1、はじめに
2024年1月1日に石川県能登地方で最大震度7を観測した大地震が発生しました。 富山県でも震度5強の揺れを観測し、住宅の全壊被害など3000棟以上の住宅被害が報告されています。 建物の全壊・半壊とまではいかなくても外壁にひびが発生していたり、屋根が崩れてしまったりしています。 また、一見被害がないように見えても実際には見えないところで異常が発生していることがあります。 今回は、地震が起きた際にぜひチェックしてほしい建物のポイントをご紹介します。
2、地震発生後に点検すべき6つのポイント
一目でわかるような被害がなかったとしても、気づいていないところでお家に異常が発生していることもあります。 今後も長く安心して暮らせるように今一度ご自宅を点検してみましょう。 次に地震発生後にぜひ点検してほしい6つのポイントをご紹介します。
① 外壁や基礎(家の土台)にひび割れがあるかどうか
地震による被害で最もわかりやすいのはひび割れです。 髪の毛のように細いひび(ヘアークラック)は緊急を要することはありませんが、幅が広く深さが5㎜以上のひびは表面だけでなく、外壁材自体にダメージがある状態です。 また、外壁が傾いたり膨らんだり、変形しているものも要注意です。 ひび割れをそのまま放置してしまうと、ひびが広がり深くなってしまいます。 また、雨漏りや外壁がごっそりはがれ落ちたりしてしまうので、早急な補修が必要です。 最初は大したことのないひびでも、再度地震が起きたときに悪化してしまうかもしれません。 放置せずに専門業者に連絡し、できるだけ早目に対処しましょう。
② ドアや窓の開閉がしにくい
地震の後にドアや窓が開閉しづらくなることがあります。 複数箇所で開閉しづらい時は、ドア枠やサッシが曲がっていたり、建物そのものが傾いたり歪んでいる可能性があります。 そのままにしておくと、万が一の時に避難の妨げとなってしまうこともあります。 早目に工務店やハウスメーカーなどに調査を依頼しましょう。
③ 床に球体を置くと同じ方向に転がる
ビー玉やゴルフボールをそっと床に置いた時に、何度も同じ方向に転がるようでしたら地盤沈下などでその方向に床が傾いていることになります。 東日本大震災では、千葉県の舞浜が地盤沈下で大きな被害を受けました。 家の傾きの原因が地盤沈下であれば、地盤の調査や改良工事が必要になりますので、しっかりと専門業者に調べてもらいましょう。
④ 室内で雨漏りするようになった
地震後に雨漏りが始まった場合は、屋根の瓦のズレや破損が生じている可能性があります。 その他にも外壁のひびなどが原因になっていることもありますが、雨漏りの原因は様々で特定することは非常に困難です。 散水による雨漏り調査、赤外線カメラを用いた雨漏り調査などを実施する必要があります。 瓦など屋根材がずれているのを見つけても、決して屋根に登ってはいけません。 地震保険・火災保険に加入されている場合は、保険会社に連絡して対処してもらうことになりますが、雨の予報があり早急な補修が必要な場合は瓦屋・大工・塗装業者など日常的に屋根に登っている専門業者に相談しましょう。 災害時は応急処置としてブルーシートを貼るので精一杯になることも多くなってしまいますが、ご自身でブルーシートを貼ることは大変危険です。 熊本大地震の際にも、ご自身で屋根を修理しようとした方が転落死する事故がありました。 簡易的な補修でも必ず職人さんに対応してもらいましょう。 応急処置後、瓦の葺き直しなど屋根の改修工事を検討することになると思いますが、地震対策として軽くて丈夫な金属屋根に葺き替えることもぜひご検討ください。
⑤ 床下が湿っぽい
給水管や排水管の水漏れが原因かもしれません。 給水管の元栓を閉めて、排水管につながる器具を使用しないようにしましょう。 その後設備業者に問い合わせ、点検と修理を依頼しましょう。
⑨ 建物周りの地面がぬかるんでいる
雨が降っていないのに地面がぬかるんでいる場合は、地中の水道管などが破損して水漏れを起こしている可能性があります。 水道局や水道修理を専門としている業者に修理を依頼しましょう。
3、地震の後に外壁のひび割れができやすい場所は?
地震が発生すると、通常では起こりえない負荷が家にかかるため、お家に思わぬひび割れができることがあります。 次に地震後にひびができやすい主な場所と症状をご紹介します。
① 窓サッシ周辺
地震後には、窓サッシの周辺、特に上下左右の角にあたる斜め方向に向かって外壁にひびが発生することがあります。 窓サッシや扉などは「開口部」と呼ばれます。 開口部には壁がないため、ほかの部分よりも負荷がかかりやすいのが特徴です。 構造上の問題なので、地震に際して起こる開口部周辺の外壁のひび割れは防ぐのが難しいとされています。
② モルタルの広い面
外壁がモルタルで仕上げられている場合、地震が発生すると外壁の広範囲にひびが入る可能性があります。 モルタル外壁は、下地材に防水紙やラスと呼ばれる金網を張り、その上からセメントに砂と水を混ぜて作るモルタルを塗りつけて仕上げられています。 そのため、地震の揺れが強かった場合には、防水紙やラスが振動することで塗りつけられたモルタルにひびが入ってしまうのです。
③ シーリング
地震発生時には、シーリングにもひびが入ったり、外壁材との間に隙間が生じたりすることがあります。 シーリングとは、雨水の侵入を防ぐために外壁材の接合部に充てんされている素材を指します。 コーキングとも呼ばれます。 合成樹脂であるポリウレタンやシリコーンが使用されることが多く、接合部が多少動いても追従できるよう弾力のあるゴム状となっているのが特徴です。 しかし、シーリングは施工後直射日光にさらされ、経年劣化するうちにどんどん硬化していきます。 硬化したシーリングは弾力がないため、地震の揺れで外壁材が動いたときに追従できずにひび割れてしまうのです。
④ サイディングの釘回り
外壁がサイディングで仕上げられている時には、地震に際して釘回りにひびが入ることがあります。 厚さ14㎜以下のサイディングは、胴縁と呼ばれる木材の上に釘を使って打ち付けられています。 スクリュー釘が使用されしっかり打ち付けられているので、地震が起きたときには釘は胴縁と一緒に動きます。しかし、サイディングが追従できなかったときには、釘の周りに負荷がかかってサイディングにひびが入ってしまうのです。 特にサイディングの端部分は、数センチのところで釘打ちされていることが多く、ひびが入るだけでなく欠け落ちてしまうこともあります。
4、外壁のひび割れ補修に火災保険は使える?
地震によって外壁にひび割れが発生した場合に「火災保険が使えるの?」という質問をいただくことがあります。 地震によるひび割れは、火災保険に地震保険が付加されていれば対象となる可能性があります。 まずは、加入している火災保険の内容を確認してみましょう。 もしひび割れが保険で保証される場合でも、申請に必要な被害状況のわかる写真や書類が欠けていると保険が下りないことがあります。 一度カーベスにご相談ください。
5、まとめ
地震は1回だけ揺れるのではなく、何度も揺れが起きます。 建物に異常が発生したら、きちんと対策しておかないと建物の耐久性はどんどん劣化してしまいます。 今回の地震で耐えたからといっても、建物が次の地震も耐えてくれるとは限りません。 地震で雨漏りが発生してしまった場合は、家電や家具に被害が及ぶだけでなく、木材が腐食したり漏電してしまう可能性があります。 放置すれば放置するほど修繕費用も高額になってしまいますので、異常を発見した際は早目に対処しましょう。
能登半島地震での被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 カーベスは富山県の外壁・屋根のプロ「外装リフォーム専門店」として精一杯取り組んでいきたいと思います。
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