耐用年数や汚れにくさなどの基本性能の向上や、遮熱や断熱などの機能の追加など、現在の塗料に求められる性能と機能は年々高くなっており、各メーカーも要望に応えてきました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし、残念ながら高性能で高機能な塗料であっても、お家の全ての問題を塗装で解決できるわけではないのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まずは外壁塗装・屋根塗装の基本性能としてできること・できないことをご説明します。

【基本性能としてできること】

①　防水性能の回復

スレートや金属などの屋根材、モルタル外壁や窯業系・金属サイディングは工場出荷時や現場で塗装されることによって表面を保護する塗膜が塗られます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この塗膜が屋根材や外壁材への雨水を防いでいるのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この塗膜は経年劣化し、やがては水の染み込みを許すようになります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この防水性能が低下した時点で塗り替えを行うことによって、その性能を回復させることができるのです。

②　外観の美観の回復

防水性能が低下してくる頃になると、屋根や外壁に汚れが付着しやすくなり目立ち始めます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、防水性能低下によって屋根や外壁にはコケや藻、カビが繁殖しやすくなり、美観を損ねることになります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　汚れやコケや藻、カビを洗い流してから塗り替えてあげれば、お家を綺麗な状態に戻すことができます。

③　防コケや防藻、防カビ

ほとんどの屋根・外壁塗装用の塗料には、コケや藻、カビを防ぐ薬剤が配合されており、基本性能とも言えるでしょう。

【基本性能としてできないこと】

ご自宅の屋根や外壁を塗り替える目的は「屋根材や外壁材の防水性を保ち、お家を保護し、美観を維持すること」、その他にはお家に快適機能をプラスすることです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次の２つの症状は、塗装では改善することができません。

①　建物の防水、雨漏りの補修

よく訪問営業などで使われるのが「屋根と外壁を塗装すると、雨漏りは止まりますよ」というトークです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　確かに屋根や外壁塗装には防水性を保つという目的もありますが、それは屋根材や外壁材についてであり、建物全体のことではないのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雨漏りは違う建材同士の取り合い（接合部や継ぎ目）部分からの雨水の侵入が原因であることがほとんどです。これらを補修しない限り雨漏りは止まりません。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　屋根材や外壁材に雨漏りの原因がある場合は、塗装工事とは別の修繕が必要です。

②　屋根材や外壁材にできたひび割れや亀裂の補修

0.3㎜未満のヘアクラックと呼ばれるひび割れであれば塗装で補修できますが、0.3㎜以上のひび割れの場合はすき間に専用の樹脂などを充填する必要があります。