1、はじめに
雪国富山県でも雪の季節が終わり、春の訪れを感じるような穏やかな日も多くなってきました。 5~6月にかけて急激に外気温も上がり、特に天気のいい日には「室内の暑さが気になる」という方も多いのではないでしょうか? 近年では富山県も夏にはどんどん猛暑化していると言われているほど、昼間の外気温が35℃を超えることも珍しくなくなっています。 そして「エアコンをつけていても室内が暑くてたまらない」というお悩みも多いようです。 今年の夏も猛暑が予想される中、夏を迎える前に住宅内の快適性を高めるための暑さ対策についてご紹介します。
2、室内温度が高くなりやすい家とは?
実は室内温度が高くなりやすい家には特徴があります。 あなたの家に当てはまっている項目はありませんか?
① 屋根材が金属屋根
屋根材がトタン、ガルバニウム銅板、アルミといった金属でできている場合、暑くなりやすい傾向にあります。金属屋根は熱伝導率が高く、表面が一番熱くなります。 また金属屋根は薄いため、屋根の表面温度がすぐに屋根裏へと伝わり、結果として室内温度が上がってしまうのです。
② 屋根材がスレート
屋根材として非常に多く使用されているスレートですが、厚みは4~5㎜程度しかありません。 遮熱機能が備わっているものであれば別ですが、そうでなければかなりの熱が侵入し、室内温度の上昇につながってしまいます。
③ 天井が吹き抜け
天井が吹き抜けになっている建物は、建物全体の容積が増えることで暑い空気を溜めてしまい、冷房が効きにくくなります。 建物内部を1階部分と2階部分に分断しないため、2階のガラス面からの日光も入り、建物内部全体が暑くなってしまいます。
④ 2階や3階にリビングがある
2階にや3階にリビングがある建物は眺めも良く、日光もたくさん入ってくるため明るく開放感があるのがメリットです。 設計上も窓が多かったり、吹き抜けになっていたり、天窓が付いていたりする場合が多く見られます。 しかし、この場合吹き抜け天井になっていることも多く、室内温度が高くなりやすいのです。 開口部が多いため冬は暖かいですが、その分夏は暑くなるというデメリットがあります。
3、室内の温度が高くなる原因
室内の温度が高くなる原因の一番の要因は屋根です。 屋根はもともと遮熱効果を持っていないものが大半です。 夏に家の中で太陽に一番近い部分である屋根に直射日光が降り注ぐことにより、屋根の表面温度が上がり、もともと日光を反射する機能のない屋根を通過し、建物内へ伝わってしまうということなのです。 現在の住宅で屋根材の金属屋根やスレート屋根が増えてきたことに合わせて、日本国内の猛暑化が進んでいることで「エアコンをつけていても室内が暑い」という悩みが生じてしまうのです。 夏の金属屋根の表面温度は、80℃を超えるようなこともあるのです。 暖められた屋根の熱が室内にまで伝わることで、エアコンをつけていても暑さを感じるといった住環境の悪化を招いてしまうのです。
4、暑さ対策のための屋根リフォーム工事
暑さ対策に有効な代表的な屋根リフォームを3つご紹介します。
① 遮熱塗料で塗装する
まず最も一般的なのが遮熱効果を持った塗料で屋根塗装を行う方法です。 熱の原因となる太陽光を反射させ、建物内部への熱の侵入を防ぎ、室内の温度上昇を抑えるものです。 これにより屋根の表面が熱されるのを防ぐことができます。 メーカーによる試験では、室内温度が15~20℃下がったという実績もあります。 一般の塗料よりも価格が高い傾向がありますが、一般の塗料よりも1.5~2倍耐用年数が長いとされています。しかし、屋根の劣化状況によっては塗装が不可能な場合もあります。 築年数20年未満で、リフォーム費用を抑えたいという方にはおすすめです。 近年暑さ対策で人気の遮熱塗料ですが、夏の暑さ対策には有効ですが、冬の寒さ対策には効果がないということを覚えておきましょう。
② 屋根の断熱対策をする
屋根表面や屋根裏に遮熱シートを貼り、屋根の断熱性を高める方法です。 夏の遮熱効果は遮熱塗料を同じく屋根裏で10℃、室内温度で5℃ほどの変化があり、エアコンの稼働台数が減るという結果が出ており、冬も同様に電気使用量が3分の1に減ったとの事例もあります。 断熱性を高めれば外気の影響を受けにくくなるので、夏の暑さだけでなく、冬の寒さ対策にも有効です。 主に工場等の大型物件に使われるのが一般的ですが、戸建て住宅にも使用可能で、屋根だけではなく外壁にも使用できるものも多いので、屋根・外壁ともに遮熱・断熱したい際にはおすすめです。 こちらは遮熱塗料、遮熱材に比べて少しマイナーなため、取り扱っている専門業者は少ないとされています。 弊社では遮熱シートの施工も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
③ 断熱性の高い屋根材を施工する
これから家を建てる、屋根の葺き替え工事を検討しているという方には、断熱効果を持った屋根材を採用することがおすすめです。 金属屋根でも断熱材が一体となったものとそうでないものが存在しますし、表面に遮熱や断熱塗料が最初から採用されているもの等様々な屋根材が存在します。 断熱性が高い製品を採用することで、建物の快適性を高めることが有効な暑さ対策になります。 築20年以上の住宅で、屋根の劣化が進んでいる住宅には適した方法だと言えるでしょう。 リフォーム費用は塗装する場合よりも高くなりますが、その分耐久年数が長く、屋根材によっては約30年遮熱機能が保てるものもあります。
5、暑さ対策のための外壁リフォーム
日射角度によって多少の差はありますが、直射日光を浴びるのは屋根だけではなく外壁にも同じことが言えます。 住宅周辺が平地で日当たりが非常に良い立地に住んでいる方や、外壁が熱を吸収しやすい濃い色の方には外壁リフォームがおすすめです。 近年外壁リフォームでの夏の暑さ対策として人気なのが、外壁の遮熱塗料です。 先程屋根の暑さ対策の際にもお伝えしましたが、遮熱塗料を塗ることで近赤外線という太陽光のエネルギーを反射させることで塗膜表面で熱を吸収する量を減らし、外壁の表面温度の上昇を抑えることができる塗料です。 遮熱塗料には顔料系の遮熱塗料とセラミック系遮熱塗料があり、セラミック系の遮熱塗料の方が熱を放熱する作用もあるため効果が高いです。
遮熱塗料と似たものに、断熱塗料と言われる塗料があります。 断熱塗料は遮熱塗料と同様に遮熱効果があるのに加えて、塗料の成分中空バルーンが空気層を作ることで、保温効果や防音効果もあるのです。 ただし、気密性の高い住宅でなければ保温効果は感じにくいです。
6、遮熱塗料の効果
遮熱塗料を外壁塗装に用いると、塗装面では15~25℃温度を下げる効果があります。 しかしこれは外壁面での温度で、室内の温度差は1~3℃程度です。 屋根裏が断熱施工されていることで断熱材によって温度が下げられていること、外壁塗装による遮熱では窓からの熱には影響がないことが必要条件となります。 ロフトや屋根裏収納等で屋根裏の断熱施工がされていない場合には、屋根や外壁へ遮熱塗料を使用すると効果が実感できます。 また塗装面が汚れると遮熱効果は得られにくくなるので、定期的なメンテナンスが必要です。
色による遮熱効果の違いは大きく、白に近い明るい色の方が遮熱効果は高いです。 一般的な白の塗料の方が、黒の遮熱塗料よりも遮熱効果が高いケースが多いのです。 例えば日本ペイントの「遮熱塗料サーモアイ工場用」の日射反射率を比較すると、パールホワイトの日射反射率が91%なのに対し、クールサファイヤブルーは40.7%しかありません。 濃くて黒い色を選んだ場合、思ったような遮熱効果が得られにくいため、遮熱効果を高めるにはなるべく明るい色を選びましょう。 遮熱塗料は実質的には1~3%程度の低下しか期待できませんが、少しでも夏の室内の暑さを改善したい場合には向いています。 遮熱塗料を選ぶ場合には、白には近い明るい色にしましょう。
7、まとめ
夏暑さ対策としてのリフォームは、屋根と外壁工事を足場を組むタイミングで同時に行うことにより足場費用を抑えることができ、屋根と外壁遮熱の相乗効果で温度抑制効果を高めることにより、光熱費を削減することができます。 雪が解け、暖かくなってきたこの時期に屋根や外壁のリフォームを検討されるお客様がたくさんいらっしゃいます。 梅雨時期前までのリフォーム工事をご希望される方が多いため、工事スケジュールがいっぱいになると工事お待たせする場合もございますので、お早めにご相談ください。 ご相談・お見積り無料ですので、お気軽にお問い合わせください!