1、はじめに
近年多発する自然災害。 毎年日本各地で発生する大雨や台風によって、住宅は甚大な被害にさらされています。 富山県でも、近年雪災や大雨被害など様々な被害が報告されています。 時代と環境に合わせた家づくりが求められる中、屋根材も建物を守る重要な部分なので、長く安心して生活するためには耐久性の高い屋根材が求められます。 そこで今回は、耐久性を中心に考えたおすすめの屋根材をご紹介します。
2、水に強い屋根材3選
どの屋根材も水に強く作られていますが、台風の横雨や近年多発する想定外の集中豪雨による雨量は100%は防ぎきれない場合があります。 ただ屋根材で少し防ぎきれなくても、それぞれの屋根材の下にはルーフィング(防水シート)があるため問題ありません。 ここではあくまで水が入り込みにくい、染みにくいという観点から選んだ3選をご紹介します。
① ハイブリット瓦
ハイブリット瓦は、瓦の形状や質感はそのままに、軽量化に成功した新しい屋根材です。 素材に樹脂繊維を混ぜることで、独特の粘りが出て割れにくい屋根材として注目を浴びています。 ジョイント部分の精度が高いので、風の侵入を防ぎ、台風時でも大雨から建物を守ってくれるという特徴もあります。 ハイブリット瓦の軽量化の秘密は、樹脂内に含まれている無数の気泡です。 この気泡は樹脂膜で保護されているので、雨による劣化にも強いです。 ハイブリット瓦は、台風や雨の多い地域でも安心して長期使用できる屋根材です。
② 自然石粒仕上げ金属屋根材
自然石粒仕上げ金属屋根材は、アルミ、亜鉛、シリコン製の屋根材の表面に自然石を付着させた屋根材です。 主な特徴としては、表面の自然石が雨音を吸収してくれる点です。 屋根の表面に自然石の細かい凹凸が付いているので、雨が当たる面積が小さくなり、防音性に優れています。 室内に雨音が響かないので、夜寝る際も快適に眠れるでしょう。 大雨の際に騒音が気になっている方には、自然石粒仕上げ金属材がおすすめです。 耐用年数が30~50年と長期に渡って使用できる耐久性も、自然石粒仕上げ金属屋根材の魅力です。
③ SGL鋼板屋根材
SGL鋼板屋根材は、従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えた金属製の屋根材です。 既存のガルバリウム鋼板は金属製なので、錆びやすいという欠点がありました。 しかしSGL鋼板屋根材は、素材にマグネシウムを加えることで錆びにくい屋根材へと進化しています。 塩害にも強くなり、海岸に近い住宅の屋根材としても使用されるようになってきました。 SGL鋼板屋根材は、錆びに悩んでいる方におすすめの屋根材です。
3、地震に強い屋根材2選
日本は地震大国なので、屋根の地震被害が怖いと心配な方も少なくないはずです。 そのような方には、地震に強い以下の屋根材がおすすめです。 「地震に備え強い屋根にしたい」という方は、ぜひご検討ください。
① SGL鋼板屋根材
先程水に強い屋根材としてもご紹介しましたが、SGL鋼板屋根材は通常の瓦と比べて軽く、耐震性に優れている屋根材でもあります。 SGL鋼板屋根材の厚みは、0.35㎜とかなり薄いので、屋根全体に使用することで重量を大幅に軽減することができます。 屋根が軽くなることで地震の際に建物の揺れを抑えられ、ダメージを軽減してくれるのでおすすめです。 現在では、断熱材一体型のSGL鋼板屋根材も登場しており、断熱効果もアップしています。
② ガルバニウム
ガルバニウムは金属の屋根材です。 その厚みは1㎜~3㎜とかなり薄い仕上がりになっていて、軽さと耐久性を両立させています。 施工の際は金属同士を噛み合わせるので、耐震だけでなく耐風にも優れています。 地震で瓦がズレてしまった経験をお持ちの方でも、ガルバニウムならズレの心配がありません。 ガルバニウムは既存の屋根材の上からのカバー工法も可能なので、リフォーム時の屋根材としても人気です。
4、耐久性が高い屋根材3選
屋根材には耐水性や耐震性が重要ですが、耐久性も重要なポイントの1つです。 ここでは耐久性が高い屋根材をご紹介します。 耐久性はメンテナンスに関わる項目なので、以下の屋根材の特徴をぜひご参考になさってください。。
① 日本瓦(洋瓦)
日本瓦は、瓦の表面に釉薬を塗ってから焼き上げた瓦です。 J型・F型・S型と形状が異なる製品から好みのデザインが選べるので、和風の住宅から洋風の住宅まで建物の種類を選ばずに使用可能です。 瓦の表面に塗布した釉薬がコーティング剤の役割を果たしてくれるので、瓦に雨が浸み込まずに長時間使用できます。 現在の日本瓦は耐久性が非常に高く、50年以上使用できるため人気の屋根材です。 美しい外観を保ちたい方には、日本瓦がおすすめです。
② 素焼き瓦
素焼き瓦は、粘土をそのまま焼き上げた瓦です。 その優しい色合いと高い耐久性が特徴で、日本のみならずヨーロッパでもよく使用されている瓦です。 日本では、主に洋風の住宅に多く使用されています。 素焼き瓦の耐用年数は30~50年と、耐久性が高い瓦として有名です。 また吸収性にも優れているので、湿気を吸収してくれる働きもあります。 素焼き瓦は、明るくて優しい色合いの瓦をお探しの方におすすめの瓦です。
③ いぶし瓦
いぶし瓦は、高温で焼き上げた後に蒸し焼きにして作る瓦です。 ストレート屋根や金属製の屋根材と比べると耐久性が高く、織田信長が築いた安土城にも使用されたことでも有名な瓦です。 兵庫県淡路島の淡路瓦が3大ブランドと呼ばれていることから、いぶし瓦は主に関西地方を中心に全国的に使用されています。 和風なデザインの瓦なので、社寺・仏閣や和風の住宅との相性が良く、独特の重厚感が特長です。
5、まとめ
今回は耐久性が高い屋根材をご紹介しましたが、最近の屋根材はどれも非常に優れています。 デザイン・費用・将来的なメンテナンス費用・ライフサイクルなど、屋根材を選ぶ理由は様々です。 それぞれの屋根材に特徴があるので、お住まいの地域の気候や周辺環境に合わせて検討されるとよいでしょう。