1、はじめに
外壁・屋根塗装をするのは「見た目をきれいにしたいから」、それだけの理由ではありません。 1番大きな目的は、建物の寿命を延ばすためです。 家を守る外壁は、雨風にさらされ簡単に風化してしまいます。 傷みや劣化を放っておくと、知らぬ間に建物内部に雨水が入り、建物の腐食が進んでしまいます。 腐食を防ぐためには、定期的な塗装の塗り替えが必要なのです。 外壁塗装や屋根塗装であれば、数100万円のメンテナンス費用で済みますが、内部まで腐食した深刻なケースで、全面的なリフォームを広い家で行うには、1000万円単位の高額なリフォーム費用がかかってしまう場合もあります。 そこで、目に見えて大きな被害が出る前に、こまめなセルフチェック、定期的な業者による点検、そしてメンテナンスを心がけましょう!
2、簡単にできる外壁セルフチェックとは?
まず一般的な新築一戸建て住宅は、家を建ててから10年ほどで外壁塗装の塗り替えをすることが推奨されています。
外壁劣化の主なポイントは次の5つです。
①、ツヤの変化 ②、チョーキング ③、カビ・コケ・汚れ ④、コーキングの劣化 ⑤、ひび割れ
ここからはポイントを紹介していきます。
①、ツヤの変化
外壁を観察した際に、ツヤはありますか? ツヤがあるということは、すなわち耐候性が高いということです。 外壁は長い間太陽の紫外線に照らされて、少しずつツヤが引けていきます。 ツヤがなくなると、徐々に外壁が変色していくことに気づきます。 ツヤがなくなってきたり、変色してきたというのは劣化のサインと言えます。
②、チョーキング
外壁を手で触わると白い粉が付着していませんか? チョーキングとは、外壁を触って手に「白い粉」がつく状態のことです。 これは、外壁塗料の衰えを確認できる1番簡単なチェック方法です。 ツヤの変化と同じように、長きにわたり強い紫外線を浴びていたこと、そして雨風などに打たれたことが主な原因です。 外部からの刺激により塗膜が劣化すると、塗料に含まれている顔料が白い粉状になって出てきます。 これが手につく白い粉の正体なのです。
③、カビ・コケ・汚れ
外壁を見た時に、表面に緑色の汚れや黒く変色した部分がありませんか? これは、カビやコケが繁殖したことによる汚れです。 日が当たりにくい北側の壁にカビやコケなどの汚れが多く見られ、そのまま放置しておくと繁殖がさらに進んでしまい、クリーニングをしても汚れが落ちなくなることもあるので、早めの発見が大切です。
④、コーキングの劣化
外壁の継ぎ目が変色・ひび割れ・変形していませんか? 日本の一戸建て住宅の多くが、外壁にサイディングを使用しています。 このサイディングの1番の弱点がコーキングの劣化です。 サイディングは、外壁にサイディングボードを張り付けて、ボードの継ぎ目の部分にはコーキング材(またはシーリング材)が埋め込まれています。 このコーキング材は、サイディングボードよりも劣化の進行が早いことから、早い段階で変色やひび割れ、変形などの変化が見られる場合があります。 紫外線や風、雨などが原因で劣化が進むため、劣化したコーキング部分をそのままにしておくと、ひび割れ部分から水分が浸み込んでしまうことがあります。 その結果、外壁の内側に水分が浸み込み、サイディングボードの変形や建物自体の劣化にもつながり、最悪の場合壁全体の改修工事が必要になります。
⑤、ひび割れ
外壁がひび割れしていませんか? 小さなひびから大きなひびまで、外壁塗装のひび割れには大まかに分けて2種類あります。 小さなひび割れは、塗装の表面あたりに起こる「ヘアークラック」と呼ばれるひびで、大きなひびは塗装の下地あたりから割れてしまっている「構造クラック」と呼ばれています。 構造クラックは、建物の安全性をも揺るがすこともあるので、セルフチェックでひび割れを確認したら、早急にどの種類のひび割れなのかを外報塗装の専門業者に見てもらうことをおすすめします。
3、外壁セルフチェックをするタイミングは?
外壁のセルフチェックをするタイミングは、建物の立地条件や周辺環境、使用している外壁材により異なりますが、今回は一般的な環境下におけるセルフチェックのタイミングをお伝えしていきます。 外壁のセルフチェックをする一般的なタイミングは、約10年を目安に行うことをおすすめします。 外壁の塗り替えを行った場合でも、その日から約10年と考えるといいと思います。 これは一般的な外壁の塗り替えのタイミングでもあります。 ただし、使用している外壁のグレードや外壁材の種類によっては、5年といった10年未満で経年劣化が顕著に現れてくる場合もあります。 日頃から外壁の状態を気にかけておくことが大切かもしれません。 特に「潮風にさらされる」とか「積雪量が多い季節」「直射日光が長時間当たる場所」などの環境下にある建物については、外壁の劣化が早くなるリスクが高いと言えますので、特にチェックする必要があります。
4、外壁セルフチェックの要は、水の侵入の有無
外壁の大きな役割の1つが、防水機能です。 家の内部構造が木造建築であれ鉄筋構造であれ、その材質自体が水に弱く、水による劣化は家に深刻なダメージを与えます。 特に木造建築は、建材が腐るとシロアリが発生してしまう恐れがあります。 また、内部構造の大きな損傷が最終的に外壁の損傷として現れているという最悪の事態もありえます。 内部構造に生えてしまったカビなどが作用し、アレルギーや喘息などの症状につながるといった事例もありますので、ご家族の健康のためにも十分警戒しましょう。
5、まとめ
外壁が傷んでから気がついたのでは、修理にかかる費用に大幅な差が生まれます。 一見些細な劣化でも、大切な家の強度はもちろん、資産価値、家族の平和な暮らしに影響が出てしまうのが外壁でもあります。 上記のような変化がなくても、見えない劣化や一見わからないような傷みの激しい損傷がある場合もあるので、定期的な業者の点検をおすすめします。 チョーキング現象やカビ・コケ・汚れが見られたら、外壁補修を行うことのが最適だといわれています。 寒い冬がやってくる前に、ぜひあなたの家の外壁をチェックしてみてください!