1、はじめに
戸建住宅と同様に、アパートも建物を長く美しく保って資産価値を維持していく上で定期的な外壁塗装のメンテナンスが必要です。 しかし、戸建住宅とアパートでは要領の異なる部分も多くあります。 今回は、アパートの外壁塗装工事を行う目的やタイミングなどをご紹介します。
2、アパートの外壁塗装で入居率アップ!
アパートの外観は入居希望者が必ず確認する部分であり、部屋探しに大きく影響するため、定期的に外壁塗装を行って美観を保つことには大きなメリットがあります。 部屋を探している人にもすでに入居している人にも良い印象を持ってもらえるよう、適切なペースでアパートの外壁や屋根のメンテナンスを計画しましょう。 アパートの外壁や屋根のリフォームをすることで、次の3つのようなメリットがあります。
① 新築時のような美観を取り戻すことができる
外壁や屋根は年月の経過とともにゆっくりと光沢や鮮やかさを失っていき、10年前後で塗り替えが必要なレベルまで色あせてしまうので、新築後または前回の塗装から10年以上経っているなら塗装をすることで新築当時のような美観を取り戻すことができます。 外壁塗装で新築物件にも引けを取らない外観にできれば、築年数が10年20年と長くなったアパートでも高い入居率を維持できるでしょう。
② 資産価値を維持する
不動産の資産価値が時間とともに下がっていくことは避けられませんが、かしこくメンテナンスすれば資産価値を下げずに長期的に高く保つことが可能です。 そしてアパートの外壁や屋根の塗装工事は、単に美観を美しく保ったり色を変えて外観を刷新するだけでなく、建物の防水性を保つためにも行います。 外壁や屋根の塗装工事以外にも、次のようなメンテナンスも合わせて行うとよいでしょう。
【コーキング工事】
外壁材のジョイント部分・窓サッシ・配管周りに生じるすき間を埋めて、建物の防水性を維持するためにコーキング材(シーリング材)というゴムの性質を持つ建材が使用されており、このコーキング材は約10年で劣化してしまいます。 コーキング材は、外壁や屋根同様紫外線や風雨にさらされていることにより縮んだりひび割れするなどの劣化が起こり、外壁の防水性能を維持できなくなり、そのまま劣化を放置しておけば外壁内部の柱や土台などに雨水が侵入して腐敗やカビといった問題が発生する原因になります。
【屋根・ベランダ・バルコニーなどの防水工事】
アパートの屋根・ベランダ・バルコニーなどの防水機能の低下は、その下の階にある部屋への雨漏りの原因となります。 雨漏りは居住者にとって不快なだけでなく、建物全体の劣化を早めアパートの資産価値が著しく下がってしまうため、外壁や屋根だけでなく全体的な防水機能も定期的なメンテナンスのチェック項目に含めておきましょう。
③ 塗装を定期的に行えば維持費用は抑えられる
1回のアパートの外壁塗装工事の総費用は150~200万円以上と高額であるため、先延ばししたくなるかもしれません。 しかし、リフォーム工事を怠ることによって生じるアパートの資産価値低下や入居率の低下などのデメリットを考えれば、外壁塗装を含めたメンテナンスを定期的に行うのが最も経済的です。 また、リフォーム工事を行わずに外壁や屋根の劣化を放置すればするほど、塗装工事を行ったときの総工費が大きくなってしまいますので、外壁塗装工事を計画的に行えるよう前もって費用を計算に入れておきましょう。
3、アパートの外壁塗装工事は実施するタイミングが重要!
アパートの塗装工事は、実施するタイミングを誤ると入居者を増やす機会を逃してしまう可能性があります。 例えば、部屋探しをしている人があなたのアパートを気に入ってくれたといても、アパートが塗装工事中の最中だと入居を敬遠されてしまうかもしれません。 外壁工事の期間中は、架設足場と飛散防止ネットによって建物が覆い策されてしまうため建物のデザインが見えにくくなりますし、「今とデザインが大きく変わってしまうのではないか」「工事中だと入居してもしばらくは不便な生活になるのでは…」と不安に思われてしまう可能性があります。 部屋探しをしている人の意欲をできるだけ削がないようにするためにも、アパートの外壁塗装工事は進学や就職での新生活準備が始まる2~3月、転勤に伴う引っ越しが増える9月はアパートの出入居の動きが増える時期や物件探しが活発になる時期は避けるようにしましょう。 その上で外壁や屋根を定期的にチェックし、チョーキング現象やひび割れ、カビやコケなどの劣化のサインが起こっていないかをチェックし、劣化の症状が見られれば外壁塗装業者に依頼して現地調査を行ってもらいましょう。
4、アパートの外壁塗装工事の費用相場
アパートの外壁塗装工事にかかる費用は、アパートの形状・規模・立地などによって大きくことなるため一概に述べることはできませんが、2階建て1棟6室の外壁塗装工事の総工費は最低でも約150万円、3階建て1棟10室以上の規模になると最低でも300万円はかかると考えられています。 ただし、アパートの外壁塗装工事の総工費はどのように補修を行い、どのような塗料で施工するかでも大きく左右されますので、詳しい工事費用を知りたい場合は専門業者に見積もりを依頼しましょう。
5、アパートの外壁塗装は耐久性が高い塗料が人気!
外壁塗装はアパートを綺麗に維持するために定期的に行わなければならないメンテナンスです。 耐久性の高い塗料を使用すれば、1回あたりの外壁塗装の工事費用が高額になりますが頻繁にメンテナンスをする必要がなくなりますし、安くすませようと耐久性の低い塗料を使うと短期間で何度も外壁塗装工事をする必要があります。 アパートの資産価値や入居率、どれくらいこれからアパートを維持していきたいか、予算などを考えながら専門業者と相談して外壁や屋根の塗装リフォーム工事に使う塗料を考えましょう。 外壁塗装では外壁や屋根の塗装だけでなく、それ以外の付帯工事と呼ばれる費用のかかる工程を塗り替えのたびに行わなければなりません。 外壁塗装の付帯工事には、高所作業を行うための架設足場設置工事、外壁の汚れを除去する高圧洗浄、外壁のクラックや欠損を補修する下地処理、塗装しない部分への塗料の飛散を塞ぐ養生などがあり、外壁塗装工事を行うたびにこれら付帯工事の費用がかかります。 そのため、高額でもグレードの高い耐久性の高い塗料で塗装し、工事を行う回数を減らすことでこれらの付帯工事を行う回数も減り、長期的な観点で見ればアパートのメンテナンス費用の節約になるのです。
また、リフォーム工事はアパートの所有者にとっては様々なことを考えなければならない大変な工事ですが、入居者にとってもリフォーム工事はストレスになるということも覚えておかなければなりません。 塗装工事を行う約2~3週間は、足場や飛散防止ネットが日光を遮るので日中でも部屋が暗くなり、塗料や水が入りこまないように窓を閉め切っておく必要があり、塗料などの汚れが付着する可能性があるため洗濯物をベランダに干すことができないなど、ストレスを感じる入居者は多いでしょう。 外壁塗装によってアパートの所有者と入居者の間にトラブルが発生することはあまりありませんが、入居者にできるだけストレスを与えないよう外壁塗装工事のリフォーム工事の回数は、なるべく少なく抑えるのが賢明でしょう。
6、アパートの外壁塗装でオーナーが必要な3つの準備
アパートの外壁塗装工事を行うためにオーナーが行うべきことは次の3つです。 それぞれの注意点や後悔しない外壁塗装工事にするためにできることをご紹介します。
① 施工業者選び
アパートの外壁塗装は、建物の規模が戸建住宅と比べて大きいことや、入居者が不便なく生活できるようできるだけ配慮して工事しなければならないという点で一般的な戸建住宅の塗装工事とは進め方が異なります。 そのため、施工業者を選ぶ際には塗装リフォーム工事の実績が豊富かどうか、良心的な価格設定の業者かどうかだけではなく、アパートなどの集合住宅に十分な実績があるかで判断しなければなりません。 集合住宅の外壁塗装に実績を持っている業者は、自社のホームページに施工事例を掲載していますので簡単に調べられますし、直接問い合わせて確認することもできるので、気になる業者がいれば工事を依頼する前に確認しておきましょう。 また、作業範囲が広く工事項目も多いアパートの外壁塗装では、一般的な住宅の塗装工事に比べて施工不良が生じる可能性が高くなるため、保証内容をしっかりと確認し満足できる保証をしてくれる業者に依頼するようにしましょう。
② 外壁や屋根の色選び
リフォーム工事で塗装する外壁や屋根の色もアパートのオーナーが自由に選ぶことができますが、「リフォーム工事前の外壁の色から大きく変更しない」のが色選びに失敗しないための1つのポイントです。 新しい色でイメージを刷新したいという場合にも、オーナー個人の好みではなく入居者にとって受け入れやすい色・デザインを心がける必要があります。 アパートがターゲットにしている入居者層にどんな色が受け入れやすいか、外壁塗装でどんな色が流行っているかなどについては、アパートの外壁塗装に慣れた業者であれば相談にのってくれるでしょう。
③ 入居者へ外壁塗装工事について知らせる
施工業者・工事内容が決定したなら、アパートの全戸に下記のような内容を書面にまとめて連絡するようにしましょう。
・ 工事の日程:工事開始日と完了予定日、土・日・祝日に作業が行われるかどうか ・ 工事車両について:工事車両の出入りがあることや駐車位置 ・ 作業員について:作業員の出入りがあること ・ 工事中の注意点:窓が開けられない、洗濯物が外に干せないなど ・ 工事中に関する問い合わせ先
また、地域によっては上記の他にも連絡が必要な項目もあるので、施工業者と相談して通達内容を決めておきましょう。
7、まとめ
建物の規模が大きく、複数の入居者が生活しているという点で戸建住宅とアパートの外壁塗装は異なる部分が多くあります。 入居者に配慮しつつ、アパートのメンテナンスを行って資産価値と高い入居率を保つというのは簡単ではありませんが、集合住宅の外壁塗装に実績のある業者を選べば問題を上手に回避することができるでしょう。
✨✨見積もり・ご相談無料✨✨ お気軽にお問い合わせください!