正しい屋根点検方法とタイミングとは?

1、はじめに

家を建ててから数年経つと、「そろそろ屋根の点検をしないといけない」と考え始めるのではないでしょうか?      しかし、屋根の点検は簡単ではなく専門的なことですので、いまいちよくわからないという方も多くいらっしゃいます。                                                屋根の悩みを解決へと導く、屋根点検の正しいポイントとタイミングを詳しくご紹介していきます。

2、正しいタイミングに屋根の点検を行うべき理由

屋根は、上からの外的影響から建物を守っている大事な部分です。                    そんな建物を守る屋根が劣化してしまうと、1番影響を受けてしまうのが雨からの影響です。            屋根は、下地にある防水シートにより防水力を発揮させています。                    防水シートに大きな負担をかけないように、板金や瓦などの屋根の仕上げ材で覆っていきます。        屋根仕上げ材が劣化してしまうことで下地の防水シートに負担を与えてしまい、防水シートの効力がなくなり、雨漏りが発生してしまいます。                                    屋根の役目を最大限発揮させるためには、常に万全な屋根の状態にしておくことが大切です。  

3、屋根仕上げ材別 点検ポイント

屋根仕上げ材別の点検ポイントは以下の通りです。

①瓦屋根 

・棟のずれ                                              ・棟番線が切れている                                         ・棟板金の浮きやはがれ                                        ・谷の穴                                               ・瓦の割れ                                             ・瓦の色の変化

②スレート屋根(コロニアル・カラーベスト) 

・スレートの割れ、欠け                                        ・棟包みの杭が抜けている                                       ・塗装の剥がれ                                            ・棟板金の浮きや剥がれ

③板金屋根(金属カラー鉄板やガルバニウム銅板など)

・サビ                                                ・穴あき                                               ・棟堤の釘の抜け                                               ・色の変化                                                     ・屋根のたわみ

具体的な屋根の点検は、自主点検は1年ごと、業者点検は5年ごとと言われています。            雨漏りするまで放置せず、定期的なベストタイミングで点検を行うようにしましょう。

4、屋根の修理が必要となるポイント

一般の方でもわかる屋根修理が必要と判断できるポイントは5つです。                                                                                                                                                              ①棟板金が浮いている

棟板金は、屋根の登頂にあるまっすぐ葺いてある屋根板金です。                     屋根と棟板金との隙間が5mm以上ある場合は、その部分から雨水が浸透して雨漏りへと発展してしまうことがあります。

②屋根材の浮きや割れ

屋根材の割れは、どんな小さな状態であっても修理が必要となります。                  屋根材の割れは、5mm以上浮いている場合は雨漏りとなる可能性が考えられます。

③漆喰の崩れ 

瓦屋根の下地や隙間には、漆喰という材料が充填されています。                      漆喰にヒビや割れがある場合は軽度なので問題ありませんが、剥がれ落ちている場合は雨漏りへと発展してしまう場合が考えられます。

④コーティングが剝がれている

屋根の棟部分などの取り合い部分は、コーキングで防水処理をしています。                 コーキング自体にヒビがある場合は軽度なので問題ありませんが、剥がれてきている場合は防水力がなくなってきている証拠なので、雨漏りが発生してしまう原因となってしまいます。

⑤サビ

板金屋根の場合は、性能上経年劣化によりサビが発生してしまうことがあります。             サビは厄介であり、小さなサビでも大きな影響へとつながってしまいます。                そのため、小さなサビであっても補修が必要となります。                         少しでもサビが見受けられたら、補修を検討しましょう。  

5、屋根の点検は自分で屋根に登って行ってはいけない

「自分の家の屋根だから自分で屋根に登って点検したい」と思う方もいるかもしれません。         しかし、屋根の点検というのはプロではない一般の方が自分で屋根に登って行うことはおすすめできません。 おすすめできない3つの理由があります。                                

①屋根の上は想像以上に危険                                     「屋根の上の注意しながら歩けば問題ない」と思うかもしれませんが、屋根の上はコケなどの汚れにより大変滑りやすくなっています。                                       傾斜も思いのほか急であり、落下してしまうこともあります。

②屋根は破損しやすい

屋根は一見丈夫に思いがちですが、力のかけ方によって簡単に壊してしまうことがあります。        屋根は下地の骨組に沿って歩くことが定番であり、下地がない部分を歩いてしまったことが原因で屋根材を破損してしまったというケースも少なくありません。

③屋根の不具合箇所は特定しづらい

一般の方が屋根を見ても、不具合がどんな状態なのかを判断することは難しいです。             見た目の破損状況だけが屋根の不具合ではなく、目立たない小さな部分が劣化して雨漏りへと発展してしまうケースも少なくありません。                                       

このように一般の方が屋根に登ることは大変危険です。                          注意して屋根の点検をしても、結局は不完全燃焼な点検で終わってしまうことがほとんどです。       屋根は専門的な知識がなければ点検することができません。                       屋根の点検は専門業者に依頼し、適切な点検をしてもらいましょう。   

6、自分でできる屋根のチェックポイント

屋根を登って点検する危険性をお伝えしましたが、屋根に登ることなく、簡単に屋根の状態を確認できる方法が3つあります。                                                      

①2階の窓から1階の屋根を目視で確認する

2階の窓を開けると、1階の屋根は意外に見えやすいものです。                     2階の窓を開けて家の中から1階部分の屋根を確認してみましょう。

②屋根裏部屋や小屋根裏での確認 

屋根裏の野地板や構造部分を確認することで雨漏りが発生しているかどうかの確認ができ、屋根の不具合を把握することができます。                                        屋根裏部屋や天井点検口から小屋根裏に上がり、野地板や構造部分を確認してみましょう。

③遠くから離れて確認する

屋根全体を見渡せる場所へ行き、目視で確認することで屋根の不具合を確認することができる場合があります。サビや割れなどを簡単に確認することができます。

7、まとめ

屋根の点検は定期的に行うことが大切です。                               不具合が見受けられなくても定期的に点検することにより、小さな原因からの不具合を防止することができ、最小限の費用で補修することができます。                                 屋根を守ることは、建物全体をしっかりと守ることができるということです。                安易に考えずに、最適なタイミングで屋根の点検・補修を行いましょう。