一軒家の外壁塗装にかかる費用相場は【安すぎると危険な理由も解説】

お家のイメージをガラリと変えられる外壁塗装。老朽化した外壁の修繕だけでなく、雰囲気も新たに変えられます。しかし、気になるのは費用のことです。「理想の外壁にしたいけれど、安く抑えたい」というのは、誰しも思うことでしょう。

とはいえ、費用を抑えることだけを優先してしまうと手抜き業者に施工を依頼しかねません。もちろん、高ければ安全というわけでもなく、悪質な業者を避ける一つの手段として、外壁塗装の相場を知ることが重要です。

今回は、外壁塗装の費用の相場に関して詳しく解説するとともに、支払い方法についてもご紹介します。

一般住宅における外壁塗装の費用相場

30~40坪の一般住宅における外壁塗装の費用相場は、60~110万円程度です。ただし、外壁塗装は金額が不明瞭な工事であるため、適正価格を算出することが困難です。なぜなら、業者ごとに職人の熟練度、取り扱う塗料、仕入れ方が異なるからです。

しかしながら、ある程度の費用相場を頭に入れておけば、見積もり金額が安すぎる、あるいは高すぎるといった事態が起こったときに、信頼できる業者なのかと疑うことができるでしょう。

料金の内訳

外壁塗装にかかる費用の相場を把握したら、次はその費用の内訳について確認してみましょう。内訳もしっかりと理解しなければ、項目毎の価格の判断はできません。ここからは、内訳の一例を挙げるとともに、各内訳の単価相場をご紹介します。

足場・飛散防止ネット代

足場の設置は、外壁塗装に必要不可欠な工程です。外壁塗装で組む足場は、塗装業者が用意するものではなく、他社からレンタルするケースが多いです。また、足場の設置のみ足場業者に依頼することもあります。足場代は、家の外周の面積に足場の年席を加えた足場加算面積で算出されます。

足場代の単価相場は、600~950円/1㎡程度です。また、足場の周囲に取り付ける飛散防止ネットの単価相場は、100~200円/㎡程度です。足場代などには材料費などの他に、運搬費や施工費などが含まれています。

高圧洗浄代

高圧洗浄は、塗装前に壁をきれいにして、塗料の密着性を高めるために必要な工程です。高圧洗浄にかかる単価相場は、100~300/1㎡程度です。高圧洗浄に使用する水はお客様の水道から引くため、見積もりで出される費用に加えて、水道代を2,000円程度負担する必要があります。

養生代

養生は、塗装しない部分をおおって保護するとともに、塗装する部分としない部分の境界線をきれいに分けるために必要な工程です。養生の単価相場は、250~450円/㎡です。

塗料代

塗料代は、塗料のグレードにより、費用が大きく変動します。ここでは、基本的な単価相場と塗料のグレード毎の単価相場を比較して、どれほどの変動が見られるのかご説明します。

まずは、グレードを問わない、塗料代の単価相場を確認しましょう。
外壁塗装では、基本的に下塗り・中塗り・外塗りの3回の塗装が原則です。下塗りの単価相場は、600~1,200円/㎡程度です。中塗りと上塗りは合わせて計算され、単価相場は2,000~5,000円/㎡程度とされています。

では次に、塗料のグレードが変わると、どれだけ費用に差がでるのか見ていきましょう。

・耐久年数5~7年程度のアクリル系塗料の単価相場:1,400~1,600円/㎡
・耐久年数8~10年程度のウレタン系塗料の単価相場:1,700~2,200円/㎡
・耐久年数10~15年程度のシリコン系塗料の単価相場:2,300~3,000円/㎡
・耐久年数15~20年程度のフッ素系塗料の単価相場:3,800~4,800円 /㎡

このように、低グレードと高グレードの差は倍以上であることが分かります。外壁塗装を依頼する際には、打合せの段階で塗料の種類を相談して、ある程度の見積もりを聞いておくようにしましょう。

廃棄処理代

廃棄処理代は、外壁塗装のさいに出るゴミの処理費用です。この廃棄処理代は、一般的に一式と表示されます。費用の相場は、10,000円~30,000円程度です。

極端に安いお見積りには注意

優良な塗装業者であれば、最低限の利益を確保しつつ、良心的な価格提示を行います。お客様の希望に応えるために必要な材料を揃えて、必要な工程を踏むために、多少高い金額提示になることもあります。

一方で、極端に安い見積もりを提示する塗装業者には注意しなければなりません。残念ながら外壁塗装は、いくらでも手抜きができてしまうため、優良塗装業者の価格提示よりも圧倒的に安くすることも可能です。

例えば、基本的に塗装は3回行わなければなりませんが、2回しか塗らないということもできてしまいます。なぜなら、中塗りと外塗りは同じ塗料を使うことも多く、素人の目では何度塗ったのか判別しにくいためです。

また、シリコン系塗料で見積もりを出しておきながらアクリル塗料を使うといった手抜き行為もありえます。このような手抜き業者に施工を依頼してしまえば、数年で外壁が剥がれてしまう恐れもあります。

外壁塗装の支払いについて

ここで、外壁塗装に関する支払いについて簡単にご紹介します。
まず、外壁塗装にかかる費用を支払うタイミングとして以下の3つが挙げられます。

・施工前に一括払い
・施工前に1回、完工後に1回
・完工後に一括払い

上記のタイミングのうち、お客様の立場として比較的安心できるのは、完工後に一括払いするケースでしょう。このタイミングであれば、全額あるいは一部の金額を持ち逃げされるリスクもありません。

次に支払い方法は、以下の4つがあります。
・現金
・クレジットカード
・ローン
・財形貯蓄

支払いのタイミングや支払い方法ともに複数の選択肢がありますが、これらは業者により異なります。例えば、支払いのタイミングが施工前の一括払いに決まっているケースや、クレジットカードが使用できないケースなど、支払いを限定している業者もいます。

支払い方法について、より詳しく知りたい方は、「外壁塗装の支払いに関する記事」もあわせて読んでみましょう。
外壁塗装にかかる費用の支払い方法を解説!費用をおさえる裏技も?!

まとめ

外壁塗装工事をする場合にかかる費用の相場は、60~110万円程度だということが分かりました。これは、平均的な金額ですが、使用する塗料のグレードにより大きな差が生まれます。相場よりも高い場合には、グレードの高い塗料がピックアップされている可能性もあるでしょう。

相場よりも安い金額を提示されると、考えもなしに即決してしまうかもしれません。しかし、その場合は、必要な工程を行わないという手抜き工事をされるリスクが高いです。

手抜き業者に選ばないためにも、見積書の内容をしっかり確認しましょう。