1、はじめに
雨漏りと言えば、天井からポタポタ落ちる雨水をイメージする人も多いでしょう。 しかし、雨漏りは意外な場所からも発生します。 雨漏りによる被害を拡大させないためにも、雨漏りのサインがないか普段から注意し、定期的に点検をしましょう。 また、雨漏りを見つけたらすぐに修理することが重要です。 雨漏りを放置すると、建物が腐食するなどの恐れがあるからです。
今回は雨漏りのサインや原因について解説します。 業者選びのポイントや雨漏りを防ぐ方法もご紹介しますので、雨漏りしていて業者に依頼するべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
2、雨漏りのサイン
雨漏りのサインは、天井から落ちる雨水だけではありません。 一見雨漏りとは関係がなさそうな次の劣化も、雨漏りのサインです。 一度家の中をチェックしてみましょう。
■ 天井や壁、クロスにシミができる
侵入した雨水や溜まった湿気の水分が乾くと、天井や壁に染みができます。 何かこぼしたわけでもないのに染みになっている場合は、雨水の可能性が高いです。 また、クロスが浮いたり剥がれたりしている時も要注意です。 「雨漏りによる湿気がひどく、剥がれたクロスの裏がカビだらけだった」というケースもあります。
■ 結露が増える
特定の部屋だけ結露が多い場合も、雨漏りの可能性があります。 雨漏りしている部屋の湿度が高くなるからです。
■ 室内がカビ臭い
天井裏や壁の内部など目に見えない場所で雨漏りが続くと、木材が腐食してカビが発生し、室内がカビ臭くなります。 特定の部屋だけカビ臭い時は要注意です。 カビが発生しやすい押し入れや靴箱、天袋も合わせてチェックしましょう。
■ ふすまや障子が波打つ
湿気を吸ったふすまや障子の表面がたわんで波打つのも、雨漏りのサインです。 湿気がひどいと木部も湿気を吸って、戸の締まりや動きが悪くなります。
■ 床が膨れる
ブカブカと床が膨れるのも、雨漏りのサインです。 天井や外壁から侵入した雨水で床が濡れ、湿気を含むことが原因です。 ベランダや屋上でも床の膨らみは起こるので、チェックしましょう。
■ 外壁やバルコニーの塗装が剥がれる
壁からも雨漏りすることはあります。 塗装の剥がれや膨らみは雨漏りのサインです。
3、雨漏りの原因
雨漏りの原因としては次の3つが考えられます。
① 建物の劣化
雨漏りの原因で最も多いのが、家の経年劣化によるものです。 紫外線や風雨にさらされ続ける屋根や外壁は、時が経つにつれて劣化します。 また外壁塗装の劣化、棟板金の浮き、くぎの緩み、漆喰の崩れなども起こり、雨水が内部に侵入してくるのです。 雨樋の詰まりや故障も雨漏りの原因になります。
② 施工不良
新築やリフォーム直後に雨漏りするケースもあります。 その多くは、手抜き工事でひびや亀裂が入ったためです。 DIYによる屋根材のずれ、太陽光パネルやアンテナ設置時のくぎやビス止めも影響します。 リフォームの際は業者選びに注意が必要です。
③ 台風、地震などの自然災害
台風、地震、積雪などの自然災害も雨漏りの原因の1つです。 強風により屋根が損傷したり、地震で地盤がずれて外壁にひびや亀裂が入ったりするためです。
4、雨漏りの放置で起こる弊害
「雨漏りのサインはあるけれど、雨水がポタポタ落ちるほどではないから」と放っておくと、以下のような深刻な事態に発展する可能性があります。
■ 木造部分が腐食して家の寿命が短くなる
雨漏りで湿気の高い状態が続くと、木造部分は腐食します。 一見深刻ではなさそうな天井の染みやクロスの剥がれなどと並行して、壁の内部や屋根裏で腐食が進行しているかもしれません。 気づいた時には家全体が傷み、倒壊の危機にさらされていることもあります。
■ シロアリの被害
雨漏りしてジメジメと湿気が多い床下や壁の内側をシロアリは好みます。 雨水で湿り、腐った木材はシロアリの餌になるのです。 シロアリが住み着いた家は木材の内部が食い尽くされ、家の構造部の土台や柱がボロボロになります。 雨漏りで腐食が進んだ建物に追い打ちをかけるように、深刻なダメージを与えるのです。
■ 漏電による感電や火災の発生
雨水が室内に侵入すると、電化製品を壊したり家具を傷めたりするだけでなく、漏電被害も引き起こします。 ブレーカーやコードが濡れて漏電し、居住者を感電させる危険性があるのです。
■ アレルギー症状が出る
雨漏りは家を腐食する以外に、そこに暮らす人の健康も害します。 雨漏りで湿度が高い状態が続くとカビが発生します。 室内がカビ臭くなると、住人にとっては大変なストレスです。 また、カビはぜんそくやアレルギーの原因になります。 せきが止まらなくなったり頭痛を引き起こしたりするなど、シックハウス症候群を誘発する可能性もあるのです。
5、雨漏りが起こりやすい箇所
雨漏りが起こりやすいのは、雨が直接当たる場所や降った雨水が流れる場所です。 特に、素材と素材の継ぎ目が発生率の高い箇所です。 具体的には、以下の箇所です。
・ 屋根 ・ ベランダ ・ 屋上 ・ 外壁 ・ サッシ
6、良い修理業者の見つけ方
業者選びは雨漏り修理の重要なポイントです。 どのような業者を選べば良いかをご紹介します。
良い業者を選ぶポイントは次の通りです。
■ 実績と経験が豊富
腕の悪い業者に依頼すると、いくら修理しても繰り返し雨漏りする恐れがあります。 しっかり調査、修理してくれる実績と経験が豊富な業者に依頼しましょう。 口コミやHPを調べて事例や実績を確認したり、実際に雨漏り修理をしてもらった人から依頼した業者に技術があったかどうかを確認するのもおすすめです。
■ 迅速に対応してくれる
雨漏りを発見したら、修理が早いほど被害が少なくて済みます。 現地調査や見積もりの対応が迅速かどうか確認しましょう。 また予約が埋まっていてすぐに修理できない場合も、とりあえず応急処置をしてくれる業者は安心できます。
■ 見積もりから契約までをせかさない
良い業者は説明が丁寧で、急いで契約させようとしません。 逆に悪徳業者は不安をあおり、他社と比較させないために契約を急ぎます。 雨漏り修理は高額になることが多いので、よく検討した上で業者を決めましょう。
■ 説明や対応が丁寧でわかりやすい
修理箇所だけでなく、修理方法や原因も丁寧に説明してくれる業者は、修理も丁寧です。 こちらの質問にわかりやすく答えてくれる業者を選びましょう。
■ 見積もりが明瞭
見積もりをしっかり確認し、項目が詳しく書かれているか、適正価格かどうか確認しましょう。 複数の業者に見積もりを依頼して、比較、検討することも重要です。 中には部分補修で直せるにも関わらず、全体の修理をすすめる業者もいます。
■ アフターサービスがある
工事後に再び雨漏りが発生した時に、アフターフォローがあるのかも重要なポイントです。 修理後もしっかりサポートしてくれる業者を選びましょう。
7、雨漏りの発生を防ぐ方法
雨漏りを防ぐために、普段から天井の染みやクロスの剥がれなどの雨漏りのサインが出ていないか、自分の目でチェックするとよいでしょう。 他にも次のようなメンテナンスがおすすめです。
■ 屋根の定期点検
屋根のセルフチェックは危険を伴うため、定期的に業者に依頼しましょう。 目安は10年です。
■ 台風などの環境災害の点検
台風などの災害後に、破損箇所がないか点検するのもおすすめです。 風災による雨漏りは、火災保険が適用されるかもしれません。 また雨漏りする前に破損が見つかれば、被害の拡大も防げます。
■ 外壁や屋根の塗装
フッ素塗料など、耐水性を持つ塗料で外壁や屋根を定期的に塗装しましょう。 雨漏りの防止になるだけでなく、耐久性が上がり美観も保てます。
8、まとめ
雨漏りを放っておくと家の寿命を縮めるだけでなく、住人の健康を害する恐れがあります。 雨漏りが見つかったらすぐに修理し、被害を拡大させないようにしましょう。 業者に依頼する時は、経験豊富で丁寧に対応してくれる業者を選ぶのがポイントです。 また、普段から雨漏りのサインを見逃さないように目視でチェックすると、雨漏りの予防になります。 台風の後や目視で確認できない屋根は、業者に点検を依頼するなど、定期的なメンテナンスを心がけましょう。美観を保てる屋根や外壁の塗装も、雨漏りの防止につながります。