です。 雨が降るたびに雨水が化学物質を洗い流してくれるようになるので、お手入れの必要もありません。 交通量の多い道路沿いにお住まいであれば、採用してみましょう。
④ 寒冷地仕様
寒冷地が過酷な環境であることは塗料や塗膜に対しても言えることです。 寒冷地での外壁塗装は通常の塗料を使用する場合は塗装に適した季節が限られますが、寒冷地仕様の塗料なら塗装の条件が緩やかなので施工可能な時期が長くなります。 また、寒暖差や凍結に強いタイプの塗料の方が寒冷地の気候に合っていて長持ちします。
6、まとめ
外壁塗装は一度の施工で永遠に効果が続くものではありません。 10ごとに塗り替えるつもりで記録を残しておくとよいでしょう。 また、立地によっても塗膜の耐久年数が大きく変わってきます。 塗膜が劣化しやすい立地の場合は、特に日頃からの手入れや劣化の兆候がないか観察しておきましょう。 こまめに外壁の洗浄を行ったり、外壁が傷む原因となる植え込みの刈込みを行うのもよいでしょう。 早期発見、早期対処で外壁と建物自体の寿命も大きく変わってきます。 外壁を長持ちさせるためにも、外壁塗装のサイクルを考慮して計画を立てましょう。
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