1、はじめに
外壁塗装など外壁のメンテナンスは「10年に1度に必要」と言われています。 では、外壁と違い普段直接見る事ができない屋根の寿がどのくらいなのかご存じでしょうか? 一部を除いて屋根を構成する素材には「耐用年数」と呼ばれる良い状態を保てる期間があり、耐用年数が切れた状態のままにしておくと雨漏りが発生し、シロアリを呼び寄せ高額なリフォームが必要になる場合もあります。 今回は様々な種類の屋根材の特徴と耐用年数をご説明します。 ご自宅の屋根の耐用年数を把握し、最適な時期に屋根のリフォームが行えるようにしましょう。
2、5つの屋根材の特徴と耐用年数
屋根材の耐用年数と各屋根材のメンテナンス時期の目安を知ることは、大切なお家のメンテナンスを考える上でとても大切な情報となります。 耐用年数がわかっても、その寿命を最大限引き出すためには屋根材を良い状態に保ち続けられるかが必要なため、各屋根材のメンテナンス時期も合わせて確認していきましょう。
① スレート屋根(化粧スレート・コロニアル・カラーベスト)
耐用年数:15~25年 メンテナンス時期:7~8年
スレート屋根とは、屋根専用に板状・波板上に作られた屋根材のことを指し、施工もしやすく比較的費用も安く済ませることができるため、新築時の建物で多く使われています。 しかし、スレート屋根自体は薄く加工されているため、定期的にメンテナンスを行わないと色あせや屋根材のずれ、割れ・欠け、水分を吸ってブヨブヨになる等の劣化症状が現れてきてしまいます。
スレート屋根は耐久性があまりよくないため、こまめにメンテナンスを行わなければ雨漏りが発生し、屋根を構成する屋根材・防水シート(ルーフィング)・野地板などにも影響を与え、屋根を丸ごと新しい素材へ交換する修理工事が必要になる場合もあります。 スレート屋根の塗装工事であれば約30坪のお家で40~80万円くらいですが、劣化がひどく屋根を丸ごと交換する葺き替え工事では60~200万円くらいと高額になってしまう可能性があります。 定期的なメンテナンスを行うことで、将来的にかかる屋根のメンテナンス費用も抑えることに繋がります。
② アスファルトシングル
耐用年数:20~30年 メンテナンス時期:20~30年
アスファルトシングルは、アメリカの住宅で一般的に使われている高耐久な屋根材です。 屋根材と防水シートが一体化したような屋根材ではありますが、デザイン性も高く軽量で高機能な屋根材と言えます。 しかし、屋根の傾きが急だったりすると施工時や地震が多い日本ではずれてしまうことが多く、施工不良が起きやすくなってしまいます。 そういった背景があり、日本ではあまりアスファルトシングルを選ばれるお家は多くありません。 しかし、屋根の傾きがゆるかったり(角度が19°以下)、地震が少ない地域であるなど条件が合えば大切なお家を守ってくれる強い味方になってくれるため、屋根材をアスファルトシングルにしたいとお考えの方は施工を丁寧に行ってくれる業者を選びましょう。
③ トタン屋根(瓦棒)
耐用年数:10~20年 メンテナンス時期:10~15年
トタン屋根とは、別名「瓦棒」と呼ばれる屋根で、金属系の屋根の代表です。 鉄の鋼板を亜鉛メッキしたもので、施工のしやすさ・安価などの特徴があり、費用を抑えたい方や古いお家でよく見られる屋根材です。 近年は「金属系の屋根と言えばガルバニウム鋼板」という認識が強いため、トタン屋根での施工はほとんど見られなくなってきました。 トタン屋根は導入しやすいですが、耐久性が弱く、金属なので錆びやすいと言ったデメリットもあり、こまめなメンテナンスが必要となります。 何度も塗装やサビ取りなどのメンテナンスを費用がかかってしまうため、将来的なコストを考えた場合はトタンではなくガルバニウム鋼板を選び、メンテナンス費用を減らす方がおすすめです。
④ ガルバニウム鋼板
耐用年数:20~30年 メンテナンス時期:20~30年
ガルバニウム鋼板はアルミニウム・亜鉛・シリコンなどから作成された建物用の素材です。 ガルバニウム鋼板はサビにくく、熱が反射しやすく(遮熱効果や耐熱性)、軽量で耐久性が高いなどの特徴を持っています。 このような特徴が発揮できるのも、鋼板に対してアルミや樹脂などの塗装が施されており、これらの保護材(塗装やアルミなどの層)によって軸となる鋼板が守られているため高い耐久性を保つことができます。 しかし、こういった性能の高い屋根材はその分費用も高くなるため、お家を建てる時や屋根リフォームをする際の費用を高くする要因の1つとなります。
⑤ 瓦(セメント系瓦・粘土系瓦)
■セメント系瓦(モニエル)■
耐用年数:30~40年 メンテナンス時期:10~15年
セメント系の瓦は、工場などでセメントを使って屋根の形に成形した屋根材のことで、セメントが屋根の形として固まったら塗装で補強していきます。 原料がセメントなので比較的安く購入できる屋根材ですが、塗装が剥がれてきたり、重量があるなどのデメリットもあります。 セメント系瓦で1番問題となってくるのが、塗装が剥がれてくるということです。 塗装が剥がれるとセメント部分がむき出しになり、紫外線・雨風などの自然災害のダメージが直接セメント瓦に入ってきます。 保護してくれている塗装がなくなることでコケ・カビ・藻なども生えてくる恐れがあり、ひび割れ・欠けも発生しやすくなり、これらの症状によって雨漏りが引き起こされる可能性が高まります。 セメント系瓦は、しっかりと塗装などのメンテンスを行う必要があることを覚えておきましょう。
■粘土系瓦(日本瓦)■
耐用年数:50~100年 メンテナンス時期:20~30年
粘土系の瓦は、原料に粘土が使用されており、粘土で瓦の形を作ってから窯で焼き上げます。 釉薬(うわぐすり)といったガラス質の粉末を塗り、光沢を出したり水などの液体の染み込みを防ぐ効果を持たせてから焼きます。 釉薬を塗った後に焼き上げた瓦を「陶器瓦」、釉薬を塗らずに焼き上げた瓦を「いぶし瓦」と言います。
各瓦の特徴の違いは以下の通りです。
【項目】 【陶器瓦】 【いぶし瓦】 【セメント瓦】
色合い 釉薬によって色が変わる グレー 塗料の色が付く
メンテナンス メンテナンス不要 30~50年で交換 10~15年ごとに塗装が必要
耐用年数 50~100年 30~50年 30~40年
3、屋根材以外にもメンテナンスが必要なものもある
屋根材の耐用年数は先程ご紹介しましたが、屋根材の耐用年数を過ぎていないからといって安心していてはいけません。 雨風から大切なお家を守っているものが屋根材以外にもあります。 それは防水シートです。 防水シートとは、屋根材(スレート・ガルバリウム・瓦など)の下に敷かれている雨水を防ぐための特殊なシートです。 別名「ルーフィング」との呼ばれ、雨漏りを防止するためにとても重要な役割を果たしています。 通常であれば屋根材が雨水から建物を守ってくれていますが、屋根材がずれたり何らかの不具合が生じると屋根材の下に雨水が流れ込みます。 防水シートは、屋根材で防ぎきれなかった雨水を建物内に侵入させないようにする雨水ストッパーの役割をしています。 屋根材に何の問題もなければ防水シートにも影響がないですが、屋根に何らかの不具合が出ている場合は防水シートにも必ず何らかの影響が出ており、腐食や破れが発生して建物内に侵入してしまうようになっています。 屋根材だけに目が行きがちですが、屋根は1次防水と呼ばれる防水層の1層目であり、2次防水として防水シートが雨水を防いでくれています。 屋根材だけではなく、防水シートも非常に重要であることを覚えておきましょう。
防水シートの耐用年数は20~30年と言われています。 屋根材の耐用年数と合わせて把握しておきましょう。
4、まとめ
屋根材には大切なお家を雨風をから守ってくれるための耐用年数が存在します。 陶器瓦のようにメンテンスフリーと呼ばれる屋根材もありますが、ずっと良い状態を保てるという意味ではなく、「劣化の進行が他の屋根材よりも遅くて耐久性が高いため長持ちする」ということです。 「そもそも屋根材の修理や交換をする必要性を新築時に住宅メーカーから教わっていない」という方が多いのが現状ですが、実際には必ずどの屋根材でもメンテナンスが必要です。 それぞれの屋根材の耐用年数をきちんと見極めることで建物への負担を減らすだけでなく、お家の快適な環境作りを維持することも可能です。 劣化に気づきにくい箇所だからこそ、ご自身のお家の屋根材のメンテナンス時期を把握し、定期的に点検・メンテナンスをしましょう!
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