1、はじめに
一般的に外壁塗装をする目安は10年に1度だと言われていますが、それにはいくつか理由があります。 実際に外壁材や塗料の寿命などの点から、このぐらいの時期に塗装するのは多くのお家にとって良い判断でしょう。 しかし本当の塗装時期はお家の状態によって異なり、10年よりも早いことも遅いこともあります。 本来なら劣化状況を見て判断するのがベストなので、「外壁塗装は絶対に10年に1度」という考えは注意が必要です。 今回は外壁塗装が10年と言われる理由や、正しいメンテナンス時期のチェックポイントを具体的にご紹介します。 適切な時期で塗装することが、お家にもお財布にも優しいベストな方法です。 ぜひ最後までお読みいただき、正しいメンテナンスでお家を長く保ってください。
2、外壁塗装が「10年に1度」と言われる3つの理由
「外壁塗装は10年に1度くらいやるもの」とよく耳にしますが、これには理由があります。 実際には塗装時期はお家1軒ごとに少しずつ違うものなので、絶対に10年というわけではないのですが、様々な事情からこうした考えが一般的に広まっています。 まずはその具体的な理由を3つ解説していきます。
① 築10年頃には目立つ症状が出ていることが多い
1つ目の理由は、新築後10年頃にはわかりやすい劣化症状が出ていることが多いからです。 お家の外壁に使われている塗料には様々な種類があり、グレードによって耐久性も異なります。 多くの新築住宅で使われているのは、最も耐久性が低いアクリル塗料です。 アクリル塗料は5年もすると色あせ、カビ・コケの繁殖、チョーキング現象などの小さな症状が出始めます。 このようなお家に住んでいる方は、ご自身でも見てわかるような症状があると「そろそろメンテナンスをしないといけない」とお考えになる方が増えるのです。 また、目立つ症状は専門業者の標的になりやすく、「もう傷んでいるからメンテナンスした方がよいですよ」というトークで訪問営業されることもあります。 こうした理由から10年くらいでお家の状態に気付き、外壁塗装をお考えになる方が多くなります。
② よく使われる塗料の耐久性が10年前後
10年で塗り替えを行う2つ目の理由は、よく使われる塗料の寿命が10年ほどだからです。 新築時はアクリル塗料が多いですが、塗り替え工事で1番選ばれているのはシリコン塗料です。 10年というのはちょうどシリコン塗料の効果が切れてしまう時期のため、次の塗装時期の目安になります。 本来は新築時のアクリル塗料は5~7年くらいで塗り替えるのが1番よいのですが、ほとんどの方はそれを知らないまま築10年を迎えてしまいます。 そして1度塗装をした後は、使った塗料の耐久性によって次の塗り替え時期が決まります。 たとえ使った塗料がよくわからなくても、「10年なら塗装時期ですよ」と言えばたいていは該当するため、専門業者もそのように言うようになったと考えられます。 フッ素や無機などの高耐久塗料を使っていた場合は、10年はまだ塗装時期を迎えていないことが多いので、注意しましょう。
③ 住宅メーカーの点検・保証も10年が多い
3つ目の理由は、住宅メーカーがちょうど10年で声をかけることが多いからです。 多くのメーカーでは、設備保証や点検保証などの時期で築10年目、20年目など節目の点検があります。 その際に「外壁もそろそろメンテナンス時期ですね」という話をされる場合が多いので、塗装も10年スパンという印象になったと考えられています。 本来の塗装時期は建材の種類やお家の環境などによって1軒ごとに多少前後するので、一律に「塗装は〇年おきです」とは言えません。 ただ、お家の点検のタイミングから、10年目の塗装時期の目安として捉えられています。
3、適切な時期を逃すと起こる重大なリスク
それでは、外壁塗装の目安時期を過ぎても何もしないでいるとどうなるのでしょうか? 結論から言えば、「すぐに雨漏りしてしまう」「すぐ家がダメになる」ということではありません。 塗装で修理できる程度の傷みなら、まだそこまで進行していないからです。 しかし、「今すぐ」ではないだけで、将来的なリスクは確実に高まります。 ここでは、塗装しないことで起こる重大なリスクを具体的に2つ解説します。
① お家の寿命が縮む
塗装時期を逃すと、お家の寿命はどんどん縮んでしまいます。 塗装による防水効果がなくなると、外壁は水分を吸い込むようになり、ひび割れや反り(変形・ゆがみ)などの劣化症状が起こってくるからです。 ひび割れや反りによってできる隙間からは、雨水が入ってきます。 すると、お家を支えている大切な柱や木材が湿って腐食し、強度が落ちてしまいます。 また、床下まで水が回るとシロアリ被害によってさらに耐震性が落ちます。 そのような状態では、どんなにいい建材で建てたお家でも地震などの災害に弱くなってしまいます。 お家を健康な状態に保つには、「水を入れない」「防水する」ことが重要です。 そのため、適切な時期での塗り替えは必須のメンテナンスということになります。
② 修繕費用が高くついてしまう
塗装せず何年も放置すると、後々高額な修繕費用がかかってしまう恐れがあります。 外壁の劣化が進んでしまうと、塗装だけでは直せなくなるからです。 例えば、髪の毛程度の細いひび割れ(ヘアクラック)なら塗装だけで埋まります。 しかし、ひび割れが大きくなるとコーキングやパテ材の補修をしてから塗装、と工程が増えてしまいます。 さらにひび割れの数が増えると、壁自体の強度が落ちるため補修も効かず、壁の張り替えや作り直しが必要になります。 外壁材の種類にもよりますが、数10万円かかってしまうことも多いです。 また、ひび割れ以外に外壁の反り(変形・歪み)やはがれ、コケの繁殖も悪化すると塗装では対処できなくなるため、同様に外壁張り替えなどの大きな工事が必要になります。 万が一雨漏りまでしてしまったら、内部の木材交換などさらに大規模な修繕をしなければいけません。 「塗装さえしておけばこんなにお金がかからなかったのに…」ということを防ぐためにも、正しい時期での塗り替えがとても重要になります。
4、塗装時期の判断の4つのチェックポイント
外壁塗装をする時期が来ているかどうかは、年数よりも実際の症状で判断するのがベストです。 具体的な症状4つをご紹介します。 ご自身でお家をぐるっと全面見てみた時にどれか1つでも発見したら、10年未満でも塗装を検討しましょう。
① チョーキング・吸水
外壁を触ったときに手に粉がつく状況をチョーキング現象と言います。 この状態になると、外壁に水をかけた時に弾かずに吸い込んでしまうので再塗装が必要です。
② ひび割れ
外壁や目地(コーキング)にひび割れが入っていたら塗装時期が来ています。 窓サッシ周りや外壁を固定する釘回り、ベランダなど特にひび割れしやすい場所なので確認してみましょう。
③ カビ・コケの繁殖
カビやコケによる汚れが目立ってきたら塗装が必要な状態です。 特に北面や日が当たりづらい面は、カビ・コケが繁殖しやすいので確認してみましょう。
④ 反り
反りはサイディング外壁の場合に起こる劣化症状です。 長期間外壁が水を吸って、表面から乾いて繰り返すことでだんだん変形してしまいます。 1度反ってしまうと元には戻せないので、最悪の場合一部張り替えになります。 そのため、外壁が少しでも反っていたらすぐに塗装業者に点検を依頼しましょう。
5、まとめ
症状や年数から考えてそろそろ塗装時期かもしれないと思ったら、まずは塗装の専門家へ点検を依頼しましょう。 その点検結果をもとに塗装するのか、まだ少し先でも大丈夫なのかを判断しましょう。 お家の劣化はご自身でも確認できる症状の他に、専門の知識がある人が隅々までチェックしないと見つからないようなわかりにくい症状もあります。 お家の劣化も早期発見できれば塗装や軽い補修で済ませられるので、点検がとても大切です。 適切な塗装時期を知ることでお家を長く守れるようになります。 ぜひ大切なお家のメンテナンスにご活用ください。
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