お家の外廻りで最も傷みやすいのは屋根や外壁じゃない!

1、はじめに

お家の外廻りで最も傷みやすい部分はどこかご存じでしょうか?                       外壁でも屋根本体でもありません。                                  屋根の端にあり、面積で言えばとても狭い部分で「破風」「鼻隠し」と呼ばれる部分です。                                                「お家の傷みは破風から始まる」という方もいるほどです。                             建物の端は屋根や外壁同様に雨水や太陽光に晒されることに加え、風の影響も受けやすいためです。                                               破風や鼻隠しもお家にとって重要な役割を果たしており、住宅の劣化防止・美観性の向上に役立っているのです。                                                        今回は破風や鼻隠しについて、またどのようなメンテナンスを行うべきかをご紹介します。

2、破風や鼻隠しの役割

「破風」は切妻と呼ばれる屋根に存在する部位で、二等辺三角屋根の斜辺になっている部分を指します。                                                破風の上端部分を「ケラバ」と呼びます。                                  破風の部分に使われている建材を計上や材料から「破風板」と呼ぶこともあります。                 斜辺を下った端、地面と水平になっている部分は「軒先」と呼ばれます。                  軒先の先端には「鼻隠し」と呼ばれる部材が取り付けられていることがほとんどで、ここに雨樋が取り付けられています。                                               破風と鼻隠し、どちらも屋根の端にあるので混同しやすいのですが、破風が存在する屋根は切妻と入母屋です。                                            寄棟は屋根が4面で形成されているため破風は存在せず、屋根の下端は全て鼻隠しです。                  また、破風に雨樋が取り付けられることはありませんが、鼻隠しにはほぼ取り付けられています。                                                    破風と鼻隠しは材料の名前で、ケラバは場所の名前です。

屋根の端に取り付けられている破風・鼻隠しですが、雨樋の有無を除けば屋根に端を守っていることに代わりはありません。                                                        ではなぜ名称が違うのか、それは住宅の形状や用語と関係があるようです。                   まず、破風板と呼ばれる側面に取り付けられている部材は、屋根裏へ風が吹き込むことを防いでいます。                                              屋根はと言うと雨水や太陽光を防いでいるという印象ですが、その役割の通り上からの雨風には高い耐久性を発揮させます。                                                     一方、横から吹き付ける雨風や外壁に当たり吹き上げる風の影響を大きく受けやすい傾向にあります。                                              屋根の端であるからこそ、横や下からの雨風を破風板がしっかり受け止めているのです。                                                   鼻隠しはと言うと、そもそも棟木から軒先に向かって設置されている垂木の小口を隠すために設置されています。                                                           その垂木の先端を建築用語では「鼻先」と呼んでいたことから、その鼻先を隠す、つまり「鼻隠し」と呼ばれるようになったそうです。                                                 鼻隠しも破風板同様、屋根の端に取り付けられていることから雨風防止の役割を担っていますが、最も大きな役割はやはり雨樋の下地材が挙げられます。                                        鼻隠しのないお住まいでは、化粧垂木に打ち込み金具と呼ばれる指示金具を用いて雨樋を設置することもありますが、近年のお住まいのほとんどに鼻隠しが設置されています。

破風板と鼻隠しには他にも共通の役割があります。                            まずは、美観性の向上です。                                     屋根の骨組み部分はシンプルな住宅には似つかわしくありません。                      破風板や鼻隠しはこのような複雑な構造部分をまとめて隠すことで、見栄えをよくする効果があります。                                               また、防火性の向上にも一役買っています。                                     住宅火災が起きた際、一気に下から上に延焼していきます。                                                 防火性能が高い破風板・鼻隠しがないと、窓から上がる火は一気に軒まで燃え移り、甚大な被害を与えてしまいます。                                                  普段意識が向くことがないであろう破風板と鼻隠しも、住宅を安全かつ綺麗に見せるために重要な役割を担っているのです。

3、破風や鼻隠しが傷むとどうなる?

破風は直に雨が当たる部分で、鼻隠しは雨樋に隠れている部分が多いものの、こちらも直に雨が当たります。                                           日光も風もダイレクトに当たるため、お家の中でもかなり負担を強いられている部分になります。                                                   破風や鼻隠しが傷み、水分を含み始めると当然のことながら周辺にも悪影響を及ぼします。                                                        破風や鼻隠しに雨水が染み渡ると、その水分は軒天を侵食し始め、やがては外壁や小屋裏へと到達し屋内に侵入してくるのです。                                                      破風や鼻隠しの傷みが、雨漏りに繋がってしまうことも珍しくありません。                                事実「屋根の端の一部が傷んでいるだけかと思っていたら、軒の方も変色が始まり、部屋の中にも雨染みができてしまった」という方もいらっしゃいます。                                          傷みが破風や鼻隠しの一部にと留まるのなら修理を急ぐ必要はないのですが、そうはいかないケースがほとんどなのです。                                      破風と鼻隠しは傷みを見つけたら即修理!または、外壁塗装のついでにメンテナンスをするのがおすすめです。                                                     破風板や鼻隠しの補修だけという工事をすると、雨樋交換が必要になった時に足場の仮設や雨樋の脱着を再度行わなければなりません。                                                   また、お家の補修を複数回に分けることで注意しなければならないのは、メンテナンスサイクルと配色等のバランスです。                                                        いくら少しの面積とは言えど、破風や鼻隠しだけを綺麗に補修すると、その部分だけが綺麗な状態で浮いた印象を与えてしまいます。                                                    また、部位ごとにメンテナンス時期を変えることで、メンテナンスの管理や無駄な出費が増えてしまうので、できる限りまとめてメンテナンスをするように検討していきましょう。                                                   一時的には高額な出費に見えても、長い目で見れば必ずコストを抑えることができます。

4、まとめ

今回は、お家を守る重要な役割をしている破風と鼻隠しについてご紹介しました。                破風や鼻隠しは屋根が苦手とする横や下からの雨風の侵入を防ぐほか、美観性の向上や火災の際の延焼防止という住まいにとって大きな役割を担っています。                                    破風や鼻隠しの劣化を放置してしまうと、軒天や垂木にまで腐食が及び、室内へ雨漏りを引き起こす危険も高まります。                                                                    破風や鼻隠しのメンテナンスを行う際には、足場を組む必要があるため同時に屋根や外壁などのメンテナンスも行うのがおすすめです。

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