1、はじめに
外壁や屋根のリフォーム工事をお考えの方は「相見積もり」という言葉を耳にしたことがあると思います。 リフォーム費用を安く抑えるコツとして相見積もりは紹介されています。 相見積もりとは、複数の専門業者から見積書を取り比較することです。 相見積もりを取ることで値段の安さだけでなく、専門業者の品質・対応など様々な視点から比較することができ、あなたのお家に合った専門業者を選ぶことができます。 しかし、選ぶ基準やポイントがわかっていないと、良い選択ができるか不安ですよね。 今回は適切な相見積もりの数や専門業者の見極め方などを解説していきます。
2、相見積もりは何社くらい取るのがベスト?
相見積もりを取るのは何社くらいがよいのでしょうか?
相見積もりをとるのは、3~4社がおすすめです。 3~4社の見積書を見れば、ご自宅の工事の相場金額がいくらなのか把握できるからです。 また、これ以上増やすと専門業者による違いが多すぎて、金額でしか比較できなくなってしまう恐れがあります。 相見積もりは取りすぎないことも大切です。
3、相見積もりを依頼する際の2つのポイント
相見積もりはただ見積もりを依頼すればよいわけではありません。 より良い相見積もりをするための依頼する際のポイントと専門業者選びのポイントを2つご紹介します。
① 同じ条件・要望を伝えて見積もりを依頼する
相見積もりの際は、リフォームについてご自身が今考えていることや要望を全ての専門業者に同じように伝えましょう。 伝える条件がバラバラだと価格に対してその内容が妥当なのか分からなくなり、比較しづらくなってしまうからです。 伝える内容は塗装工事の場合は塗料の種類や仕様など具体的な要望を伝えるとよいのですが、漠然とした「10年くらい長持ちさせたい」といった要望でもOKです。 特に塗料についてと施工範囲については必ず伝えておきましょう。
【専門業者に伝える内容の例】 ■ 塗料・塗装について ・ 「10年以上は持たせたい」 ・ 「汚れが目立つのが気になっている」 ・ 「遮熱塗料に興味がある」など
■ 施工範囲について ・ 「塗れる所は全部塗ってほしい」 ・ 「ウッドデッキを撤去したい」 ・ 「ベランダも気になるから見てほしい」 ・ 「家全体を見てアドバイスがほしい」など
このように事前に要望を伝えておくと同じ条件でスムーズに見積もりをしてもらえます。 比較検討しやすくするためにも、ご自身の考えはしっかり伝えておきましょう。
② 事前にHPで2項目をチェック
相見積もりを取る専門業者はどれでもよいというわけではありません。 見積もり依頼をする前に、各専門業者のHPで次の2つに当てはまるかどうかチェックしておきましょう。 このポイントは「適正価格で良い工事をしてもらえるかどうか」と「本当に信頼できる会社かどうか」の目安になるものです。 最低限このような信頼できる専門業者の中から相見積もりを取るようにしましょう。
■ リフォーム瑕疵保険の登録事業者
リフォーム瑕疵保険とは、加入している施工店の工事で施工不備があった場合に保険金を使って補修してくれる制度のことです。 この保険に加入している専門業者かをチェックしましょう。 なぜならこの保険は施工業者の品質・信用の目安になるものだからです。 あまりにも不備やトラブルが多いと、この保険には加入できません。 加入しているかどうかは専門業者のHPやパンフレットの記載を確認しましょう。
■ 家から1時間程度のところに会社がある
その会社が車で1時間程度のところにあるか確認してみましょう。 あまりにも遠いと、そもそも施工できなかったり出張費が発生してしまう場合があるからです。 また、ご自宅から近い専門業者なら工事が終わった後に何か気になる点があったとしてもすぐに来てもらえるので安心です。
4、良い会社を見極める7つの比較ポイント
相見積もりを取ったら次の7つのポイントで見極めていきましょう。 これらのポイントには、見積書には書かれていない会社の体制等も含まれています。 本当に良い工事をしてくれる専門業者かを見極める大切な部分ですので、依頼しようとしている専門業者が当てはまっているか比較してチェックしましょう。
① 最低でも60分前後点検してくれるかどうか
来てくれた専門業者が点検にどのくらい時間をかけていたか、必ず確認しましょう。 お家の状態を正しく把握するには60分はかかります。 例えば10分20分程度の点検では工事箇所の正しい面積もわからない上、お家の劣化状況を正しく把握できず工事内容に抜け漏れが出てしまう恐れがあります。 あなたのお家に合った提案を適正価格で提案してもらうためにも、必ず丁寧な点検をしてくれるところを選びましょう。
② 見積書に施工する数量・平米が記載されているか
見積書には施工する数量や平米がきちんと記載されているか確認しましょう。 どのような工事内容・数量で、いくらかかるのか細かく書いてあるのが理想的です。 施工してもらえる数量や面積が曖昧だと、やってもらえると思っていた場所が実は施工範囲外だったというトラブルになってしまうこともあります。 そうしたトラブルを防ぐためにも、施工する数量や平米を見積書にきちんと記載している専門業者を選びましょう。
③ 担当営業の説明が丁寧か
見積もり提出時などに担当営業が専門用語やこちらの疑問点に対してわかりやすく説明してくれるかチェックしてみましょう。 見積もり段階で説明が不十分なところでは今後も疑問や不安を解消してくれず、工事の際に行き違いが出てしまうことがあるためです。 リフォーム工事は専門用語もありますし、初めての工事だとわからないことや不安なことが多く出てきます。 こうした疑問や不安にもきちんと答えてくれるところなら安心して工事を依頼できます。 工事を依頼する際は安さや技術だけで決めてしまうのではなく、こちらの気持ちに寄り添って丁寧な説明・対応をしてくれるかどうかで判断しましょう。
④ アフターフォロー体制はしっかりしているか
工事終了後のアフターフォロー体制がしっかりとしているか確認しましょう。 工事後も細かい補修など必要なタイミングで行っていくことでお家を長持ちさせられるからです。 例えば、台風や何かでお家にダメージがあった時などすぐに補修や点検に来てくれる専門業者だと安心です。 工事後も安心して長く暮らし続けるようにするためにも、アフターフォロー体制がしっかりしている会社に依頼しましょう。
⑤ 職人の研修、教育体制は整っているか
職人の研修をきちんと行っている専門業者に依頼しましょう。 研修にもいろいろなものがありますが、マナー研修と建材・塗料などの知識、技術的な研修の両方を行っているか確認しましょう。 マナーがしっかりしている職人だとやり取りも気持ちよく過ごせますが、逆にマナーがしっかりしていない職人だと工事中に嫌な思いをしてしまうことも考えられます。 また、建材は日々進化しているので定期的な研修を受けている職人なら新しい知識も持っていてより良い施工が期待できます。 しかし、古い知識だけの職人では新しいより良いやり方を知らない可能性もあります。 リフォーム工事は高額な工事を任せることになるので、教育体制の整った業者で安心して任せられるようにしておきましょう。
⑥ 大幅値引きをしてこないかどうか
「今ならモニターで…」などと様々な理由で大幅値引きしてくる専門業者は候補から外しましょう。 最初から諸経費として大幅に上乗せしている可能性が高いからです。 あるいは無理やり値引きした代わりに手抜き工事をされてしまう恐れもあります。 外壁塗装の場合は、50万以上の値引きは現実的には難しいはずです。 良い工事を適正価格でしてもらうためにも、大幅値引きをしてこない専門業者を選びましょう。
⑦ 即日の契約を迫ってこないか
点検・見積もりをしたその日のうちに「今日中に契約してください」などと迫ってこない専門業者を選びましょう。 リフォーム工事は数十万円かかる高額工事です。 その日のうちに契約するように言うのは、顧客の立場を考えた対応とは言えないからです。 契約を即日迫ってくる会社は、いい工事をしようと言うよりは「契約さえ取れればいい」という気持ちでトークしています。 本当に良い専門業者を選ぶためにも、即日の契約を迫ってこない会社を選びましょう。
5、施工業者選びに迷ったときに決断する3つのコツ
いくつか見積もりを取っていると、比較検討していても結局迷ってしまう…ということもあるかと思います。 そんな時にどうしたらよいのか、決断するための3つのコツをご紹介します。
① 金額だけで決めない
金額が安いという理由だけで決めるのはやめておきましょう。 金額の安さだけでは工事の質は測れないからです。 他と比べてあまりにも安いと、その分工事に割ける人件費や材料費も少なくなっているため、本来必要な工程などが省略されている恐れもあります。 工程や内容に抜け漏れがあると後からトラブルや追加工事が発生してしまい、結局余計な出費がかさんでしまう恐れがあります。 迷った時こそ「金額が安いから」という理由だけではなく、良い品質で工事をしてくれるかどうかを基準に選びましょう。
② ライフプランを考える
改めてあなたの家族の将来・ライフプランを考えてみましょう。 リフォーム工事やメンテナンスは今回だけでなく、今後のライフプランと密接に関わってくるからです。 具体的にはこれから住みたい年数や次回のメンテンス(費用がかかる時期)をいつにしたいのかを考えましょう。 こうすることでご自身にとって最適な提案、最適な専門業者はどこなのかを判断しやすくなります。 例えばお子さんがいる方ならリフォーム工事と進学の出費が重ならないような耐用年数の塗料提案が安心ですし、近い将来お家を手放す予定の方であれば、コストを抑えた必要最低限の提案をしてくれる専門業者がベストと言えます。 専門業者によって提案内容やアピールポイントも違います。 ご自身やご家族に合った提案かどうかは、将来設計を考えれば少しづつ見えてきます。 施工業者選びで迷ってしまった時には、もう1度ご自身のライフプランを考えてから見積もり内容を見直してみましょう。
③ 家族で話し合う
最後はご家族でしっかりと話し合いをしましょう。 ご家族で話し合うことで様々な視点からの意見が聞けるので客観的な判断ができるようになるからです。 専門業者によって提案もかなり異なってきます。 お家にとって本当に良い判断をするためにも、1人で決めずに必ず話し合うようにしましょう。
6、まとめ
リフォーム工事はどんな施工業者を選ぶかで工事の良し悪しが決まります。 あなたのお家にとって1番良い工事をしてくれる1社を選べるようにするためにも、ぜひ参考になさってください。
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