1、はじめに
2023年10月から施工される「改正アスベスト法(正式名称:改正大気汚染防止法)」では、外壁工事においてもアスベストの事前調査が規制されます。 今回の改正で変わる主な内容は次の4つです。
① アスベストを含んでいる建材の規制対象が拡大した ② アスベスト事前調査の信頼性を高める ③ 改正アスベスト法の遵守徹底のため、業者だけではなく施主にも罰則が発生する ④ アスベスト除去作業記録の作成と記録保管が義務付けられた
日本だけでなく、世界的にもリスク管理が求められているアスベスト。 今回のアスベスト法改正では「有資格者の事前調査が義務化」されました。 今まで無資格でアスベスト調査を行い、その結果を行政へ報告していた塗装会社のかけこみ講習が相次いでいます。 しかし、大変なのは塗装業者だけではありません。 塗装工事を依頼される施主様、つまりあなたもアスベスト法改正の内容を知っておかないと大変なことになる可能性があります。 今回は、アスベスト法改正に伴い施主様に発生する義務や注意すべきポイントについてご紹介します。
2、2023年10月1日から施工!改正アスベスト法で変わる4つのこと
2023年10月1日から施工される改正アスベスト法。 いったい何が今までと変わるのでしょうか? 大きく変わる内容としては次の4つが挙げられます。 それぞれわかりやすくお伝えします。
① アスベストを含んでいる建材の規制対象が拡大した
アスベストを含んでいる建材(以下アスベスト含有建材と表記)は3つのレベルで区切られています。 粉塵の発生しやすさ=発塵性の程度によって3つのレベルに分かれます。 それぞれのレベル別の建材は以下の通りです。
【レベル1】石綿含有吹付け材 【レベル2】石綿含有断熱材・石綿含有保湿剤・石綿含有耐火被覆材 【レベル3】石綿含有建材(成形板・仕上塗材等)
レベル1と2は一般的な木造戸建住宅ではあまり使われません。 大型施設や公営集合住宅(団地など)で使われることがほとんどです。 2023年10月1日以前では、このレベル1とレベル2に関して調査義務が発生していました。 しかし、アスベスト法改正によって調査報告義務がレベル3にまで上げられたことにより、一般木造戸建住宅、つまりあなたのお家もアスベスト法の規制対象になったのです。
規制対象となる戸建住宅の主な調査箇所としては、以下が挙げられます。
・ 化粧スレート屋根 ・ 窯業系サイディング材 ・ ケイカル材 ・ 石綿含有仕上塗材(旧塗膜)
また、原材料にアスベストを含んでいる塗料が使われている戸建住宅に関しても、調査報告義務が発生します。ほとんどの日本国内の戸建住宅では上記の建材が使われています。
② アスベスト事前調査の信頼性を高める
アスベスト法改正前までは、無資格であってもアスベスト調査をすることは可能でした。 しかし、法改正後からは国で定められた事前調査の資格者のみが調査報告することが義務付けられたのです。 無資格で調査をしても、調査したとは見なされなくなります。 つまり、調査なしで工事したとみなされてしまうため、塗装会社だけではなく施主様にも罰則が適用されてしまうのです。 また、アスベスト事前調査の方法に関しても法改正で定められました。 主な方法は以下の通りです。 以下の方法での調査をすべて有資格者だけが行うことが義務付けられたのです。
・ 書面調査…建設時、リフォーム時の書類チェック ・ 目視調査…工事着手前の目視による現場チェック ・ 分析調査…機器などを使用した目視よりも詳細な分析結果 ・ 澎湖港方法の統一化…一定規模以上都道府県(行政機関)へ電子システムを使った報告が義務化 ・ 調査記録の保管義務…調査から3年間の記録保管義務が発生
③ 改正アスベスト法の遵守徹底のため、業者だけでなく施主にも罰則が発生する
アスベスト法改正で決まったルールを守らない場合、塗装業者だけでなく施主様にも罰則が発生することになりました。 以下の3つを守らない場合、30万円以下の罰金が発生します。 ただでさえ高額になりやすい外壁塗装工事や屋根工事で、さらに罰金が課せられてしまうことになるのです。
・ 報告義務対象物件の事前調査結果を報告しない ・ 虚偽の報告(記録の捏造など) ・ 事前報告調査結果報告の義務違反
④ アスベスト除去作業記録の作成と記録保管が義務付けられた
アスベスト事前調査の報告義務・記録の保管義務に加えて、作業記録の作成と記録も義務付けられました。 レベル3に該当する建材を削ったり除去したりする作業に関しては、全て写真などで記録をとることになります。 塗装業者の場合、古い塗料を撤去したり塗料の密着度を高める目的で「ケレン作業=下地調整作業」を行います。 今の塗装業界は、ケレン作業ありきで工事をしていると言っても過言ではないでしょう。 ケレン作業はスクレーパーやサンドペーパー、電動グラインドなどを使って古い塗膜を削りとって塗装しやすくための作業です。 つまり、アスベスト含有建材のケレン作業が発生する塗料現場では、必ず作業記録の作成と保管が義務付けられるということになるのです。
3、アスベスト法改正で施主様が注意すべき3つのポイント
先述の通り、アスベスト法改正で決まったルールを守らない場合、塗装業者だけでなく施主様にも罰則が発生することになりました。
・ 報告義務対象物件の事前調査結果を報告しない ・ 虚偽の報告(記録の捏造など) ・ 事前報告調査結果報告の義務違反
上記を守らない場合は30万円以下の罰金が課せられます。 上記以外にも施主様に発生する「義務」が2つあります。
・ 事前調査が円滑にできるよう配慮をする義務 ・ 塗装業者へ事前調査結果報告書を求める義務
上記の内容をしっかりと理解しておくためにも、次の3つのポイントに注意しておきましょう。
① 調査に必要な情報はすべて提供しよう
アスベストの事前調査は塗装業者だけでなく、施主様も協力する必要があります。 お家を建てる前に大工さんや施工会社からもらう設計図や見積書といった提出できる書類は、できる限りすべて提出しましょう。 設計図や見積書はアスベストを使用しているかどうかをチェックするのに最適な書類です。 スピーディーかつ確実にアスベスト調査を行うためにも、事前に調査に必要な書類は準備しておきましょう。
② 事前調査結果報告書の提出を塗装業者に求めるのを忘れずに!
塗装業者はアスベストに事前調査結果を施主様に提出した上で説明する義務があります。 もし業者側が忘れていて調査結果を知らないとなると、法律違反と見なされてしまう可能性があります。 「いつ説明してくれるのか?」と言うことも含めて、依頼する塗装業者に説明を求めましょう。 もし求めても説明してくれない場合は、無資格もしくは意図的に説明していない可能性があります。 無資格や説明なしは明確な法律違反になってしまい、施主様にも罰則が適用されてしまうため、必ず説明を求めましょう。
③ アスベスト事前調査ができる塗装業者を選ぼう!
調査可能な塗装業者を選ぶことが何より重要です。 いくら調査結果報告書をもらったとしても、資格がなければ調査結果報告書はただの紙切れでしかありません。法的な影響力は一切ないため、調査をしていない=法律違反と見なされてしまいます。 必ず依頼を検討している塗装会社がアスベスト調査に必要な資格を取得しているか確認しましょう。 もし、資格を取得していない業者の場合は、他の有資格塗装業者に依頼しましょう。
4、まとめ
KARBECEはアスベスト法改正に伴い、営業担当者・現場管理者が資格取得講習を受講しました。 塗装工事をはじめ、修繕工事おいてもアスベストの事前調査は必須になります。 お客様に安心して依頼していただけるよう、アスベスト調査に必要な資格はすべて取得しております。 前回の塗装から20年近く経過している場合は、アスベストが建材や塗料に含まれている可能性が高いため調査が必要不可欠になります。 「私の家にはアスベストが含まれているの?」「アスベスト塗料ってどんな塗料なの?」 アスベスト法は建築関連だけではなく、健康関連、労働関連など複雑に法律が入り組んでいるルールです。 いまいちわかりにくい場合は、アスベスト調査の有資格者がいるKARBECEにお気軽にご相談ください!
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