耐震補強工事で外壁のリフォームを行うと、他の補強工事に比べてどのようなメリットが得られるのでしょうか? 外壁の耐震補強工事を行うメリットを3つご紹介します。
① 建物全体に対する耐震性の強化
まず、外壁の耐震補強工事の最大のメリットは、建物全体に対する耐震性の強化が大きいことが挙げられます。柱の交換をするリフォームでは、建物をジャッキアップして柱を入れ替える工事を行いますが、1本1本既存の柱を撤去して新しい柱に入れ替える工事となるため工期も費用も大きくなりますし、内装も交換が必要です。 耐力壁を用いた内壁の耐震補強リフォームについては、住みながら手軽にリフォームを行うことができますが、柱や外壁、基礎をリフォームした場合に比べて耐震性の向上は小さいものとなります。 基礎のリフォームの場合は、施工方法によっては建物全体を補強してから油圧ジャッキなどで建物全体を持ち上げ基礎を作り直す形となるため、費用も工期も大掛かりなものとなり、住人への負担も多大です。 外壁リフォームによる耐震補強工事なら、住み続けたままお家全体を覆うように補強を施すことができるため、住人への負担を抑えつつ抜本的な耐震性の強化を行うことができます。
② コストパフォーマンスが良い
費用についても、内装リフォームや耐震金具の追加に比べるとやや高くなりますが、基礎工事や全体的な柱の入れ替えに比べれば相場は比較的安価です。
③ 外壁落下による被害を抑えることができる
地震の際には揺れによる外壁材の落下という問題も起こりますが、外壁に耐震リフォームを施していれば、外壁落下による周囲への被害も抑えることができるでしょう。
先述の通り、地震に対する建物の強度を大きく高めることができる外壁の耐震補強リフォームですが、場合によっては十分な効果を得ることができない場合もあります。 建物の耐震性は柱や外壁などの建造物部分の強度も重要ですが、建物と基礎が接続されておらず、乗せただけの構造となっているものなどがあります。 このような場合、いくら建物を強化したとしても足元が不安定になってしまいますので、地震発生時には基礎と建物がずれてしまい十分な耐震性を発揮することができません。 こういった基礎が用いられていた場合には、外壁補強と同時に基礎部分のリフォームが必要となります。