1、はじめに
「訪問販売業者に提案されたが、家の外壁って本当に塗装する必要があるの?」 「築10年経過したが、特に外壁に損傷がない。そのままでも大丈夫なのでは?」 「外壁塗装をしなくても見た目が悪くなるくらいで、今は高額な出費を控えたいから我慢すれば何とかなるのでは?」 など、外壁塗装の必要性やタイミングでお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。 まず、結論からお伝えすると、外壁塗装をせずに放置していると、むしろ余計に出費が増えてしまうのでおすすめできません。 今回は「外壁塗装が必要ないのでは?」「外壁塗装が必要ない家とはどんな家?」とお考えの方のために、外壁塗装が必要ない家の特徴と放置の危険性を解説します。
2、外壁塗装が必要ない家とは?
外壁塗装が必要ない家とはどんな家なのでしょうか? 次の3つの家の場合は、外壁塗装によるメンテナンスは不要です。
① 外壁がタイルの家
外壁がタイルの場合は、塗装をする必要がありません。 これは、タイル自体が非常に硬くて傷や摩擦がつきにくく、紫外線による変色や褪色といった経年劣化もほとんどないからです。 さらに吸水性が低く、汚れにくく、雨の影響を受けにくい素材であり、正しく施工されれば20~30年以上の耐久性を発揮します。 このため、外壁がタイルの家には外壁塗装は不要となります。
② 外壁がレンガの家
外壁がレンガの家の場合も、塗装する必要がありません。 レンガもタイル同様に雨風や紫外線による変色に強く、また吸水性が低いためカビや汚れの影響を受けないことから外壁塗装が不要となります。 さらに、レンガの耐用年数は50年とタイルよりも20年以上長いことも特徴です。 レンガに塗装をしてしまうと、かえってメンテナンスの手間がかかってしまうので、塗装しないことが推奨されます。
③ サイディング工事をして10年以内の家
サイディングの工事をして10年以内の家の場合は、塗装する必要がありません。 ただし、サイディングの状態や工事で使用した塗料の種類によっては、サイディング工事をして10年以内の家の場合でも塗装が必要になります。 グレードの高いフッ素塗料や人気のラジカル塗料、シリコン塗料を使用している場合は、基本的には外壁塗装は不要だと考えてよいでしょう。
3、ご自宅に外壁塗装が必要かどうかを見極める3つの方法
ご自宅に外壁塗装が必要かどうかを確かめる方法が3つあります。
① ご自宅の外壁がタイルかレンガか
ご自宅の外壁がタイルやレンガの場合は、外壁塗装は必要ありません。 外壁がタイルかレンガかをを見分ける方法は以下の通りです。
【外壁がタイルの場合】 ☑ たたくとガラスのような音がする ☑ タイルのつなぎ目にゴム材のようなものはない
【外壁がレンガの場合】 ☑ 風合いがあり、表面には凹凸がある ☑ 1つ1つのレンガの形が異なっている
近年は本物のタイルやレンガに似たタイルデザインのサイディング材が発売されているので、見た目だけではなく手触りなども確認するようにしましょう。
② サイディング工事を最後にしてから10年が経っていないか
サイディング塗装が必要になる時期は、築10~12年目です。 ただし、これは目安であり、実際はサイディング材にもともと施されていた塗装の種類によって外壁の塗り替えのタイミングは異なります。
〈塗料の種類と耐用年数〉 ■塗料の種類■ ■塗料必要時期の目安■ アクリル塗料 6~8年 ウレタン塗料 8~10年 シリコン塗料 10~15年 フッ素塗料 15~20年
アクリル塗料やウレタン塗料といったグレードの低い塗料を使用している場合は、サイディング工事を最後にしてから10年以内であっても塗装が必要になることがあります。 ご自宅で使用した塗料が何か、まずは確認しましょう。
③ 外壁に劣化症状は見られないか
最後の確認方法は、外壁の劣化症状のチェックです。 ご自宅の外壁がレンガやタイル以外の場合で、以下のような劣化症状が見られる場合は外壁塗装が必要になります。
【チョーキング現象】 サイディングの表面を指で触ると、古くなった塗膜がチョックの粉のように付きます。 外壁に「チョーキング」という劣化症状が現れた場合、塗装が必要なサインです。 チョーキング現象が出たら塗膜の防水性が失われているサインなので、なるべく早めに外壁塗装が必要です。
【塗膜の剥がれ】 塗膜の剥がれは、前回塗装した塗膜が剥がれてしまう現象です。 下地が露出した部分から腐食する恐れがあるため、至急対処が必要です。
【外壁の変色・退色】 外壁の変色・退色は色褪せして見えたり、色が白くぼやけて見える印象です。 放置しておくと、塗膜の防水効果が切れ、サイディングが腐食する恐れがあります。
【コーキングのひび割れ】 コーキングのひび割れは、経年劣化や施工不良によって起こり、「切れ」「破断」とも言われます。 放置しておくと雨水が入り、雨漏り被害から外壁や構造体の腐食に繋がる可能性があります。
【塗膜の膨れ】 塗膜の膨れは、内側に溜まっていた水分が熱によって気化されることが原因で発生します。 放置しておくと雨水が入り、雨漏り被害から外壁や構造体の腐食に繋がる可能性があるため注意が必要な劣化症状です。
4、外壁塗装をせずに放置するとどうなる?
外壁塗装をせずに放置するとどうなってしまうのでしょうか? 「塗装しなくてもある程度は平気なんじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃると思います。 外壁塗装をせずに放置すると出てくる3つの症状をご紹介します。
① 外壁の耐久性(防水性)が下がる
外壁の耐久性を守っているのは、「塗料の機能による防水効果」が大きくあります。 定期的に外壁塗装を行うことで防水性が保たれ、雨・風・紫外線などの外的な劣化要因から外壁を守ってくれます。 外壁の防水性が低下してしまうと、ひび割れ・浮き・剥がれ・チョーキング現象など様々な劣化症状が現れます。 外壁だけの劣化ならまだよいのですが、外壁の塗膜の劣化を放置すると、建物内部の構造体にまで更なる劣化を招いてしまいます。 表面をバリアしている機能がなくなれば、当然建物自体にも影響が出てしまいます。
② 塗装が必要な箇所にトラブルが起こる
建物は様々な部位で構成されています。 その1つ1つの部位には、建物を守る重要な機能が備わっています。 外壁塗装をしないことで、本来塗り替えが必要な箇所がメンテナンスできなくなり、部分的な劣化によって深刻なダメージを建物に与える可能性があります。 外壁塗装工事の際、ほとんどの場合破風板や軒天などの付帯部分も同時に塗装を行います。 定期的に塗装を行うことで、家全体の防水性や美観、住み心地を守ることに繋がるのです。
【塗装しないことで起こる症状】 ■部位■ ■症状■ 外壁 美観の低下、雨漏り、建物の構造体の腐食 屋根 美観の低下、断熱性の低下、雨漏り、建物の構造体の腐食 雨戸 腐食、サビ、耐火性の低下、防犯性の低下 戸袋 腐食、サビ、風による雨戸の音鳴り 鼻隠し 雨樋の落下、屋根内部の腐食 軒天 屋根の腐食、屋根の落下、防火性の低下 雨樋 外壁の防火性低下、雨水による外壁の侵食 笠木 ベランダ部の防水性の低下、腐食、サビ 庇 玄関通行時の水濡れ
③ 長い目で見るとトータルコストが高くなる
外壁塗装をせずに放置していると、最終的にはトータルコストが高くなってしまいます。 外壁を放置し、深刻な異常が起こってから修繕工事を行うとトータルコストは高くなります。 「外壁塗装をしなければ、そもそも費用は節約できているのでは?」と考えがちですが、長期的に見ると大きな誤解です。 外壁の劣化が進んでしまった場合は、塗装作業では直すことができません。 そうなると、外壁材を張り替えたり、ひどいときには躯体(内部の骨組み)の修繕や作り直しが発生することもあります。 定期的に塗装で保護しておけば防げたであろうトラブルが起こり、塗装よりも大規模な工事をしなくてはならず、費用はさらにかかることになります。 「塗装しないでおいて、劣化してしまったらついでに外観を替えるために全部外壁を取り替えてしまおう」と考えるのも1つですが、建物内部に劣化が進むまで放置していると、思いもよらない高額な費用が必要になってしまう可能性が高くなります。
5、まとめ
ご自身の大切なお家の劣化を防いで守っていくために、外壁塗装は必要なものです。 劣化症状を放置すると、外壁塗装よりも高いメンテナンス費用がかかるようになってしまいます。 この機会にご自宅に外壁塗装が必要かどうかを確認してみましょう。
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