1、はじめに
お家の外壁メンテナンスは、手間も費用もかかる面倒なもの… 「なるべくならメンテナンスする必要がないサイディングを選んで、その後の手間をなくしたい!」と誰もがお考えになると思います。 また、最近は「このサイディング材はメンテナンスフリーです」と言ってリフォームを勧める業者もいるようです。 しかし、残念ながら完全にメンテナンスフリーのサイディング材は存在しません。 メンテナンスの手間を最小限にするには、なるべく耐用年数が長いサイディング製品を見つけてお家に使用するしかないのです。 今回は、メンテナンスが1番不要なサイディング材やサイディングを劣化させずに長く安心して住む方法についてご紹介します。
2、1番メンテナンス回数が少ない外壁材は何?
常に雨風や太陽の熱や紫外線、時には物理的な衝撃を受けているサイディングが、いつまでも傷まないはずがありません。 残念ながら、サイディングにメンテナンスフリーのものはありません。 ただし、サイディングの選び方でメンテナンス頻度をぐっと下げることは可能です。 外壁のメンテナンス回数を決める「耐久性の高さ」「汚れにくさ」「傷つきにくさ」の観点でサイディングを選ぶなら、金属系サイディングがもっともおすすめです。 主要なサイディング4種類の性能を上記の項目で比較すると、以下のようになります。
【サイディングの種類とメンテナンス頻度に関わる性能の比較】
〈サイディングの種類〉〈耐久性〉〈汚れにくさ〉〈傷つきにくさ〉〈材工価格〉 金属系サイディング ◎ ◎ 〇 普通 樹脂系サイディング ◎ 〇 〇 高い 窯業系サイディング 〇 ◎ 〇 安い 木質系サイディング 〇 △ 〇 やや高い
金属系サイディングは耐水性・耐久性に優れており、表面も汚れにくいためメンテナンスがいらない状態を長く保てるサイディング材です。 よりメンテナンスの少なさを追求するならば、金属系サイディングの中でも耐久性がよい厚手の製品を選ぶとよいでしょう。
3、メンテナンスフリーに近いサイディング4選
サイディング素材には主に窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4つの種類があり、耐震性や耐火性、防音性や断熱性などそれぞれが優れた特徴を持ちます。 一般的な一戸建て住宅でサイディングの張り替えを行う場合の費用相場は、約170~250万円です。 既存の外壁の状況により張り替えや重ね張りなど工法が変わってくるため、価格の変動にも影響があります。 使用するサイディングの種類によっても、費用は異なります。 次にメンテナンスフリーに近い4つのサイディング素材のそれぞれの特徴についてご紹介します。
① 窯業系サイディング
窯業系サイディングは、耐震性や耐火性に優れているのが特徴です。 全体の費用相場は、重ね張りの場合約130~220万円で、張り替えの場合は約150~230万円です。 家の外壁として広く使用されているのが、この窯業系サイディングです。 タイル調やレンガ調などといったデザインの再現性も高く、バリエーション豊富に用意されているのも人気のポイントです。
② 金属系サイディング
金属系サイディングは金属板で作られており、その性質から断熱性や強度が高いのが特徴です。 全体の費用相場は、重ね張りの場合は約120~255万円で、張り替えの場合は約140~270万円です。 耐用年数も約30~40年と長く、他のサイディングと比べひび割れや欠けといった破損が少ないことから、メンテナンス周期が長いのも良い点です。 金属ならではのシンプルでモダンなデザインが多く、スタイリッシュな印象を与えてくれます。
③ 樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは潮風の影響を受けにくい耐塩害性と、積雪による劣化に強い耐凍害性に優れているのが特徴です。 樹脂系サイディングは非常に軽量のため、主に重ね張りに使用されることが多く、全体の費用相場は約150~300万円です。 サビや腐食の心配もほとんどないため、海に囲まれ、四季による気候の変化が大きい日本に適した外壁材と言えるでしょう。 また、塗装ではなくサイディング素材そのものに顔料が練り込まれているため、色落ちなどの変色が起きないのも良い点です。
④ 木質系サイディング
木質系サイディングは、木材がもつ性質から熱を吸収しにくいため断熱性が高いことが特徴です。 夏は涼しく冬は暖かいといったように、節電など省エネ効果が期待できるでしょう。 木質系サイディングの場合、素材自体の重量が大きく、重ね張り工法では建物に負担がかかることから、主に張り替え工法になります。 全体の費用相場は約170~240万円です。 何と言っても、木質系サイディングの魅力は木の質感にあります。 自然を感じられる天然素材の雰囲気で、無二の味わいが楽しめるでしょう。
4、メンテナンスフリーと言われるサイディングの4つの注意点
次にメンテナンスフリーと言われるサイディングの4つの注意点をご紹介します。 注意点をおさえておくことで、選ぶ基準が明確になることでしょう。 サイディング素材によって異なる注意点もあり、詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
① 壁在によっては初期費用が高い
他の外壁材に比べコストが安いサイディングですが、壁在によっては初期費用が高い点が注意点として挙げられます。 中でも、樹脂系サイディングは他のサイディング素材と比べても耐久年数が長いというメリットがありますが、施工難易度が高いため初期費用も高額になります。 また、木質系サイディングも初期費用が高額になりますが、こちらは施工難易度ではなく天然木を使用しているため、素材そのものが高価であるといった理由です。 このように壁在によって初期費用にも幅があるため、見極めて検討する必要があるでしょう。
② デザインが少ない
外壁仕上げ材として広く使用されているサイディングですが、デザインバリエーションが少ないといった課題があります。 例えば、窯業系サイディングはタイル調やレンガ調などデザインの再現性も高く、様々なバリエーションに対応できますが、それでも他の外壁材に比べると少ないとも言えるでしょう。 近年ではデザイン性に優れた上質なサイディングも登場していますが、このようにデザインのバリエーションも考慮して検討する必要があります。
③ 特殊な施工技術が必要な場合もある
サイディングの持つ性質によって、特殊な施工技術が必要な場合もあります。 樹脂系サイディングの場合、温度によって素材が伸縮する塩化ビニル樹脂を原料としているため、季節によって施工方法を変える必要があります。 したがって、特殊な施工技術が必要になると言えるでしょう。 このような場合、対応できる業者が非常に少ないため、施工業者も限られてきます。 また、特殊な施工技術が必要な場合は施工費用も高くなるため、コスト面も視野に入れる必要があるでしょう。
④ 定期点検が必要
耐久年数が長いと言われるサイディングにも、長持ちさせるためには定期点検が必要になります。 劣化などの異常に気付きやすくなることで、ダメージを拡大させることなく適切なメンテナンスができるでしょう。 また、メンテナンスの手間を軽減できても全くのメンテンスフリーの外壁というのは存在しないため、耐用年数に関わらずこまめな点検をおすすめします。
5、まとめ
メンテナンスフリーと言われるサイディングも、雨風や紫外線などの自然環境により少なからず経年劣化は起きてしまいます。 また、台風や地震などの災害によってダメージを受けることもあるでしょう。 そういった異変を見逃さないためにも定期点検は重要です。 たとえ小さな傷や劣化であっても、適切なメンテナンスを施すことによりサイディングも長持ちします。 結果的にメンテナンスの手間を減らすことにつながると言えるでしょう。 また、ご自身の理想を満たすサイディングはどの素材であるのか。 デザインやメンテナンス性はもちろん、機能面やコスト面でも比較検討することが重要と言えます。
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