1、はじめに
1度施工したら約10年は変えられない外壁塗装。 だからこそ、お家の顔とも言える外壁の色やデザインは納得のいくおしゃれなものにしたいものです。 しかし、いざとなってみるとどのような色やデザインが流行っているのか、流行っていてもご自宅に合うのか、迷ってしまってなかなか決められなくなるものです。 そこで今回は外壁塗装の色やデザイン選びのポイントをご紹介します。 いろいろなアイデアがありますので、お気に入りを見つけて後悔のない外壁塗装を実現してください。
2、どうやって外壁のデザインや色を決める?
外壁塗装工事は決して安くありません。 その上、工事期間中か「塗料の臭いは大丈夫かな」「ご近所に迷惑をかけないかな」などと心配もつきません。どうしても億劫に感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。 しかし、塗装して生まれ変わったお家を目の当たりにするのは壮観です。 「10年に1度のイベント」として楽しむ気持ちで臨んでみるのもよいかもしれません。 このイベントを楽しみながら、納得いく外壁塗装にするためのポイントを2つご紹介します。
① 1度決めたデザインは簡単には変えられない
一般的に外壁塗装に使われる塗料の耐用年数は、10年前後が多いです。 このため、外壁の塗り直しは10年サイクルが目安とされています。 しかし、たとえばフッ素系塗料の耐用年数は15~20年ほどありますし、反対にメンテナンスを怠ってしまった外壁塗装は10年持たないこともあります。 塗り直しのタイミングは、お家の外壁の状態を見て決めましょう。
いずれにしても外壁塗装は費用も手間もかかり、簡単には変えられないものです。 1度決めて塗装した外壁の色やデザインとは、何年も一緒に暮らすことになります。 慎重になるあまり、なかなか決められなくなってしまうのは仕方ないことです。 業者にオススメを提案してもらうこともできますが、色やデザインは個人の感性によるところが大きく、絶対的な正解はありません。 最終的には依頼主であるご自身が決めるしかないのです。 「色にもデザインにも詳しくないから選ぶ自身がない」「塗装してみて気に入らなかったら、10年も不満なまま過ごすのは嫌」などと不安を感じる方も多いでしょう。 しかし、次にご説明するようなポイントを押さえておけば、後悔する事態を避けられる可能性はグッと上がります。 不安を解消して、楽しみながら外壁の色とデザインを選びましょう。
② お家の印象を決めるのは外壁の色
配色やデザインは自由なものですが、使用する場所やものによって向き不向きがあります。 特に使用範囲が広い住宅は、服や日用品とはまた異なる法則性があります。 この点を踏まえて、外壁の色とデザイン選びの参考にできる方法を見てみましょう。
【デザイン実績の豊富な業者に依頼する】
具体的なイメージが思いつかない時は、業者の提案を参考にするのも良い方法です。 そして、提案をしてもらうなら事例が多い方が希望の色やデザインに出会える可能性は上がります。 だからこそ、外壁の色やデザインを決めかねている時には、デザイン性の高い施工事例が豊富な業者を選ぶことが大切です。 気になる業者のホームページなどで過去の事例を見せてもらい、どれくらいの実績があるのか確認してください。 業者の中にはデザインが得意なところも、反対にあまり得意ではないところもあります。 老舗なら事例が多いというわけではなく、新しい業者で積極的にデザイン性が高い塗装を行っているところもあるのです。 実績豊富な業者はデザインのカタログを用意していることが多いので、カタログやサンプルがあるかどうか確認してみるとよいでしょう。 デザインカタログはモダンやナチュラルなどイメージごとに紹介しているものが多いので、漠然としたデザインのイメージがどのような傾向にあるのか、ご自身でハッキリしてくるはずです。 また、デザイナーやカラーコーディネーターのようなデザイン関連に詳しいスタッフがいる業者も心強いです。色やデザインの組み合わせには相性があるので、専門の知識を持っているスタッフのアドバイスはぜひ参考にしてみてください。
【派手な色は避ける】
「原色」と呼ばれる色の性格が強く出た派手な色をお好みの方も多いかと思います。 「ご自宅の外壁を好きな色で塗りたい」と思うのは当然のことです。 しかし、あまりにも派手な色を外壁塗装に使うのは避けた方が賢明です。 なぜなら、住宅の外壁は色の面積が広く派手な色をより強く派手に感じられるため、想像以上に強い印象を与えるからです。 店舗の場合は派手な外壁を目印にできるので原色で塗装するのもよいですが、一般的な住宅だと必要以上に目立ってしまいます。 原色を使いたい人は、窓枠だけ使ったり、ワンポイントのアートペイントにするなどアクセントとして配色するとよいでしょう。 服でも全身原色は目立ちすぎてしまいますが、ポイント使いの差し色に使うとおしゃれですよね。 また、色は明るさや鮮やかさを変化させることで雰囲気も変わるので、同じ系統の中から外壁に向いた色を選ぶという方法もあります。 例えば、黄色の原色を外壁に塗ると派手すぎますが、明るさを上げて白に近づけたパステルイエローや、少しにごりを加えたベージュなどは住宅の外壁にも馴染みます。 外壁は日常的に配色を考える機会があまりないので、ご自宅のイメージにお選びになった色が合っているかどうかが心配な時は、業者に相談してみましょう。
【近隣の住宅を見て回る】
お散歩などをしながら10分ほど近所の住宅を見て回ることも効果的です。 実は、近所の住宅や街の雰囲気を知っておくことは、外壁塗装をする時に意外と重要なのです。 周囲の様子に気を配らないまま外壁塗装をしてしまうと、その住宅だけを見たときには綺麗な仕上がりでも、近所の住宅と一緒に「街の風景」として住宅を見たときに浮いてしまっていることがあるのです。 多くの人の目に触れる住宅の外壁だからこそ、ご近所との調和は大切にしてください。 古くからの景観を守るために、景観条例を定めている自治体もあります。 京都の街では、全国にあるコンビニでもロゴや店舗の外観を通常のものより落ち着いた色にしています。 これは景観条例で街の雰囲気に馴染む色を指定されているからなのです。 景観条例の対象となるのは店舗や公共施設のほか、高さが10m以上で延床面積が300㎡以上の建物であることが多いので、一般的な住宅が規制されることはありません。 しかし、ご自宅が景観条例の指定区域に入っている場合は、周囲に馴染む外壁塗装を心がけた方が結果的に長く愛着を持てる仕上がりになるでしょう。 ご自宅が景観条例の指定区域に入っているかどうかは、自治体のホームページで簡単に調べられます。
【カラーシミュレーションも入念に】
塗料メーカーや塗装会社がWEBサイトで公開している外壁塗装のカラーシミュレーションを利用すると、イメージが固めやすくなります。 いろいろなパターンを試してお気に入りの外壁色を探しましょう。 シミュレーションした内容を印刷すれば、業者にイメージを伝えるのもスムーズになって便利です。 例えば、大手塗料メーカーのシミュレーションサイトには以下のようなものがあります。
■ 日本ペイント ■
質問への回答や好みの外観などからおすすめの配色を提案してくれる診断のほか、ご自宅の写真を使ったカラーシミュレーションも可能です。
■ 関西ペイント ■
破風や玄関柱など細かいパーツまでシミュレーションできます。 モダンやナチュラルなどジャンル別のおすすめ配色も参考になります。
■ エスケー化研 ■
テクスチャーを使ってリアルな外壁塗装がシミュレーションできます。 色数豊富でツートンカラーの配色もできるので、自由度が高いです。
ただし、パソコンでシミュレーションした色は実際の色と見え方が異なる点に注意してください。 モニターの設定はパソコンを使用する人の好みによって変えられるので、実はモニターによっても色の見え方は異なります。 モニターはRGB(赤・青・緑)、プリンターはCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・黒)の4色を混ぜて色を出しているため、パソコンで作ったカラーシミュレーションをプリンターで印刷すると多くの場合は実際の色と異なって見えます。 カラーシミュレーションは参考程度に留め、塗料の色見本なども利用して最終的なイメージをまとめましょう。
3、おしゃれな外壁を実現する4つのテクニック
外壁のすべてを1色で塗ることだけが外壁塗装でがありません。 複数の色を使ったりポイント使いでアートを入れたりと、さまざまなデザインテクニックがあります。 これらを上手に取り入れてご自宅の外壁をおしゃれに生まれ変わらせましょう。 次に外壁塗装の人気色について4つご紹介します。
① ツートンカラー
2色に分割した配色を「ツートン」と呼びます。 特に新築時は1色で塗った外壁を塗り直しでツートンにすると、がらりと印象が変わって新鮮な気持ちになります。 ツートンカラーで人気のあるデザインは、1階部分と2階部分の塗り分けです。 各色ごとに重心ができるので、しっかりと安定感のあるイメージが演出できます。 また、縦ラインでの塗り分けも綺麗にまとまるのでおすすめです。 色を縦分割にすると引き締まった表情になり、洗練されたスマートなイメージに仕上がります。 色の面積の比率で印象が変わるので、いくつかのパターンをシミュレーションしたり業者に相談したりして、お気に入りの配分を見つけましょう。
② 部分的に原色を使う
先程「外壁塗装に原色を使うのは避けた方がよい」とご説明しました。 しかし、原色をパーツごとのポイント使いにするとよいとよいアクセントになり、一気におしゃれ度がアップします。 ポイント使いする時こそ思い切って派手な原色を選びましょう。 外壁の色は基本的に落ち着いた色味が多いので、コントラストがはっきりしてメリハリのある印象になります。 具体的なパーツには、ドア・窓枠・雨戸・ベランダの手すりなどが挙げられます。 白やベージュで塗った外壁の中に鮮やかな赤や緑がポイントで入っていると、見かけた人の目をパッと引いて「おしゃれだな」「センスがいいな」と感じてもらえるでしょう。 外壁にはあまり使われない色を塗るので、「周囲の住宅との調和は大切だけど、個性も出したい」と思っている方はぜひ試してみてください。
③ 飾り絵を描く
外壁の一部に飾り絵を描くデザインも近年施行例が増えています。 デザインの配色やサイズは依頼ごとに様々で、まさにオンリーワンのアートと言えるでしょう。 小さめのものだとドアの横にウエルカムボードのような歓迎の言葉を添えたイラストを描いたり、壁やベランダの一部に依頼主が好きな花や猫などを描いたりした外壁が人気です。 大きめのものだとベランダ全体に花と花びらを散らしたイラストを描いたり、一面にたくさんの魚や動物が遊んでいる姿を描いたりした外壁がよく見られます。 飾り絵は規模の幅が大きいのでどのような色が向いているかは一概に言えませんが、小さめのものほど原色のポイント使いに向いていますし、大きめのものほど外壁の色との調和が大切になってきます。 特殊な技能が必要なデザインなので、施工できる業者かどうかしっかり確認しましょう。
④ 外壁材の特性を活かす
近年は外壁材の種類も豊富になっており、サイディング外壁のようなデザイン性に優れたものが次々登場しています。 外壁材が持つ個性をデザインに活かす次の4つのアイデアもぜひ参考にしてください。
【クリヤー塗装でサイディングを活かす】
サイディング外壁は近年シェアを伸ばしている外壁材です。 その人気の理由は、あらかじめ板状に作られたボードを現場で貼り合わせて仕上げるため、施工期間が短く済む点にあります。 そして金属や木材を使用したものまで材質がいろいろあり、色を練り込んであるものやレンガを模したものなどデザインが豊富な点も挙げられます。 このようなデザイン性の高い外壁材を使用している場合は、元々の色や質感を活かすために透明な塗料を塗るクリヤー塗装がおすすめです。 ツヤ感がアップして、華やかでラグジュアリーな雰囲気になります。 サイディング外壁は再塗装の必要がないと言われることもありますが、対応年数が長めなだけで経年劣化は避けられません。 このため、クリヤー塗装で防水性を高めて保護してあげることは、外壁材を長持ちさせることにもつながります。 通常の塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本ですが、クリヤー塗装は下塗りと上塗りの2回塗りで仕上げるので、3回塗りより費用が抑えられるところも魅力です。
【インパクト大!タイルとレンガ】
今よりもインパクトのある外壁にしたい場合は、タイルやレンガの使用を検討してもよいでしょう。 タイルやレンガを取り入れると、外壁に立体感が出て高級感や趣深さを演出できます。 1つ1つ微妙に色合いが異なるので、温かみのある表情になるところも見る人に好印象を与えます。 古いヨーロッパの街並みや、明治大正期のモダン建築を連想させるレトロな雰囲気にまとまります。 ただし、外壁すべてをタイルやレンガで仕上げると施工期間が長くなり、費用もサイディングの施工と比較して2倍ほどかかるので、使用する部分をしぼったポイント使いをするのもよいアイデアです。 ドアや窓枠の周辺、外壁の角部分などにアクセントとして配置すると、インパクトがありおしゃれが外壁になります。 一部だけ違う素材を使うと、メンテナンスは別に必要なのかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、タイルやレンガは耐久性に優れているので、ベースの外壁と一緒にメンテナンスをすれば大丈夫です。
【モルタル・漆喰には遊び心を】
モルタルはセメントと砂を混ぜて水で練った外壁材、漆喰は石灰石に水を加えるとできる消灰石に糊などを混ぜた外壁材です。 どちらも泥のような柔らかい状態のものをコテで塗り上げる左官をいう技術で施工されます。 このため、職人の腕によって仕上がりに差があり、施工期間も比較的長いためサイディング外壁の普及とともにシェアが減少していました。 しかし、漆喰は日本古来のお城にも採用されている伝統的な外壁材です。 古い建物にはよく使われており、近年の古民家や古い店舗の持ち味を活かすリノベーションの流行により急激に注目を集めています。 ご自宅の外壁材が元々モルタルや漆喰なら、アンティークな雰囲気を活かしたシックな塗装にしてもいいでしょう。 また、費用はかかりますがサイディング外壁の上に漆喰やモルタルを塗ることも可能です。 下地のサイディングの状態によってできるかできないか判断するので、業者に相談してみましょう。 継ぎ目のないモルタルや漆喰の外壁は選べるデザインの幅が広く、遊び心を存分に発揮できるキャンパスになります。
【木材と相性抜群のガルバリウム】
サイディング外壁の中でも金属サイディングに分類されるものにガルバニウム鋼板があります。 耐用年数が長く軽量なことから、屋根材にも使用されるアルミと亜鉛の合金をメッキにた金属板です。 外壁材にガルバニウム鋼板の質感を活かすと、金属的でクールな仕上がりになるのが特徴です。 ここに玄関まわりやベランダだけ木材を使用するなどして木の質感を加えると、都会的な雰囲気と温かみのある雰囲気が混ざり合った現代的でスタイリッシュな外壁にまとまります。 ガルバニウム鋼板は薄くて軽いので、サイディング外壁のカバー工法にも向いています。 カバー工法とは、元々ある外壁に新しい外壁をかぶせる施工方法です。 外壁のイメージをガラリと変えたい場合は、塗装以外にこのような外壁リフォームも検討してみてください。
4、色選び成功のための3つのポイント
外壁塗装のイメージが固まったら、最終的には色見本を見てどの塗料を使うか決定します。 実はここでもまだ気は抜けません。 色選びの最終段階でつまづいてしまわないよう、色選びのポイントを3つをご説明します。
① 色見本はA4サイズで確認する
業者に色見本を見せてもらうときは、まずは塗料メーカーのカタログに目を通すことになります。 ここで気に入った色の塗料があったら、必ずその塗料を実際に塗ったA4サイズの塗り板を業者に用意してもらってください。 カタログの色見本はとても小さいので、外壁に塗ったときとは印象が変わってしまうからです。 人間は色の面積が広いほどその色の特徴を強く感じるようになっています。 これを「色の面積効果」と言います。 A4サイズの塗り板を見て、ご自宅とイメージが合っているか確認をしましょう。
② 色見本は実際の外壁に当てて確認する
「お店で気に入った服を買って、家で着てみたらなんだか色のイメージが違っていた」という経験はないでしょうか? 実は、色の見え方は光に大きく左右されるので、お店の照明と家の照明の違いによって見え方が違っても不思議ではありません。 これは外壁の色についても同じことです。 外壁は屋外にあるものなので、色見本のチェックも屋外の太陽光の下で行わないとイメージを把握できません。せっかく塗り板を用意してもらっても、室内の照明の下で見ているだけではあまり意味がないのです。 天気がよい日だけでなく、できれば夜間や天気が悪い日にも屋外で色見本を見るようにして、色のイメージが合っているかどうかを多角的にチェックしてください。
また、塗装後のイメージを把握するなら、塗装予定の外壁に色見本を直接当ててみるのが良い方法です。 現状の外壁と色見本を見比べれば、どのようなイメージの変化があるかよくわかります。 このとき必ず確認してほしいのが、遠景からの見え方です。 塗り板を壁に当てまま少し離れ、遠目に見ても違和感がないか確認してください。 A4サイズの塗り板だとなかなか難しいかもしれませんが、周囲の景観に馴染んでいると感じられるかも重要です。
③ 完成イメージに近い近隣の家を観察する
色見本で色のイメージが具体的になってきたら、ご近所を歩き回ってそのイメージに近い色で塗られた外壁の住宅を探してみてください。 全体がイメージの色で塗られた外壁を太陽光の下で観察できれば、カラーシミュレーションや塗り板よりもずっとリアルなイメージをつかめます。 よく見てみると「ちょっとイメージと違うな」と思うところはあるかもしれません。 後悔しない外壁塗装のために、とても有効な手段です。
5、まとめ
1度決めた外壁塗装の色やデザインは、簡単には変えられません。 後悔しない外壁塗装を実現するために、今回ご紹介したことを心がけてましょう。 外壁の印象を最も左右する色選びの際には、人気の定番の配色を参考にするとセンス良くまとまります。 イメージが固まってもまだ気を抜かず、A4サイズの色見本を太陽光の下で見たり実際の外壁に当てて見たりして最終的なチェックをしましょう。 ここで納得できれば、おしゃれな外壁塗装がきっと実現するはずです。
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