外壁塗装に火災保険は適用されるの?ケースごとにわかりやすく解説!

火災だけでなく、落雷や風災、水害、水濡れ、盗難なども補償してもらえる火災保険。外壁塗装にも適用されるのか気になりますよね。

そこでこの記事では、火災保険が適用される場合とされない場合、申請期限、申請の流れと必要書類について解説します。

火災保険って外壁塗装にも適用されるの?

一口に「火災保険」と言っても、大きく分けて「住宅火災保険」と「住宅総合保険」の2種類のものがあります。これらの違いは「補償対象の範囲」です。細かい補償対象の範囲やプランは各社で異なりますが、この2種類の保険の大まかな違いは押さえておいた方が良いでしょう。では、それぞれの保証対象の範囲を確認してみましょう。

【住宅火災保険】

火災・落雷・破裂(爆発)・風災・ひょう・雪災

【住宅総合保険】

火災・落雷・破裂(爆発)・風災・ひょう・雪災・水濡れ・騒じょう・盗難・住宅外部からの物体の落下・飛来・衝突等

このように、住宅火災保険は火災から自然災害までが補償範囲ですが、住宅総合保険は自然災害以外の損傷となる原因を総合的にカバーしています。

参照:火災保険のカバー範囲とは

火災保険が適用される場合

一般的な外壁塗装は突発的な被害による損傷ではなく、定期的なメンテナンスにあたるため、火災保険の対象外です。ただし、外壁が損傷した原因が火災や自然災害の場合、すなわち保険の補償対象内であれば適用されます。

例えば、台風による外壁の損傷などが該当します。台風や竜巻、旋風は保険用語で「風災」にあたります。風災は火災保険の基本対象に含まれていることがほとんどです。実際に、2019年に発生した台風15号では千葉で、2018年に発生した台風21号では大阪で、台風によって破損した住宅の修復に火災保険が適用されました。

ちなみに、外壁が自然に劣化した場合や補償対象に含まれていない場合は、外壁塗装に火災保険は適用されません。

火災保険が適用されない場合

メンテナンス目的や補償対象に含まれていない場合、外壁塗装に火災保険が適用できないことをお伝えしました。しかし、意外と盲点になりがちなのが地震による火災です。地震によって生じた火災や外壁のヒビなどは地震保険でなければカバーできず、火災保険は適用されません。

また、地震保険は火災保険と異なり、単独での加入できないのが一般的です。そのため、火災保険と併せて加入しておくのが安心です。

また、同時に申請前の注意点についても確認してみましょう。以下のようなケースの場合、申請が受理してもらえなかったり、申請した金額に満たない保険金支払いになったりする可能性があります。

  • 補償範囲外の工事の請求をした場合
  • 補償範囲の要件と無関係の工事の請求もした場合

保険会社に申請し、受理されれば保険金がもらえますが、「思ったより補償保険金をもらえなかった」ということにならないよう、補償範囲や条件はよく確認しておきましょう。

申請は損害発生後から3年以内に

火災保険の申請期限は保険法によって損害発生後から3年以内と定められています。損害発生後から時間が経過するほど調査が難しくなるためです。3年以上経過してしまうと申請が受理されず、保険金も支払ってもらえないので注意しましょう。

中には、損害が小さいことから請求をしない方や手続き方法が分からないという方もいます。しかし、たとえ規模が小さくても損害であることには変わりませんので、加入している火災保険の担当者に問い合わせてみるといいでしょう。また、手続き方法が分からないという方は、申請代行業者に依頼するのも一つの方法です。

請求の申請期限が設けられているのと同様に、保険会社に対しても支払期限が定められています。支払期限は原則として、保険金の請求手続きが完了した日を含めた30日以内です。警察や消防の介入、専門機関による鑑定など、特別な照会や調査が必要な場合は延長されることもありますが、支払期限が過ぎた場合は遅延損害金も支払われます。

申請の基本的な流れと必要書類

では、火災保険の申請手続きについて、もう少し具体的にご説明します。申請の基本的な流れは以下の通りです。

1. 保険会社に連絡する

まず、加入している保険会社に連絡し、下記の項目を伝えます。

・契約者名
・保険証番号
・事故の日時、場所
・保険の目的
・事故の状況や原因
・損害の程度
・他の保険契約の有無
・自分の連絡先

2. 保険会社からの案内に従う

状況の説明後、加入している保険会社の案内に従って、申請を進めます。一般的には、以下のような内容の説明及び確認をされます。

・加入中の火災保険の補償内容
・保険金の支払い対象となる種類や範囲
・保険金請求手続きに必要となる書類
・必要な手続きの説明

3. 損害状況の確認・調査

実際の損害状況を確認したり、調査作業が開始されたりします。

4. 保険金請求書類を提出する

必要書類を集めて提出します。

5. 保険金が支払われる

保険金は指定の口座に振り込まれ、支払金額の明細ははがきなどで郵送されます。

大まかに、このような流れで申請手続きが進行します。
ちなみに、申請に必要な書類は以下の通りです。必要書類は保険会社によって異なる場合もあるため、申請の際には保険会社に確認のうえ、進めるようにしましょう。

  • 保険金請求書
  • 印鑑証明書
  • 法人代表者資格証明もしくは商業登記簿謄本(法人の場合)
  • 委任状(申請代行など保険金の請求を第三者に委任する場合)
  • 罹災証明書
  • 事故内容報告書
  • 建物登記簿謄本
  • 修理見積書
  • 損害明細書
  • 建物等の被害物件の全体像および被害箇所、被害の程度のわかる写真
  • 保険金直接支払指図書など

申請手続きや必要書類の準備は煩わしいものですが、なるべく早めに済ましてしまいましょう。

まとめ

今回は外壁塗装に関する火災保険の適用をテーマに解説しました。通常のメンテナンスや地震による損害の場合は外壁塗装に火災保険は適用されません。

しかし、加入している火災保険の補償対象に含まれていれば保険金は支払われます。申請手続きはやや煩雑ですが、申請期限もあるため、できる限り早めに行うようにしましょう。

いざというときのために地震保険と併せて加入しておくと安心です。今一度、ご自身が加入している保険を見直してみてくださいね。