1、はじめに
固定資産税は固定資産や償却資産を所有していると課税される税金で、課税対象の資産価値によって税額が変わります。 住宅のリフォーム工事を行った場合、固定資産税にどのような影響を与えるのでしょうか? 今回は、住宅リフォームが固定資産税に影響する理由や、固定資産税が増えてしまうリフォーム工事の内容などをご紹介します。
2、リフォームすると固定資産税に影響する?
住宅をリフォームしたいと考えた時に、住宅に対する固定資産税が上がらないか不安に感じる方も多いでしょう。 固定資産税は、場合によっては家計の負担になるほどの金額になってしまうこともあるからです。 しかし、基本的に住宅リフォームをしても固定資産税が変わることはありません。 その理由は以下の通りです。
① その住宅で暮らすために必要なリフォームである
住宅は、年月が経ち暮らしていることで劣化していきます。 その劣化部分を「リフォームで問題ない状態まで回復させるリフォームは仕方のないこと」だと判断されることが多いです。 例えば、空き家を購入してリフォームしたとします。 しかし、空き家の外観や屋根、水回りなどの状態がひどく、リフォームしなければ住めない状態です。 こうしたリフォームは、生活する上で必要なリフォームだと判断され、固定資産税に影響はありません。
② 建築確認申請が必要ない規模のリフォーム
住宅の建て替えや大規模なリフォームの際に提出する「建築確認申請」が必要のないリフォームの場合には、3年ごとに行われる固定資産税評価額の見直し時にリフォームしたかしていないかなどの見分けはつきません。 そのため、現在の住宅をリフォームしたところで固定資産税に影響することはないと言えるでしょう。
③ リフォームがいつ行われたかによって固定資産税に影響する
先述の通り、空き家や中古物件を購入して建築確認申請が必要ないリフォームを行う場合には固定資産税に影響はありません。 しかし、物件を購入する前にリフォームが行われていた場合、つまりリフォーム済み物件を購入した場合にはすでに固定資産税が高くなっていることがあります。 このように、リフォームのタイミングや状況によって固定資産税に影響があるか否かが左右されるため、きちんとプロに相談してリフォームを進めましょう。
3、固定資産税が上がるリフォーム工事
次に、具体的にどういうケースだと上がってしまうのかについてご説明していきます。 先述の通り、住宅のリフォームは「建設確認申請」を提出したかどうかで判断されています。 この建築確認申請が必要なリフォームは、次の3つです。
① 住宅の主要構造部をリフォームする場合
住宅の主要構造部とは、柱や壁、床、屋根、梁階段のことです。 これらの主要構造部をリフォームするには、スケルトンリフォームと呼ばれる工事を行います。 スケルトンリフォームは、住宅を一度骨組みだけにして全体的に改修を行うリフォームです。 主要構造部に手を加えるということは、住宅の見た目のみならず機能性や耐久性などが向上することになるため、必然的に建物の価値が上がり固定資産税もグッと高くなる可能性があります。
② 床面積が増える増築リフォーム
住宅の総合的な床面積が変わる場合には、建設確認申請が必要です。 例えば、「1階建ての住宅に2階を増築する」「新しい部屋やサンルームを増築する」ことが当てはまります。このような増築リフォームをする場合には必ず建築確認申請が必要となるため、確実にリフォームしたということが判明し、固定資産税は上がることになるでしょう。
③ 住居から店舗や事務所に変更するためのリフォームを行う場合
現在住んでいる住宅を、住居という目的から店舗や事務所に変更するためにリフォームを行う場合にも建築確認申請が必要です。 この場合にも、確実にリフォームしたことがわかりますので固定資産税が上がることになります。
4.固定資産税が下がるリフォーム工事
「建築確認申請がいらないリフォームは固定資産税が上がらない」とご説明してきましたが、ここからは固定資産税を「減税で下げる」リフォーム内容を具体的にご紹介します。 それぞれに細かい要件がありますので、事前に調べておきましょう。
① 耐震リフォーム 【要件】 ・ 昭和57年1月1日以前に建てられた建物であること(中古住宅・中古マンション・中古アパートなども含む) ・ 新耐震基準に適合する工事であること ・ 耐震リフォームの工事費用が50万円を超えていること 【期間】 1年間(ただし、自治体が指定する道路沿いの住宅の場合は2年間) 【減額】 翌年分の固定資産税の2分の1(ただし、120㎡までに限る)
② 省エネリフォーム 【要件】 ・ 賃貸でないこと(中古マンションやアパートなどの共同住宅は含まない) ・ 平成20年1月1日以前に建てられた建物であること ・ リフォーム後の床面積が50㎡以上であること ・ 省エネ改修工事の要件を満たしていること ・ 省エネリフォームの工事費用が50万円を超えていること(補助金等は含まない) 【期間】 1年間 【減額】 翌年分の固定資産税の3分の1(ただし、120㎡までに限る)
③ バリアフリーリフォーム 【要件】 ・ 賃貸でないこと(中古マンションやアパートなどの共同住宅は含まない) ・ 65歳以上の方、要介護または要支援の認定を受けている方、障害がある方のいずれかの方が居住していること ・ 築年数が10年以上経過していること ・ リフォーム後の床面積が50㎡以上であること ・ 一定のバリアフリーリフォームが次のいずれかに該当すること 道路などの幅を広げる 階段の勾配を緩やかにする 浴室やトイレ、出入口などの改良 手すりを取り付ける 階段をなくす 滑りにくい床材に変える 【期間】 1年間 【減額】 翌年分の固定資産税の3分の1(ただし、100㎡までに限る)
5、まとめ
今回は、住宅をリフォームした場合の固定資産税について詳しくご説明しました。 基本的に、建設確認申請をする必要がないリフォームだった場合は、固定資産税に影響はありません。 しかし、建設確認申請をしなければいけない範囲のリフォームを行う場合には、固定資産税が上がってしまうことを留意しておく必要があるでしょう。 また、リフォーム済み住宅を購入する場合には、もともと固定資産税が高くなっていることがありますので確認しておきましょう。
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