暖房をつけていても足元から冷えるのは、必ずしも隙間風のせいではありません。 外の冷気が壁や床、窓などから伝わり、冷たい気流となるコールドクラフト現象によるものです。この現象は家の断熱性が低いために起こります。断熱するというのは、床、壁、天井に断熱材を装填し、窓に複層ガラスなどを用い、家を暖かい空気の層で魔法瓶のように包むことです。 断熱は、省エネルギー基準に沿って行われ、基準は年を追って厳しくなってきました。
①1980年基準:省エネルギー基準ができ、住宅が断熱されるようになったが、十分な性能ではなかった。
②1992年基準:断熱材の厚さなどを増やして断熱性能をアップさせた。
③1999年基準:開口部の断熱が首都圏などでも義務付けになるなど、断熱性能が大きく向上。 断熱性能としては現在の最高レベル。
④2013年基準:上記の断熱に加えて住宅性能の省エネ性能も加味されるようになった。
しかし基準が義務付けではなかったこともあり、全国5200万戸の既存住宅のうち、今のところ最新の断熱基準である1999年基準を守って建てられている家は5%にすぎません。 ほとんどの家は無断熱か不十分な断熱しかされていないのが現状です。 これではいくら暖房をつけても暖まりにくいし、まして廊下やトイレ、浴室などが暖まることはないのです。