1、はじめに
2024年に住宅リフォームを検討している方もいらっしゃるかと思います。 一定の要件を満たすリフォーム工事では、補助金や助成金が活用できます。 今回は、2024年も引き続き実施される補助金事業や新設予定の補助金、リフォーム工事が対象となる減税制度についてご紹介します。
2、2024年の補助金・助成金の動向は?
国土交通省では、2024年度も住宅リフォーム向けの補助金・助成金の継続、拡大をする意向を示しました。 2024年度の予算要求は2500億円にのぼります。 主な内訳は、ZEH・ZEBの普及、木材活用、ストックの省エネ化などの体制整備に1225億円、高齢者や子育て世帯を中心に住宅ストックの活用や改修費補助に859億円、既存住宅の流通・リフォーム市場の活性化対策に465億円となります。 リフォーム工事に関する補助金は次の4つです。
① 断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業
従来の「先進的窓リノベ事業」の後継事業として実施されます。 既存住宅の早期省エネ化により、健やかな暮らしの実現やエネルギー費用負担の軽減などを目的としており、既存住宅の断熱窓への改修に対し補助を行います。
■補助額■ 工事費の2分の1相当等(工事内容に応じて定額) ■対象■ 窓(ガラス・サッシ)の断熱改修工事
② 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
エネルギーの自給自足により、災害に強く、ヒートショック対策としても有効である高断熱化の推進などを目的として一定の基準を満たしたリフォーム工事に対し費用の一部を補助するものです。 2024年度も引き続き実施されます。
■補助額■ 工事費の3分の1 ■対象■ 既存住宅の断熱リフォーム工事
③ 子育てエコホーム支援事業
従来の「こどもエコ住まい支援事業」の後続事業として実施されます。 この事業は、物価の高騰による影響を受けやすい子育て世帯、若者夫婦世帯などに対して省エネ投資の下支えをし、2050年のカーボンニュートラルの実現を目的にしています。 リフォーム費用の一部が補助されます。
■補助額■ ・子育て世帯・若者夫婦世帯…上限30万円/戸 ※長期優良リフォームの場合…上限45万円/戸 ・その他の世帯…上限20万円/戸 ※長期優良リフォームの場合…上限30万円/戸 ・子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅の購入を伴う場合…上限60万円/戸 ■対象■ 住宅の省エネ工事、子育て対応改修、空気清浄機能や換気機能付きエアコン設置、バリアフリー改修など
④ 既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業
2024年から新たに実施される事業です。 設置スペースなどの問題からヒートポンプ給湯器などへの導入が難しい集合住宅に向けて、小型省エネ型の給湯器(エコジョーズ等)の導入を促進する目的として、導入費用の一部を補助するものです。
■補助金■ 追い炊き機能なし…5万円/台 追い炊き機能あり…7万円/台 ■対象■ エコジョーズ、エコフィールなど潜熱回収型給湯器の導入 ※本体+工事費の目安は20~35万円程度 ※従来型給湯器からの取り替えに限る
3、2024年の補助金・助成金の申請はいつから?
2024年の補助金・助成金の申請期間や申請方法はどのようにすればよいか、活用される際の注意点も含めてご紹介します。
【申請期間】
■断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業■ 従来の「先進的窓リノベ事業」では、11月上旬~翌年の12月31日までの工事請負契約日を対象としています。 後継となる「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」においても、従来の事業期間が終了次第受付が開始されるものと予想されます。
■子育てエコホーム支援事業■ 従来の「こどもエコ住まい支援事業」では、着工が前年の11月上旬からを対象として、甲府申請が3月下旬頃から受付され、予算の上限に達するまで(遅くとも11月30日まで)というスケジュールでした。 後継事業となる「子育てエコホーム支援事業」においても同様の流れになる可能性があります。
■戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業■ 引き続き事業の期間内であり、申請が可能です。
【補助金・助成金の申請のやり方と必要書類】
補助金・助成金の申請には、「施主(工事依頼者)」が申請できるものと「事業者(工事請負者)」が申請できるものと大きく2つに分けられます。 必要な書類は補助事業により異なりますが、主に工事請負契約書や見積書・設計図書・性能証明などが挙げられます。 施主(工事依頼者)が申請できる場合であっても、書類に準備や起債に不備がないようにするには、工事請負者となる施工会社に依頼する方が安心です。
【補助金・助成金活用の注意点とポイント】
補助金・助成金を活用する際の注意点として、着工前の申請か着工後の申請かを確認することが挙げられます。 事業により異なりますが、着工前の申請が必要になることが多く、工事業者と事前に相談しておくことがポイントです。 また、工事完工後は完了報告も必要となるため、期限内に報告できるようにゆとりを持ったスケジュール管理が必要です。 申請書や設計図など必要な書類が多く、専門知識も必要となるため、不備を避けるためには経験豊富な施工業者に相談しながら進めましょう。
4、2024年に利用できる控除・減税制度
2024年に活用できる控除や減税制度には、どのようなものがあるでしょうか?次の2つを詳しくご説明します。
① 住宅ローン控除(住宅ローン減税)
住宅ローン控除は新築の場合だけではなく、既存住宅のリフォームのみの場合でも受けることができます。 リフォームする建物の性能により借入限度額や控除期間が定められていますので、事前に確認しておきましょう。
■長期優良・ZEH住宅など一定の性能がある住宅(既存住宅の場合)■ 借入限度額:3000万円 控除期間:10年間 ■その他の住宅(既存住宅の場合■ 借入限度額:2000万円 控除期間:10年間
② 固定資産税の軽減
バリアフリー・耐震・省エネ・長期優良住宅リフォームを行った場合に固定資産税の軽減を受けられるものです。 減税期間は工事完了年の翌年度分1年間で、工事完成後3か月以内の申請が必要です。
■工事内容■ ■軽減額■ ・ バリアフリー 固定資産税の3分の1 ・ 耐震リフォーム 固定資産税の2分の1 ・ 省エネ 固定資産税の3分の1 ・ 長期優良住宅 固定資産税の3分の2 ※ バリアフリーは家屋面積100㎡相当分まで、それ以外は家屋面積120㎡相当分まで
5、まとめ
今回は2024年に予定されている住宅リフォームの補助金・助成金制度の種類や補助額、申請方法や注意点、減税制度などについてご紹介しました。 事業名称が変更にはなりますが、大枠では2023年と同様の事業が継続されると言えます。2024年度にリフォームを検討されている方は、ぜひ活用されてみてはいかがでしょうか?
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