1、はじめに
日本は世界的にも台風や地震といった自然災害が非常に多い地域です。 気象庁の発表では、2000年以降462の台風が発生し、58の台風が日本に上陸しました。 最も多い2004年には10を超える台風が日本に上陸し、猛威を振るいました。 毎年7月~10月にかけて台風が最も多く上陸し、毎年自然災害の恐ろしさを目の当たりにしています。 最近では2018年に台風21号が関西・東海地方に上陸し、大きな被害をもたらしました。 数か月経っても復旧できず、屋根がブルーシートで応急処置が施されている光景がニュースなどで報道されていました。 台風による強風・大雨の影響を受けると、外壁や屋根に大きなダメージが与えられる可能性が考えられるため、注意しなければなりません。 今回は台風シーズンを安心して暮らしていただけるよう、「台風がきても安心して過ごせるお家作り」について解説いたします。
2、台風が住宅に与える影響
台風が上陸した地域では、猛烈な風雨が発生します。 特に最近は台風の上陸時期が初夏から晩秋までと長くなり、台風も大型化しています。 注意しておきたいのが、日常的な雨であれば影響のないように見える外壁であっても、暴風によって壁にたたきつけられるような雨の場合は油断ができないという点です。 しっかりとした外壁塗装ができていない場合、外壁が風で破損してしまい、雨が建物内に入り込むことで雨染みができてしまう可能性があります。 雨染みを放置していると、漏電やシロアリなどの被害が発生するため、事前にしっかりと対策を立てておく必要があります。
また、外壁と同様に台風の際に注意しておきたいのが屋根です。 台風情報を伝えるニュースなどで、家の屋根が吹き飛ばされている場面を見たことがある方も多いのではないでしょうか? 劣化が進んでいる屋根を放置していると、台風の強さによっては大きな被害が発生してしまう恐れがあります。 こちらもできるだけ台風が来る前にしっかりと確認しておきたいところです。
3、台風が来る前に確認しておきたい7つのこと
① 屋根(スレート、瓦、金属)
屋根の破損(ひび割れ、割れ、欠け)やズレはありませんか? 金属屋根は錆びたり浮いている箇所はありませんか? 破損やズレは雨漏りや強風による飛散を招きます。 金属屋根もサビや浮きは雨漏りや強風による飛散を招きます。
2018年の台風21号で関西地方に最も多くの被害が発生した屋根材が瓦屋根です。 スレート屋根や金属屋根は1枚1枚の屋根材が下地に釘やビスで固定されているのに対し、いぶし瓦や釉薬瓦に代表される瓦は桟木(さんぎ)と呼ばれる角材に引っ掛けられているだけなのです。 そのため、強風による影響を受けやすいのです。 万が一瓦が飛散してしまうような事態になれば、屋根材の中での最も重い瓦が近隣の住宅や通行人に与えてしまうと大変危険です。 台風シーズンを迎える前に瓦のズレや割れをチェックしましょう。
② 棟板金
台風上陸後、一番被害が発生しているのが棟板金です。 スレート屋根や金属屋根の頂点に取り付けられているのが棟板金です。 屋根の角をカバーするために被せられている板金の部材です。 台風通過後に「棟板金が剥がれてしまった」「庭に落下していた」というケースが多いです。 棟板金を固定している釘が緩み、強風によって変形や飛散してしまうのです。 釘の緩みや棟板金の浮きがないか確認しましょう。
確かに台風による強風が原因で屋根に被害が発生したことは間違いありませんんが、気温差、風、雨などに常に晒されていることで経年劣化が進み、被害を受けた屋根の多くが「台風によって被害を受けることが必然だった」というケースも多いのです。 屋根のメンテンスは10年に1度必要と言われています。 「築10年以上経過しているが、1度もメンテナンスをしたことがない」という方は、台風シーズンが来る前に専門業者に屋根の点検をしてもらい、必要なメンテンスを行うことをおすすめします。
③ 漆喰
瓦屋根で棟瓦、丸瓦、のし瓦を固定しているのが漆喰です。 瓦屋根にお住まいの方はぜひ1度ご自宅の屋根を確認してみましょう。 瓦が葺かれている面の部分から棟瓦が設置されている立ち上がり部分を見ると、半月上の空間があるのがわかると思います。 経年劣化で漆喰の固定力が弱まると、瓦の落下や飛散の原因になります。 また漆喰が剥がれると、そこから雨水が侵入し雨漏りの原因となります。 漆喰の剥がれやひび割れがないか、瓦の上にある銅線が緩んでいないか確認しておきましょう。 棟瓦を固定する土に表面から雨が当たらないよう、漆喰を詰めることで強度を守っているのですが、漆喰が健康な状態であれば白い漆喰が見えているはずです。 しかし、経年劣化で漆喰が崩れてしまうことで中の土が見えてしまっている状態であれば要注意です。
④ 雨樋
雨樋は降ってきた雨を地上や下水へと排水するための道としての役割があります。 しかし3日に1度雨が降る日本ですから、雨水の排水は住宅にとって非常に重要なものです。 雨樋に落ち葉やゴミが溜まっていないか、詰まっていないかをチェックしましょう。 「雨樋の穴から水がドバドバ落ちてきている」 「雨樋から雨水が溢れている」 「雨樋の勾配が悪く、曲がっている」 といった場合は要注意です。 排水がうまくいかず溢れてしまうと、雨水が家屋に浸入することもあります。
⑤ 外壁
外壁にクラック(亀裂)や窓枠のコーキングに傷みがないかを確認しましょう。 クラックの幅0.3mmにも満たない髪の毛ほどの細いクラックは「ヘアクラック」と呼ばれ、早急に修理が必要なものではありません。 しかし、幅が0.3mmを超えるクラックは「構造クラック」と呼ばれ、住宅に悪影響を与える可能性が高く要注意です。 亀裂の幅が大きいことで台風時激しい雨が降れば、雨水がクラックから住宅内部に侵入し、住宅の構造部にシロアリなどの甚大な被害を及ぼす可能性があります。
⑥ カーポート、ベランダ
②「棟板金」同様、「ベランダの屋根が飛んでしまった」「カーポートの屋根が飛んでしまった」というケースも台風通過後に多いです。 カーポートや屋根に使用されているポリカーボネートは非常に軽量で、台風などの強風時に被害が多いのです。ビスの外れや緩みがないかを確認しましょう。 軽量な素材で風に乗って遠くまで飛んで行ってしまい、近隣の住宅を傷つけてしまったり、通行人をケガさせてしまう可能性もあります。
また、ベランダに植木鉢や物干し竿がある場合は、あらかじめ室内に入れておくようにしましょう。強風によって飛ばされると、非常に危険です。
⑦ 窓
台風が来る前に気を付けておきたいのが「雨戸のない窓」です。 暴風や防雨による飛来物によって、窓ガラスが破損してしまう可能性が十分に考えられます。事前に窓ガラスフィルムなどを貼っておき。しっかりと補強しておきましょう。
4、台風が過ぎ去った後には点検を!
台風が過ぎ去った後、屋根にも外壁にも目立った被害がなかったからと油断するのは禁物です。 台風が過ぎ去り、外が安全になったらしっかりと外壁と屋根の点検をしましょう。 大きな破損はなかったとしても、「外壁のひび割れ」や「屋根材の破損」などが発生している可能性があります。 こうした破損を放置しておくと、建物の腐食や雨漏りといったトラブルに繋がってしまうため、発見次第すぐに専門業者に点検してもらい修繕してもらいましょう。 何かしらの破損があったとしても、初期段階であれば修繕費用や期間はそこまでかからないでしょう。 逆に「まだこの程度なら大丈夫だろう」と屋根や外壁の破損を放置してしまうと、時間が経つにつれ被害が大きくなり、修繕に膨大な費用と時間がかかってしまう恐れがあります。 どんなトラブルも早めに行動することが最も有効なのです。
台風接近中はもちろん、台風通過後も突風が吹きやすい状態が半日以上続きます。 雨は足元を滑りやすくしますし、屋根にコケが生えている場合はさらに滑りやすくなります。 屋根からの落下事故も毎年のように発生しています。 屋根の点検は地上からの目視程度にとどめ、専門業者に点検を任せましょう。
また、台風によって住宅に何らかの破損があった際、住宅の損害保険や火災保険に加入していると自然災害による建物の被害と認定され、補助金が支給される可能性もあります。 万が一の事態に備え、保険に加入しておくとよいでしょう。
6、まとめ
基本的に台風は突然上陸するものではありません。 日本に台風が上陸する可能性がある際は、事前にテレビやインターネットなどのメディアできちんと報道されるため、しっかりと対策しておくことができます。 しかし、外壁や屋根は数日で完全な対策をすることが難しいため、台風シーズンである夏が来る前に専門業者に点検を依頼し、台風に備えることを心がけましょう。 ✨弊社はご相談・お見積り無料✨ 「富山の外壁・屋根専門店」カーベスにお任せください!