1、はじめに
「防水塗装とはどのようなものか詳しく知りたい」「防水塗装の方法やかかる費用相場が知りたい」住宅の雨漏りを予防するために行う防水塗装について、このようにお悩みの方も多いことでしょう。防水塗装は、住宅を劣化から守るための大切な工事です。防水塗装の基礎知識を持っておくことで、工事の失敗を防ぎ住宅を雨漏りによる劣化から守れるでしょう。
2、防水塗装とは
防水塗装とは、ベランダや屋根の防水機能を高めるための塗装です。 防水性の高い塗料を使い、厚い層になるように塗装していきます。
・防水塗装が必要な理由
防水塗装が必要な理由は、雨漏りから住宅劣化を守るためです。 特にベランダや屋根は住宅の中でも一番雨風にさらされ、雨漏りが起こりやすい場所です。 そのため、防水塗装を行って雨漏りによる住宅の腐食やカビの発生を防がなければなりません。
・防水塗装での注意点
防水塗装では防水機能を高めるためにムラがないよう均一に塗装したり、塗料の量に注意したりしなければなりません。
また、ベランダや屋根に破損箇所があれば、補修をしてから塗装するなど専門技術も必要となります。
防水塗装を失敗すると住宅劣化を速める可能性があるため、DIYではなく専門業者に依頼することをおすすめします。
3、防水塗装をするタイミング
防水塗装をするタイミングは、以下の3つのようなときです。
1、劣化症状が出たら
2、前回の塗装から10年経過
3、水がたまりやすくなったら
それぞれの状況について、具体的に解説していきます。
1、劣化症状が出たら
ベランダや屋根に以下の2つのような劣化症状が出たら、防水塗装をしましょう。
・ひび割れ
・剥がれ
それぞれの症状について、詳しく解説していきます。
・ひび割れ
雨風や紫外線の影響で劣化し、塗装した部分がひび割れを起こすことがあります。
ひび割れを起こしたところから雨漏りし、住宅内部を腐食させたりカビが生えたりします。
住宅劣化を防ぐためにも、ひび割れした箇所を補修し、防水塗装を行うことが必要です。
・剥がれ
塗装の剥がれも、紫外線や経年劣化によって起こります。
剥がれが生じると、防水機能が低下しているという印なので早めに防水塗装を行い補修しましょう。
2、前回の塗装から10年経過
塗料の耐用年数はおよそ10年なので、前回の塗装から10年前後経過していれば防水塗装を行うタイミングです。
ただし、10年経過していなくても劣化症状が出ていれば早めに塗装し直すようにしてください。
3、水がたまりやすくなったら
ベランダに水がたまりやすくなる原因には、防水層の下のモルタルなどで問題が起きているケースがあります。
防水層の下の下地に問題があると、防水機能が低下してしまうため、防水塗装をすべて剥がしてモルタルでデコボコをなくすなどの補修が必要です。
4、防水塗装の構造と塗装手順
防水塗装の構造とは、以下の2つから作られています。
・防水層
・トップコート
それぞれの構造の役割と、塗装手順を詳しく解説していきます。
・防水層
防水層とは、処理を行った下地の上に作られる厚みのある塗料のことです。
雨水の浸入を防ぐ役割があるため、複数回に分けて塗装し防水性を高めます。
また、防水層は紫外線に弱いため、塗装後は上からトップコートで保護する必要があります。
・トップコート
トップコートは防水層を保護するために必要な表面塗装です。
トップコートは一般的に2回塗装します。
トップコートをしていない防水層は、紫外線などの刺激を受けやすいです。
そのため、住宅劣化を防ぐためにも防水層の上には必ずトップコートが必要となります。
5、防水塗装で使う塗料
防水塗装で使う塗料には、以下の2種類があります。
・ウレタン防水
・FRP防水
それぞれの塗料について、どのような性質を持っているか、またメリットやデメリットなどを解説していきます。
・ウレタン防水
ウレタン防水では、下地に液状のウレタン樹脂を塗装して硬化させ、弾力性のある防水層を作ります。
ウレタン防水は伸縮性と粘性があり、液状のためどのような形状の下地にも塗装できるという特徴があります。
ベランダやバルコニーのほか、屋上での防水塗装にも使えて万能性が高いです。
しかし、乾燥に時間がかかるため工事期間が長めとなります。
また、ウレタン防水は手作業で塗装するため、ムラなく均一に仕上げることが難しいというデメリットがあります。
ウレタン防水は技術力の高い業者に依頼するようにしましょう。
【メリット】 ・ベランダだけでなく屋上の防水塗装にも使える
【デメリット】 ・工期がかかる ・職人によって仕上がりが異なる
・FRP防水
FRPとは、繊維強化プラスチックのことです。
繊維強化プラスチックとは、ガラス繊維などを組み合わせた強化プラスチックのことです。
このFRP樹脂と補強材のガラスマットを組み合わせて防水層を作ることを、FRP防水といいます。
FRP防水は耐水性や耐熱性、耐久性が高く、軽量なので住宅への負担も少ないというメリットがあります。
また、摩擦にも強いため日頃から洗濯を干すために利用されるベランダやバルコニーの使用に最適の塗料です。
しかし、FRP防水はプラスチック材のため紫外線に弱いです。
紫外線が一番当たる屋上で使うことはなく、ベランダやバルコニーの防水塗装に使われます。
さらに、伸縮性が低いためベランダやバルコニーでも広範囲の塗装には向いていません。
【メリット】
・耐久性が高い
【デメリット】
・紫外線に弱い
・伸縮性が低い
6、防水塗装を安く抑えるための方法
防水塗装を安く抑えるためには、以下の2つの方法があります。
1、優良業者に依頼する
2、外壁補修などと一緒に行う
それぞれの方法について、具体的にどのようにすべきか解説していきます。
・優良業者に依頼する
防水塗装をする際には、優良業者に依頼し工事してもらうことで耐久性が高くなり、劣化を遅らせることができて将来的なコストダウンにつながります。
そのためには、悪徳業者に引っかからないようにしなければいけません。
優良業者を選ぶためのポイントは、以下の3つです。
・相見積もりする
・営業担当者が親切に対応してくれる
・信頼できる資格を持っている
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
・相見積もりをする
業者に依頼する際は、相見積もりして複数社を比較し、優良業者を選びましょう。
相見積もりとは、同じ依頼内容で見積もりを依頼することです。
相見積もりすることで費用の相場を知れますし、作業工程の確認もできます。
悪徳業者による詐欺や手抜き工事を避けられるため、相見積もりは少なくとも3社に依頼するようにしましょう。
・営業担当者が親切に対応してくれる
工事の相談をする際、営業担当者が親切に対応してくれる会社は優良業者です。
営業担当者が親切で丁寧に対応してくれる場合、その会社は社員教育を徹底していると言えます。
そのため、同じ会社で働く職人も質が高く安心して工事を任せられます。
・信頼できる資格を持っている
塗装業者は、免許などがなくても開業できるため、資格を持っているということは技術的にも会社的にも信頼できると言えます。
塗装業者が持っていると信頼できる資格には、以下のようなものがあります。
・塗装技能士
・外壁診断士
・雨漏り診断士
・足場の組立て等作業主任者
塗装技能士とは、国家資格の一つで塗装に関する知識や技術が高いと認められる資格です。
1~3級まであります。
最も高い級の1級では受験資格に実務経験が7年も必要なので、塗装技能士の資格を持つ業者は技術力が高く安心して依頼できると言えます。
外壁診断士とは、外壁の性能や補修に関する専門的な知識を持っていると認められた資格です。
外壁補修の際などに適切な診断と公正なアドバイスが受けられるため、安心して相談できます。
雨漏り診断士とは、雨漏りの原因を特定し、適切な補修方法を提案するための知識を持つ診断士となるための資格です。
足場の組立て等作業主任者とは、足場の組立てや解体の際に安全に作業が行えるよう指導をするための資格です。
国家資格の一つで、足場の組立て等作業主任者講習を修了する必要があります。
2、外壁補修などと一緒に行う
防水塗装を行う場合、工事費用には足場の設置や人件費などがかかるため、外壁補修などと一緒に行うことでトータル的に費用が安く抑えられます。
外壁の塗装直しの時期や破損を補修する際、一緒にベランダや屋根の防水塗装も相談してみましょう。
業者によっては、工事を一括で依頼すると工事費が割引となるサービスを行っている場合もあるので、ぜひ確認してみてください。
7、まとめ
防水塗装は、住宅を雨漏りによる劣化から守るためにも大切な工事です。
防水塗装の構造を知り、劣化症状が見られないかを定期的にチェックしてください。
また、防水塗装は優良業者に依頼し丁寧な工事を行うことで、耐久性が上がり塗装直しなどの費用を抑えられます。
さらに、外壁補修などと一緒に工事を行うことでトータル的にかかる費用も抑えられるため、依頼の際は業者に相談してみましょう。