1、はじめに
近年人気の外壁塗料の1つに「遮熱塗料」「断熱塗料」があります。 どちらも似たような名前なので、具体的な違いが分かりづらいですよね。 どちらも夏場に室内の温度が上昇するのを防ぐ効果があることは同じですが、断熱塗料は冬場の冷気にも効果を発揮します。 今回は遮熱塗料と断熱塗料の効果・費用・耐用年数の違いを比較しながら解説していきます。 また、「遮熱塗料と断熱塗料のどちらがご自宅に合っているのかわからない」という方のために、塗料の選び方もご紹介します。
2、遮熱塗料と断熱塗料の3つの違い
遮熱塗料と断熱塗料、それぞれの効果や耐用年数、費用、施工可能箇所を比較してご紹介します。 1番の違いは「得られる効果」と「施工にかかる費用」です。 断熱塗料の方が遮熱塗料よりも長持ちするものが多い傾向にあるため、値段が上がります。 施工可能箇所は共通していますが、それぞれ発揮する効果や耐用年数が異なります。 それぞれ項目ごとに詳しくみていきましょう。
① 効果
遮熱塗料と断熱塗料で電気代や室温がどのくらい変化するのか、見ていきましょう。
【遮熱塗料の場合】
屋根の表面温度 約6℃低下 ※ 金属屋根に塗装した場合 室温 約2.4℃低下 電気代(1か月あたり) 約3%低下
【断熱塗料の場合】
室温 約3℃低下 電気代(1か月あたり) 約3%低下
ただし、同じ塗料でも色により遮熱効果が少しずつ異なります。 色には白に近くなると熱を反射し、黒に近くなると熱を吸収する作用があるためです。 そのため、同じ塗料でも黒色を選ぶよりも白や白系の色の方がより高い遮熱効果を得られます。
② 耐用年数
遮熱塗料の耐用年数は10~15年、断熱塗料は15~20年程度です。 紫外線を吸収する樹脂が多く含まれていればいるほど、耐用年数は長くなります。 塗料は太陽光に含まれる紫外線で劣化し、効果が発揮できなくなってしまうためです。 断熱塗料の方が紫外線に強い樹脂が含まれているものが多い分、遮熱塗料よりも長持ちさせることができます。
③ 施工費用
遮熱塗料と比べ、断熱塗料の方が1,000円以上(㎡あたり)高くなります。 その理由は以下の2つです。
・ メインの断熱機能だけでなく、遮音や消臭など多機能な塗料が多いため ・ 製造しているメーカーが他のメーカーよりも少ないため
持っている機能の多さや、耐用年数の長さで価格は変化します。 どんな機能を持ったお家で、どのくらい長持ちさせたいのかに合わせてお家にあった塗料を選びましょう。
3、遮熱塗料と断熱塗料、どちらを選ぶ?
遮熱塗料と断熱塗料、シチュエーションに合った塗料を選ぶ方法をご紹介します。 持っている機能が異なるため、知っているとより快適なお家に仕上がります。
① 冬も夏も快適に過ごすなら断熱塗料!
冬も夏も快適なお家にするなら、断熱塗料を選びましょう。 断熱塗料は室内の温度を外に逃がさない効果と、外の熱を室内に伝わりにくくする効果を持っています。 そのため、冬の寒さが長く続く地域のお家への施工や、1年中快適なお家にしたい方におすすめの塗料です。 遮熱塗料では寒さ対策はできないため、寒さも和らげたいなら断熱塗料を選びましょう。
② 夏の颯佐対策を重視するなら遮熱塗料!
暑さ対策を優先して行いたいなら、遮熱塗料を選びましょう。 太陽光の持つ熱を反射し、塗装した箇所の表面温度を下げる役割があるためです。 他の建材と比べ、特に熱が伝わりやすい金属屋根や吹き抜けのお家への施工が人気です。 また、断熱材の入っていないガレージや工場の屋根、金属製の門扉へ施工することで真夏も快適に過ごすことができます。 「真夏の部屋が暑すぎるから快適にしたい!」という方は遮熱塗料を選びましょう。
4、遮熱塗料と断熱塗料のメリット・デメリット
遮熱塗料と断熱塗料のメリット・デメリットをご紹介します。 デメリットも把握しておくと、後悔することなく工事を行うことができようになります。
【遮熱塗料のメリット】
① 熱による劣化を抑えられる
遮熱塗料で施工すると、熱による外壁のひび割れ等を防ぐことができます。 外壁表面の温度が下げられる効果で、熱による影響を減らせるためです。 家の劣化は雨水や紫外線だけでなく、太陽光に含まれる熱も原因です。
② 電気代を節約できる
エアコンが効きやすくなり、電気代を節約できます。 屋根や外壁の熱が室内に入ってこないためです。 特に断熱材の入っていない金属屋根や吹き抜けのお家で効果を発揮します。
③ ヒートアイランド現象の抑制
周りの気温を上昇させてしまう「ヒートアイランド現象」を抑制することができます。 遮熱効果により建物に熱がこもらなくなるためです。 多くのお家で施工することで効果が見込まれるため、自治体によっては遮熱塗料で工事を行う世帯に補助金の給付を行っている場合があります。
【遮熱塗料のデメリット】
① 冬の室内を暖かく保つ効果はない
外壁塗装で冬の寒さ対策をしたいとお考えの方には不向きです。 塗装した箇所の熱を反射してくれる効果はありますが、室内の熱が逃げにくくなる効果を持っていないからです。
② 汚れると効果が低減する
塗装した面が汚れてしまうと、本来の効果が発揮できません。 汚れてしまうと、熱を反射しにくくなってしまうためです。 そのため、親水性が高い(雨水と一緒に汚れを洗い流してくれる効果がある)塗料での施工がおすすめです。
③ 選べる色に限りがある
塗料カタログに掲載されている色からしか選ぶことができません。 遮熱塗料は特殊な顔料で作られているため、新しい色を作ろうとすると本来の効果が発揮できないためです。 選べる色はメーカーやそのカタログにより少しずつ異なります。 気になる色があるのなら、その色が掲載されている塗料での施工がおすすめです。
【断熱塗料のメリット】
① 夏涼しく、冬暖かい家づくりが可能
夏も冬も快適なお家を作りたいという方におすすめの塗料です。 外からの熱を伝わりにくくし、室内の熱を外に逃がしにくくしてくれるので、冷暖房が効きやすくなるためです。
② 遮音や消臭効果があるものも
塗料によっては、断熱効果以外の機能も持っています。 そのため、遮音・消臭機能等でさらに快適な家づくりをしたい人に人気の塗料です。
③ 電気代を節約できる
断熱効果により、電気代を節約することができます。 夏場節電できるのは遮熱塗料と共通していますが、冬場も快適に保ちつつ節電効果を発揮するのは断熱塗料ならではのメリットです。
【断熱塗料のデメリット】
① 施工費用が高額になる
遮熱塗料よりも耐用年数が長いものが多く、塗料自体の価格が高くなるためです。 しかし、機能性や耐久性に優れているため、次にメンテンスをするタイミングを延ばすことができます。 そのため、何度も足場を建てなくてもよくなるメリットがあります。
② 選べる色や仕上がりに限りがある
塗料によっては、「ツヤがある仕上がりにできない」「濃い色が選べない」ものもあります。 また、断熱効果を高めるための細かいビーズが入っているため、凹凸ができてしまう場合があります。
③ ノウハウがない職人が施工すると、剥がれ等の不具合が起こる
職人にノウハウがないと、仕上がりが綺麗にならなかったり、正しい施工ができずあとから剥がれてしまう恐れがあります。 そのため、断熱塗料のメーカーの研修を受けていたり、施工実績がある専門業者から選ぶと失敗してしまうリスクを抑えられます。
5、まとめ
遮熱塗料と断熱塗料、それぞれが違った機能を持っています。 それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、あなたのお家に合った塗料を選びましょう。 年間を通して湿気が多い上、夏は暑く冬は積雪が多い富山県には、施工費用は高額になりますが、夏涼しく冬暖かい家づくりが可能な断熱塗料が適しています。
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