1、はじめに
外壁塗装を検討されている方は「相見積もり」をされる方がほとんどかと思います。 「相見積もり」は複数の専門業者に見積もりを依頼し、比較することです。 見積もりを依頼した専門業者から「外壁塗装は3回塗りです!」「うちは特別に4回塗りますよ!」「この塗料は2回塗りなので、その分費用を抑えられます!」などとそれぞれ違うことを言われてしまったことはないでしょうか? どれが正しくて、どの専門業者を信用すればよいか迷ってしまいますよね?
今回は、一般的な外壁塗装の塗り回数とそれ以外になるケース、また塗り回数を守らないとどうなってしまうのかを解説していきます。 外壁塗装の塗り回数というのは、品質を左右するとても重要なものです。 塗装工事前に知識をつけることで、手抜き工事を避けることもできます。 丁寧に正しく塗装してくれる専門業者の見極め方も確認していきましょう。
2、外壁塗装の塗り回数は何回が正解?
外壁塗装の塗り回数についての基礎知識を解説していきます。
① 一般的には3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)
外壁塗装の塗り回数は、3回塗りになることが多いです。 3回塗りの内訳は、
・ 下塗り1回(下塗り用塗料) ・ 中塗り1回(上塗り塗料) ※ 塗料によっては、中塗り塗料がある場合もあります ・ 上塗り塗料(上塗り塗料)
です。
下塗り塗料は外壁の細かいひび割れを埋める役割や、外壁と上塗り塗料の密着性を高める役割があります。 中塗り・上塗りは、防水性を高める働きや、カビ・コケの抑制、遮熱性、色付けなど塗料によって様々な役割を果たします。
② 塗料・下地によっては2回、4回、5回塗りになることも
一般的には3回塗りで仕上げる塗装が多いですが、例外もあります。 使う塗料や外壁の劣化状況によって、2回・4回・5回と塗り回数が増減します。
【2回塗りの例】 クリヤー塗装
透明な塗料を使用するクリヤー塗装は下地補修の役割の下塗りがいらないのと、発色を気にする必要がないため2回塗り仕上げの製品が多いです。
【4回塗りの例】 外壁の劣化が進んでいる
通常3回塗りで仕上がる塗料でも、外壁の劣化が進んでいると下塗りを2回行う場合があります。 外壁の状態によって上塗りが3回必要になったり、下塗りが2回必要になったりすることもあるので、4回塗りになることもあります。 外壁塗装をする際には、外壁の状態に合わせた施工をしてもらえると安心です。
【5回塗りの例】 多彩模様塗装
多彩模様塗料では、何色も色を重ねたり、最後に柄を吹き付けることもあるので、工程が5回に及ぶことがあります。
ご自宅の外壁塗装を行う際は、使用する塗料が何回塗りなのかをチェックすることが大切です。
3、塗り回数を守らないと不具合が起こる
塗り回数と言うのは、塗料を製造したメーカーによって定められています。 その回数を守らないと、どんなに綺麗に塗装しても以下のような不具合が起きてしまうことがあります。
① 剥がれ
必要以上に多く塗り重ねると塗膜が厚くなり、剝がれやすくなってしまいます。 セールストークでよくあるのが「当社は特別に4回塗ります!」というものです。 お得で良心的に感じるかもしれませんが、実は注意が必要です。 多く塗れば長持ちするというわけではなく、むしろ不具合に繋がってしまうこともあるので、正しい塗り回数で塗装してもらうことが大切です。
② 色ムラ・色あせ
塗り回数が少なく、十分な膜厚が確保されてないと数年で色ムラ・色あせが起きてしまう可能性があります。 専門業者の中には、見積もりで「シリコン塗装一式」と記載して、下塗りを省いてしまうなど手抜き作業をするところもあります。 正しい塗り回数で施工してくれる専門業者で長持ちする塗料を塗装してもらいましょう。
正しい塗り回数と言うのは、実はご自身でも確認することができます。 専門業者の言っていることが正しいのかわからないという方は、以下の方法でご自身で調べてみましょう。
① 使用する塗料名を確認する
まずは使用する塗料名を確認しましょう。 使用する塗料については、見積書または専門業者に直接確認しましょう。
② インターネットで塗料名を検索する
専門業者から使用する塗料のカタログをもらえる場合は、そちらをご確認いただいても大丈夫です。
③ カタログをチェック
インターネットまたは実際の塗料カタログで、塗料の「標準塗装仕様」を確認します。 どの塗料のカタログにも、「標準塗装仕様」というものが記載されています。 その中の工程を確認し、何回塗装が必要なのかチェックしましょう。
4、塗り回数以外で重要な塗装の3つのポイント
手抜き工事ではなく、質の高い塗装をしてもらうためには、塗り回数以外にも重要なことがあります。 きちんと守らないと剥がれなどの原因になることもあります。 高品質のため守るべき重要なポイントを3つご紹介していきます。
① 乾燥時間
塗装の際、乾燥時間も重要です。 塗料ごとに何時間乾燥する必要があるのか、カタログに記載がありますので、こちらもチェックしましょう。 乾燥時間を守らずに塗り重ねると、回数を守ったとしても剥がれなどの不具合が起きる原因になります。 手抜き業者の中には、工期を短くするために乾燥時間を守らずに1日で3回塗りを終わらせてしまうところもあります。 工期が短いのは魅力ですが、質の高い工事をしてもらうためには、乾燥時間を守った日数で塗装をしてもらいましょう。
② 塗料の希釈率・使用量
塗装をする塗料の希釈率や使用量も大切なポイントです。 希釈率というのは、塗料と水(またはシンナー)の混ぜる分量のことです。 これも塗料ごとに定められています。 しかし、悪徳業者だと塗料代(経費)を浮かせるために必要以上に水で薄めてしまうことがあります。 必要以上に薄められた塗料で塗装しても膜厚が確保できず、10年持つ塗料も十分な耐久性を発揮しません。 正しい希釈率で十分に塗料を使用してくれているのかということが重要です。
③ 塗装時の天気
塗装を行う際の天候も重要です。 雨が降っている状態で塗装作業をしてしまうと、塗装後には剥がれや膨れが起きるなどの恐れがあります。 また、雨が降っていなくても以下のような気温・気象の場合は塗装作業を避けてもらいましょう。
・ 湿度85% ・ 気温5度以下 ・ 強風、降雪
このような気象の中で塗装をすると、同じく剥がれや膨れが起きてしまう可能性があります。 工期を短縮するために「小雨ならいいや」と作業を進めてしまう専門業者もあるので要注意です。
5、正しい塗装をしてくれる高品質業者も見極め方
塗り回数をはじめ、正しい仕様を守って施工してくれる高品質業者の見極め方をご紹介します。 良い外壁塗装リフォームをするためには、どこの専門業者に依頼するかが最も重要です。 専門業者が出す見積書や、管理体制などで見極めていきましょう。
① 見積書に塗り回数が記載されている
見積書に塗り回数が記載されているかを確認しましょう。 基本的に見積書・契約書に記載されていないことはやってもらえないので、見積書に塗り回数が記載されていないと何回で塗られるかわかりません。 「〇回塗り」と記載がある、または「下塗り」「中塗り」「上塗り」と工程の記載があるかをチェックしましょう。
② 見積書に塗料名が記載されている
見積書に使用する塗料名が記載されているかを確認しましょう。 塗料名が記載されていないと、ご自身で塗り回数や乾燥時間を調べることができず、ごまかされてしまう可能性があります。 「最高級シリコン塗料」「水性フッ素塗料」などざっくりした記載ではなく、何というメーカーの何という製品なのかを記載してもらいましょう。 専門業者によってはインターネットで検索しても出てこないオリジナル塗料を提案されることもありますが、使用や成分など詳細が調べられないので要注意です。
③ 各工程を写真に残してくれる
工事中に各工程の写真を撮ってくれるか確認しましょう。 見積書に記載されていても、実際の工事で手を抜かれてしまう可能性もゼロではありません。 また、足場が設置されると周りにメッシュシートが張られるので、ご自身で毎回作業のチェックをするのも難しいです。 各工程の様子が確認できるように、写真を撮って残してもらえると安心です。 特に下塗りや中塗りの様子は、塗装工事後には確認できないので多めに写真を撮ってもらえるようにしましょう。
5、まとめ
外壁の塗り回数は、塗装の品質を左右するとても重要なものです。 一般的には下塗り・中塗り・上塗りの計3回塗りが多いですが、塗料や下地の状態によっては2回・4回・5回塗りになることもあります。 大切なのは、塗料ごとの仕様に合わせた回数で塗装することです。 工事後もずっと綺麗で長持ちする塗装にするために、正しい塗装を行ってくれる専門業者を選びましょう。
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