1、フッ素塗料とは
フッ素と聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょうか? フライパンのフッ素コーティングなど”フッ素”と名がつくものは様々あります。その中でフッ素塗料とは塗料の主成分の合成樹脂がフッ素系の塗料です。 シリコン塗料やウレタン塗料と比べ、耐久性に優れているのが特徴ですが、施工価格が高額なのが外壁塗装で普及しない理由の一つです。 しかし、その耐久性や性能は他の塗料と比べても抜群に良いので、マイホームを大切にしたい施主には人気があります。 特に、年中雨や風にさらされている屋根塗装では最高のパフォーマンスを発揮してくれる高性能塗料です。
2、フッ素塗料の特徴
【特徴1】耐熱、耐寒性 温度が上がったり、下がったりすると、塗料が耐えられなくなり性能が下がっていきます。 外壁は常に外気に触れているので、太陽の熱や雪の寒さなどに耐えられる力が必要です。 フッ素は、最高260℃、最低-100℃と幅広い状況で使用可能とされています。
【特徴2】耐候性 フッ素塗料は、外壁との密着性が高く寿命の長い塗膜により剥がれにくく傷に強い特徴があります。 紫外線に強いので、屋外でも長い耐久性を発揮します。 耐用年数が15年~20年と塗料の中では抜群に長いのが特徴です。
【特徴3】非粘着性 汚れやごみが付着しにくく、付着しても雨水などで簡単にはがすことができます。 フッ素加工されているフライパンを想像するとわかりやすいでしょう。
【特徴4】 フッ素の持つ滑り性の特徴から、塗膜の表面が砂などの硬い物でこすられても影響が少ないとされています。
3、フッ素塗料のメリット
【メリット1】高耐久・防汚性に強い
フッ素塗料の最大の特徴は高耐久であることです。 高耐久で耐用年数が長期的な為に、シリコン塗料やウレタン塗料に比べて外壁塗装の機会が少ないのが特徴です。 そのために、長期的に捉えるとメンテナンス費用を節約することができます.
【メリット2】塗装直後の光沢が持続する
フッ素塗料は、ツヤがある塗料です。より耐久性が高まりますし、綺麗な光沢で美観が長続きします。
【メリット3】将来リフォーム回数が減る
一般的な塗料は10年ほどの寿命ですので、20年間の間に2回、30年間の間に3回塗り替えを行うのであれば、断然高寿命なフッ素塗料の方がお得という計算になります。 塗装費用は高価ではありますが、耐用年数が物凄く長いので長い目で考えると物凄くお得です。 何度も外壁塗装工事を行うと、その際にかかる仮設工事の回数も増えます。 仮設工事削減や環境等を考えると、今の時代にとても非常に適した外壁塗料です。 生涯リフォーム回数を減らす事が出来るのは物凄いお得となり、気を使ったりする事も減るので建主さんにとって最大の楽となります。
4、フッ素塗料のデメリット
【デメリット1】費用が高い
まだまだ需要と供給が少ないので、費用が安価にならないデメリットがあります。 業者にもよりますが、シリコン塗料で㎡当たり1,800円程、フッ素塗料が㎡当たり3,000円程という大きな差があります。 約1.6倍もの差がありますが、費用の高さには劣らない素晴らしいメリットで充分にカバーできると言えます。初期費用を捻出出来る費用が限られている場合は、採用は難しいと言えます。
【デメリット2】認知度が低い
費用が高くあまり使われる頻度が少ない塗料ですので、巷での認知度は残念ながら低い傾向があります。 とても良い塗料なのでもっと知られていても良いのですが、一般的に考えると手が出しにくい単価の塗料です。
【デメリット3】フッ素塗料に建物への延命効果はない
フッ素塗料の素晴らしい効果を勘違いし、フッ素塗料を塗布すれば建物の寿命が長くなると勘違いしている方もいるようです。 あくまで高度な機能性塗料という事であり、今にも壊れそうな建物にフッ素塗料を塗布しても建物の寿命を長くする事には繋がりません。
【デメリット4】ツヤありしかない
フッ素塗料は、ツヤあり塗料しかありません。 「マットなツヤなし」が好みの方には、フッ素塗料は不向きです。少なくても3分ツヤ以上ですので、ツヤの妥協が出来ないのであればオススメ出来ません。 フッ素塗料にツヤがある理由は親水性に大きく関わっているので、ツヤなしでは効果を発揮しません。 かなりピカピカな塗装になりますので、まずはサンプルで光沢の状態を確認する事をオススメします。
5、フッ素塗料の施工は業者の知識がカギ
これはどの塗料にも言えることなのかもしれませんが、フッ素塗料は使用方法を守って塗装しないと性能が発揮されません。 下処理をしっかりしないと、密着性が薄れてすぐに剝がれてしまうでしょう。 せっかく高品質の塗料、ワンランク上の仕上がりを求めていたのに、これじゃどうしようもありません。 高額な塗料だけにやり直すにも大変です。そこで業者選びがとても重要になるのですが、まだまだ一般的で無い事からフッ素塗料での実績が豊富な業者が数多くないというのが現状です。 よく実績もわからないような業者は絶対に選んではいけません。必ず評判の良い業者を選ぶようにしてください。 またフッ素塗料によって建物自体の耐用年数を延ばす事は不可能です。
6、フッ素塗料の魅力
現在普及塗料として使われているシリコン塗料も、一昔前までは高額な塗料と言われていました。 30年ほど前はアクリル塗料が主流であり、シリコン塗料は高価な塗料という認識で採用される事が少ない傾向がありました。 しかし、アクリル塗料は雨水に含まれる酸に弱く、すぐに剥がれてしまい色褪せた外壁が目立っていました。 アクリル塗装では外壁塗装としての役目を充分に果たせないという事から、採用されるようになったのがシリコン塗料です。 そんなシリコン塗料も、今は普及品の塗料として使われるようになりました。 フッ素塗料の大きなメリットが広く認知されるようになったら、需要がどんどん増えていく事は間違いありません。 初期費用は高価ですが、絶対に期待を裏切らない塗料です。 外壁塗装は面積が広いので工事費用をお安く抑える事は基本ではありますが、メンテナンスや寿命の事を考慮して1番適した塗料を選定するようにしましょう。 費用対効果が高い1番の外壁塗料が、フッ素塗料です。
7、まとめ
フッ素塗料がいかに優れているかはご理解いただけたかと思います。しかし、やはり高額のため、実際に使用している方が少ないため、口コミや評判をなかなか聞く事ができません。 今は、「フッ素塗料というものがあるんだ・・・」くらいの認識で、価格が下がってきたら使用を検討するのも良いと思います。 家の手入れ計画を長期間で考えて、初期費用がかかったとしてもトータルで安く済むならフッ素塗料を使おうと決めた場合は、必ず業者選びは慎重に行ってください。 過去の実績やどれだけの知識があるなど、複数の業者から話を聞いて優良店を見つけましょう。