ルーフィングシートを張り替える適切なタイミングとは?

1、はじめに

「ルーフィングシートはメンテナンスが必要?」「ルーフィングシートの適切な張り替え時期が知りたい」このように、ルーフィングシートの張り替えを検討しているけれど、適切な時期が分からないという方も多いのではないでしょうか。ルーフィングシートは、建物を雨水から守る非常に大切な役割を持っています。また、10年に1度のメンテナンスが必要です。この記事ではルーフィングシートの種類、メンテナンス時期、施工方法について解説します。ルーフィングの基礎知識も紹介していますので、よく分からない方もぜひ最後まで読んでみてください。

2、ルーフィングシートとは

ルーフィングシートとは、屋根材の下に敷く防水シートのことです。
業者によっては、「下葺き材(したぶきざい)」とも呼びます。
ルーフィングシートの主な役割は、屋根材が防ぎきれなかった雨水が屋内に侵入するのを防ぎ、住宅を雨漏りや劣化から守ることです。
ルーフィングシートは、屋根材の下に隠れているので普段目にする機会がありません。
そのため、ルーフィングシートの劣化や破れになかなか気付けず、雨漏りといった被害が出てから修理をする場合が多いです。
ルーフィングシートは、住宅を守るためにも、適切な時期に張り替えやメンテナンスをする必要があります。

3、ルーフィングの主な種類

ルーフィングシートには、透湿性や非透湿性など複数の種類があります。
                                        
・透湿防水ルーフィング
・アスファルトルーフィング
・改質アスファルトルーフィング
・粘着層付改質アスファルトルーフィング
・高分子系ルーフィング
                                        
それぞれのメリットやデメリットをご紹介します。
                                        
・透湿防水ルーフィング
                                        
透湿ルーフィングとは、湿気を通す機能が加わった防水シートです。
屋根の内部に結露が発生しにくいため、高温多湿な日本の住宅では積極的に使用されています。
また、耐久性が高く、耐用年数は50年程度です。
透湿防水ルーフィングの費用は高いですが、耐用年数を延ばしてメンテナンスの回数を少なくしたい場合にはおすすめです。
                                        
・アスファルトルーフィング
                                        
アスファルトルーフィングとは、アスファルトを染み込ませた板紙に、アスファルトの層を重ねた防水シートです。
透湿性がないため結露が発生しやすいですが、防水性は透湿ルーフィングよりも高く、完全に防水したい場合に向いています。
しかし、破れやすく劣化しやすいためメンテナンス回数が多くなってしまいます。
アスファルトルーフィングは大正時代には既に存在し、現在も多く使用されています。防水に関する信頼性が非常に高いルーフィングシートです。
                                        
・改質アスファルトルーフィング
                                        
改質アスファルトルーフィングとは、アスファルトの他に、ポリマーや合成樹脂を加え、アスファルトのデメリットである耐久性の低さを改善したルーフィングシートです。
そのため、通常のアスファルトルーフィングよりも耐久性が高く、高温や低温の条件にも強い特徴があります。
ただし、透湿性の低さは変わらないため、結露は発生しやすいです。
アスファルトルーフィングの欠点を改善しているため、価格はやや高めになります。
                                        
・粘着層付改質アスファルトルーフィング
                                        
粘着層付改質アスファルトルーフィングとは、改質アスファルトの裏面が粘着シートになっている防水シートです。
粘着層があるため、釘穴からの漏水を防ぎ、より高い防水性能を発揮できます。
しかし、アスファルトルーフィングと同様に透湿性がありません。
粘着層があり耐久性が高い分、価格が透湿ルーフィングやアスファルトルーフィングよりも高くなっています。
                                        
・高分子系ルーフィング
                                        
高分子系ルーフィングとは、アスファルトの代わりに塩化ビニルや合成ゴムなどを原料とするシートです。
アスファルトを使用しない分、軽量で伸縮性が高い特徴があります。
また、高分子系ルーフィングは、使用する素材によりさまざまな特性が加わります。
遮熱性の高いルーフィングや日本瓦専用のルーフィングなど、豊富に種類があるので、用途や欲しい機能に応じて選択可能です。
しかし、平面下地にしか施工できなかったり、紫外線で劣化しやすかったりするデメリットがあります。

4、ルーフィングをメンテナンスする適切なタイミング

ルーフィングシートは、約10年に1度のメンテナンスが最適です。
屋根材の裏側に施工されている建材なので、見ただけでは劣化の状況が確認できず、雨漏りなどの不具合が発生して気付く場合がほとんどです。
新築時にルーフィングシートまで指定することはほとんどありませんので、基本的にアスファルトルーフィングを使用していると考えられます。
アスファルトルーフィングの耐用年数は約10〜15年のため、新築から10年以上経過している場合は、専門業者にルーフィングの状況を確認してもらいましょう。
ルーフィングは、雨漏りのような不具合が発生する前に、最適なタイミングでメンテナンスすることが大切です。

5、ルーフィングの施工方法

ルーフィングシートの施工方法は、2種類の方法があります。
ルーフィングの種類によって貼り付け方法が異なりますので、それぞれ解説します。
                                        
・タッカーで留める
                                        
タッカー留めとは、大きなホッチキスのような建築道具で屋根材とルーフィングを留める方法です。
ルーフィングシート自体に穴が開いてしまいますが、時間の経過とともに太陽熱でルーフィングの一部が溶け、穴を塞いでくれます。
タッカーを留めるときは、深すぎても浅すぎても雨漏りの原因となるため、高い技術が必要です。
                                        
・粘着型のルーフィングシートを利用する
                                        
粘着型のルーフィングシートは、シールのようにそのまま屋根材に貼り付けるだけなので、非常に施工性が高いです。
穴を開けずに施工できるので、漏水の心配も少なく、防水性能はタッカー留めよりも高いです。
また、穴のひろがりや破れに発展する危険もないため、ルーフィングシートがより長持ちします。

6、まとめ

今回は、ルーフィングシートの基礎知識や種類、最適なメンテナンス時期をご紹介しました。
ルーフィングシートは、普段目にする機会はありませんが、住宅を雨漏りから守る大切な建材です。
また、ルーフィングシートは見えない部分にあり、メンテナンス時期も分かりにいため、約10年に1度のメンテナンスが重要です。
種類も豊富にありますので、求める性能があるルーフィングシートを選んで、建物の防水効果を高めていきましょう。