外壁がメンテナンスフリー?損しないために覚えておくべき4つのコト

マイホームの購入から時間が経過し、外壁の劣化が気になるご家庭も少なくないのではないでしょうか。外壁のリフォームを検討中の方は、なるべく長くきれいな状態を保てる素材を探すはずです。

また、もしメンテナンスフリーの外壁素材があれば、取り入れたいと思う方は多いでしょう。

しかし、実際にメンテナンスの手間がかからない外壁素材は存在するのでしょうか。今回はメンテナンスフリーの外壁素材について詳しく解説します。

メンテナンスフリーの外壁素材はない

結論から言うと、永久にメンテナンスを必要としないメンテナンスフリーの外壁素材はありません。

やはり、いくら耐久性に優れる素材であっても年月が経てば補修や塗装が必要です。外壁塗装において、高い耐久性を持った外壁を「メンテナンスフリー」と呼ぶケースもありますが、明確な定義はなく、あくまでも修繕の手間がかからない外壁を指すことが一般的です。つまり、いわゆるメンテナンスフリーの外壁素材は、メンテナンスが不必要という意味ではなく、一般的なものと比べて修繕時期を伸ばせる外壁のことになります。

メンテナンスフリーの外壁は従来のものよりも修繕の回数を減らせるため、メンテナンス費用を抑えられるメリットがあります。

なお修繕時期を延ばすためには、劣化しにくい外壁素材を選定したり、設計上の工夫をしたりする必要があります。良い素材を使用したとしても、施工の精度が低ければ効果を最大限に発揮することはできないので、信頼できる施工業者選ぶようにしましょう。

劣化しにくい外壁素材

次に劣化しにくい外壁素材についてご紹介します。耐久性の高い素材として、タイルや樹脂製サイディングが多く使われています。しかし、耐久性に優れる一方で欠点もあります。それぞれの素材ごとに詳しくチェックしてみましょう。

タイル

タイルは非常に優れた耐久性をもつ外壁素材です。傷がつきにくく汚れや水に強い特徴があり、タイル自体の寿命も25年~30年程度と長期間です。まさに、メンテナンスフリー外壁の代表格と言えるでしょう。

しかし、そんなタイル素材にもいくつか欠点があります。一つ目は、タイルの接着面や目地の劣化が避けられないことです。目地の寿命は7年~10年程度のため、定期的なメンテナンスが必要です。

二つ目はコスト面です。セメントモルタル塗りの場合は、一般的に1㎡あたり4,500円程度の費用がかかります。サイディングの場合は1㎡あたり3,000円~10,000円程度の費用が一般的です。一方で、タイルの場合は1㎡あたり10,000円~40,000円の費用がかかります。そのため、タイル素材を取り入れるには十分な予算が必要です。

樹脂系サイディング

サイティングは、デザイン性・耐久性・耐熱性に優れる外壁素材です。サイディングは、窯業系・金属系・木質系・樹脂系の4種類に大別されます。中でも樹脂系は耐久性や耐震性などに優れており、メーカーの保証期間内であればメンテナンスの必要はほとんどありません。

ただし、樹脂系サイディングは価格が高くなりがちなデメリットもあります。
サイディングの種類ごとに価格を比較してみましょう。

  • 窯業系:約4,000~5,000円/㎡
  • 金属系:約3,000~7,000円/㎡
  • 木質系:約6,000~10,000円/㎡
  • 樹脂系:約8,000~10,000円/㎡

このように、サイディング素材の中でも樹脂系のものは比較的値段が高く設定されています。タイルほどではありませんが、取り入れるにはそれなりの予算が必要です。

継ぎ目のシーリング部分の役割

シーリングとは、建物の耐久性を高めたり、サイティングボードを貼る際に生じる隙間を埋めたりする役割を果たすパテです。このパテはゴムのような弾性があり、防水性・クッション性・耐候性に優れています。建物は地震や気温・気圧なによって動くことがありますが、外壁を全て硬い素材で覆っていると衝撃を逃がすことができません。

しかし、シーリングを施すことにより、外壁に柔軟性をもたせることができます。地震の多い日本において、シーリングを施すことは外壁の耐久性を高める上で重要な役割を担っています。

シーリング材の種類によっても価格や耐用年数が異なるので、気になる方は一度施工業者に聞いてみても良いかもしれません。

ハウスメーカーの推す「メンテナンスフリー外壁」とは

ハウスメーカーが推すメンテナンスフリー外壁には、先ほどご紹介したタイルや樹脂系サイディング以外にもいくつか種類があります。

例えば、ガルバリウム鋼板やレンガ、光触媒塗料を使用した外壁などが挙げられます。ガルバリウム鋼板は腐食しにくく、熱反射に優れる特徴を持った外壁材です。また、デザイン性も高く、近年は建築家が使う例も増えています。

一方で切断面からのサビが発生しやすかったり、チョーキングが発生してしまったりするデメリットもあります。同様に光触媒塗料を使った外壁もセルフクリーニング機能があるため、メンテナンスの手間がかかりません。

このように、耐久性に優れていて変化を防ぐ外壁がある一方で、経年変化を楽しむレンガのようなタイプのメンテナンスフリー素材もあります。住宅の景観や周囲の環境を考慮して決めてみましょう。

メンテナンスフリー外壁のメリットを活かすなら優良な塗装業者に依頼

メンテナンスフリーの外壁はどの素材も耐久性が高く、人気も高いです。素材には高額なものが使われることもありますが、完工後にかかるメンテナンスの回数が少ないため、トータルでは安く済むことも多いです。

そんなメンテナンスフリーの外壁ですが、10~15年に一回程度のメンテナンスが必要になることも事実です。

家を建てる場所や気候、設計方法に合わせて、ハウスメーカーとよく話し合ったうえで選ぶように心掛けましょう。ぜひ皆さんも信頼できる塗装業者に依頼して、後悔のない住まいづくりを叶えましょう。